新たな出会い?
......迷った。
僕は、ひとり高い木が不規則に並ぶ森の中で途方に暮れていた。
―時は遡り、朝。
家を出たのはいいんだけど、地図を持っていくのを忘れてしまった。
今更家に帰るのもなんだか恥ずかしいから、戻れずにいた。
半分投げやりになりながら、頬を叩いて叫んだ。
「とりあえず歩こう!そうしたらそのうち着くでしょう!」
それで歩いていたら、いつのまにか森の中に入ってしまった。
「はぁ、どーしよっかなぁ」
そして、現在に至る。
地図取りに帰っておけば...と少し前の自分を悔やんでいると、後ろから声が聞こえてきた。
「あなた、なんでこんなところにいるの?」
若い女の人の声が森の木々にこだまする。なんでこんなところに?誰なんだ?ここにいる目的は?
そんな疑問を無視するようにまた声が聞こえてきた。
「私の言葉わかる?ここよ。上よ。」
少しだけど、カタコトだ。外国人なのかな?
「あれ?わかんない?もー、仕方ないな...」
空を切る音がして、人が上から降ってきた。
青い髪に、水のように澄んだ目。
黒い革のレザードレスを着て、背中には赤をベースとし、金の装飾がついている杖を背負っている。その上にはサンタマリアアクアマリンのような澄んだ色をした綺麗な球型魔術発動結晶が装着されていた。
彼女の顔は、遠く離れた大日本魔術共和国の人に似ていた。
僕がまじまじと見ていると、彼女はニヤリと笑って言った。
「私は、河澄瑞波。日本から送られた、諜報員よ。」