マイケル王子の疑問(2)
子爵父娘が見舞いに来た時に私は応対してみせた。
「マイケル王子殿下、お加減は如何でしょうか?」
「ナウリー子爵、そなたの娘のお陰ですっかり良くなった。アンナ嬢、その節は世話になったとか、全く覚えていないのだが。とにかく感謝する」
「いえとんでもございません。恐れ多いです」
「ところで私はどんな魔獣に襲われたのだ?」
「それなんですが、目撃したという領民に詳しく聞こうと思ったのですが、行方不明でして」
「そうだったのか、いったい私はどんな魔獣に襲われたのであろうな」
そうして何気なく首につけていた護身のペンダントをいじる。
そういう仕草をしてみてもアンナ嬢は特に反応を示さなかった。
見舞いの挨拶を終えて帰ろうとする子爵父娘を呼び止め、従者を通して謝礼の品を渡した。
「アンナ嬢そなたが取引をしてるという、服飾店に頼んで特注のドレスを注文しておいた。2週間ほどしたら届く筈だ。引き換え証書が入っていると思う。本当は下着もと思ったが、それは女性に対して失礼になるので控えている。その代わりそのドレスに合う宝飾品を何点か購入し、その中に入れてある。細やかな謝礼金と一緒にな」
「とんでもない。勿体のうございます」
「いやいや遠慮されるとわたしの顔が潰れるので受け取ってくれ。ところで当日は寒かったと思うが、そなたは風邪などひいておらぬか?」
「はい? そうでしたか? 全然大丈夫でございます」
「そうか。今日は見舞いに来てくれてありがとう。リリアン、玄関まで見送りして差し上げなさい」
「はい、殿下」
私は侍女のリリアンにそう言いつけた。
彼女は私の代わりに例の服飾店に行ってドレスや宝飾品に関するすべてを購入してくれた、伯爵家の令嬢だ。
もちろんアンナ嬢の下着についての知識も仕入れて来ている。
子爵父娘を見送って戻って来たリリアンは私の傍まで来ると報告した。
「壁の額に入れた例の継ぎ接ぎだらけの下着の傍を通りました。アンナ嬢はそれに気づき首を傾げて見て行きましたが、それだけの反応です」
私は確信した。
私の命の恩人が別にいると。
子爵令嬢の偽証は罪だが、敢えて今はそれを問わぬこととしよう。
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