黒薔薇の侯爵令嬢ー幸せをつかむまでの物語ー

セシリアの再生編ー贖罪の道ー

国外追放されたセシリアは、最初はプライドを捨てきれず、与えられた仕事も何度も投げ出していた。だが、黒薔薇商会の名と共に姉リディアの努力と強さを知ったとき、胸に突き刺さるものがあった。「私……本当に、何も努力してこなかった。」そう気づいた彼女は初めて頭を下げ、地道に働き始めた。そして数年後、小さなパン屋を開き、子供たちにパンを焼く日々。「……私も、少しは姉上のようになれたかしら。」そう心の中で、静かに呟いた。