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第3章 ー黒薔薇商会の誕生ー
ラヴァンナで、リディアは偶然出会ったアレクシス王子に力を貸し、商会を立ち上げる。彼女の政務経験と王太子妃教育で培った知識は、商会の経営において圧倒的な武器となった。商才を開花させたリディアは、次第に「黒薔薇商会」の女主人としてその名を広め、隣国の商人たちも一目置く存在となる。だが、成功の裏で、王太子と妹はリディアの商会を潰すべく裏で手を回していた。王都での妨害工作、買収、暗殺──だが、リディアはすべてを跳ね返し、一歩一歩、確実に力をつけていく。「私はもう、あの頃の私ではない。」彼女は、復讐などのためではなく、自分自身の未来のために、歩き続けることを選んだ。