アンナ・ナウリー子爵令嬢(2)
歩いてほんの5分もしないうちに辺境伯の紋章の旗をひらめかせた騎士団の姿が見えた。
そして先頭にいたのは第二王子のダニエル殿下だった。
私は小声で従者にゆっくり遅れて来るように言うと小走りに駆けて行き、第二王子殿下の元に先に着いた。
「そなたは?」
「私はナウリー子爵の長女アンナ・ナウリーでございます。ダニエル殿下とは初めてご挨拶致します。実はマイケル王子殿下を保護いたしました」
「詳しく話してくれないか?」
「はい、マイケル王子殿下らしき方が単身馬に乗って大森林に入ったと聞いて、配下の者と一緒に後を追いました結果」
私はそこで息を止めて間を置いた。
「魔物に襲われて馬から落馬していたのでございます。実は殿下には配下の心得たものに介抱させたと申しましたが、生憎そのような者を随伴しておらず……」
「そちが介抱したと申すか?」
「はい、申し訳ありません。玉体に触れて湿布をしたり緊急の措置をさせて頂きました。どうかこの件はマイケル王子殿下にはご内聞に。」
「構わぬ。そちが処置をしなければ重篤なことになった筈だ。その件は咎められぬことと心得よ」
「それともう一つ」
「なんだ、まだなにかあるのか?」
「駆け付けたときには呼吸が止まっていて、危険な状態だったのですが、必死に蘇生措置を行いました」
「なんと、それで息を吹き返したのか?」
「はい、なんとか。けれど目を覚ましたときには自分の名前も言えぬ状態でした」
「一時的な記憶喪失か。よく聞く話だ」
「でもその後、自分の名前を言えるようになりました」
「そうかそうか」
「そして打撲をした箇所を湿布の処置をしました。資格もない私が治療行為をしてしまい」
「それは気にするなと申したであろう。却って感謝しておる」
「ありがとうございます。でもを湿布をしてもまだ痛みが激しいようなので痛み止めの薬茶を飲んで頂いたのです」
「おお、それはありがたい。弟も少しは苦しまずに済んだというもの」
「ですが、この辺で採れる痛み止めの薬草は副作用があって、服用の前後の記憶が曖昧になるのです。その部分はどうしようもなく」
「それも大丈夫だ。すべてアンナ嬢がマイケル王子の為にしたことだ。どう感謝して良いのか分からないほどだ。本当にありがとう」
「いえ、勿体のうございます、殿下」
丁度必要なことは総て告げたので、ここで従者に合図をして王子同士を引き合わせ、私たちは退散することにした。
あとは先ほど王子を連れて来た領民を見つけて褒章を与えながら口止めをすれば良いだけだ。
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