閑話⑨ 『そのころ男爵令嬢は《攻略》』
いつも拙著をお読みいただきありがとうございます!
昨日は頭痛が酷く臥せっておりまして投稿できませんでした。
今回はいつもより大ボリュームでご提供です……後書きコントが(笑)
ここは橄欖宮の一室。
ルルは今アンナに扱かれていた。
「今の貴女に多くを求めても無駄です」
ばっさりと切り捨てる相変わらずのアンナ。
「うぅ……否定はしませんが、この頭に乗せる分厚い本になんの意味があるんですかぁ?」
口を開いた刹那に体がごく僅かぶれて本が落ちる。
ドガン!
本が床を抉る音がルルの耳を打つ。
ドサッ!でもバサッ!でもない。ドガン!である。
なんだこの本!?鋼鉄ででもできているのか?どおりでやたら重いと思った。
こんなのが足に落ちていたらとルルは真っ青になった。
「無駄口叩かない!本を落とさない!」
「こ、これ本ですかぁ!?凶器の間違いじゃないですかぁ!」
床の本という名の凶悪な兵器を指差して苦情を呈するルルに、アンナは遠慮もせずに大きく舌打ちした。信じられないほど態度の悪い専属侍女だ。
「この程度のこともできないとは」
「こんなことに何の意味があるんですかぁ!?」
アンナはルルを残念な子を見る目になり、ルルはそんなアンナを不満気な険のある目で見返した。
「ありますよ。体幹を鍛えるためと正しい姿勢を身に付けるためです」
「こんなの人間業じゃありません!できるわけ……」
そう言いかけてルルは凍りついた。目の前でアンナが鋼鉄(とルルが勝手に思っている)の本をヒョイと拾い上げると自分の頭に乗せて歩き出したのだ。
「う…そ……」
しかもアンナの歩く速度は速くなっていく。クルッと体を回転させると侍女服のスカートがふわりと舞うが、頭の上の本という名の凶器は微動だにしない。ルルが見ている前でアンナの動きがさらに鋭くなる。スッと足を素早くスライドさせたかと思えば、体を大きく沈めたりとまるで美しい舞踊のようだ。そして頭上の本は落ちる気配は当然ない。
あまりに華麗。あまりに見事。
ルルは言葉を失った。
いや待て落ち着けルル。アンナは人間じゃないのかもしれない。
そうだ。きっとそうに違いない。凶器を持った男たちに囲まれても全く動じすワンパンで倒す化け物だし、リリを前にすると顔が変質者のそれになる。ああ、間違いない妖怪『変態』だった。とルルは現実逃避ぎみに結論づけた。
「ちなみに王妃様はもちろんですが、リリ様も当然できますよ」
「ぐは!」
ルルの思考を読んでいたアンナの発言に、できるのはアンナだけではないと教えられルルは心で血を吐いた。いやホントに吐きそうだ。
アンナはそんなルルを見詰めていたが、突然その両肩をガシッと掴み、いつになく熱い顔でルルの瞳を覗き込んだ。
「いいですかルル。体幹は全ての所作の基本です。ダンスやカーテシーだけに必要なものではないのです。『立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花』と言うでしょう。女性の美しさは立ち姿、座る姿勢、歩く動作に現れるのです」
「なるほど……そんな古語を知っているということは、やっぱりアンナさんはJKではなかったと」
スパァァァン!!!
どこから取り出したのかアンナは超巨大紙ハリセンでルルの頭を叩く。
「ぐはぁ!さすがにそれは痛すぎですぅ」
「だまらっしゃい!さっさと続けなさい!」
ルルは痛そうに頭をさすりながら、恨みがましい涙目でアンナを見やる。
「さすがにすぐには無理ですよぉ」
「できますよ」
ルルの泣き言をアンナは一蹴した。
「今の貴女の身体はリリ様です。先ほども申しましたが、リリ様はこの程度なら苦もなく熟します。なぜならリリ様の体幹は完璧だからです」
「え!じゃあコツさえ掴めば私でも?」
期待の目で見るルルにアンナは自信を持って頷いた。
「もちろんです。言うなれば今の貴女はガン〇ムどころかνガン〇ムに乗っているのです!旧ザコから最新機に乗り換えた貴女に臆することは何もないのです!!」
「おお!!!」
騙されやすいルルはもうアンナの術中だった。自分の元の身体を旧ザコ扱いされているのにも気がつかない。だからアンナがルルに聞こえないようにこっそり「まあ、パイロットが子守り要員のぼうふらヒロインだったらどうしようもありませんが」と言っていることなど知りようもなかった。
「あれぇ?そしたら旧ザコに乗っているリリ様は?」
いいのかルル!自分の身体を旧ザコ扱いして……
「あちらはパイロットがニュータイプ通り越して神ですから。モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということです」
「まさか私はνガン〇ムに乗って旧ザコに負けるのですか」
がくりと膝をつくルル。νガン〇ムに勝てる旧ザコ……なんて恐ろしい。
「ほらほらルルちゃん落ち込んでないで頑張ってぇ」
そんなルルの様子に笑いながら無責任に声援を送っているのは、この部屋の主であるエルゼだ。
彼女は部屋の中央に設置された色は白と簡素だが、所々に瀟洒なデザインが施されたテーブルに着いてお茶をしながらルルたちを呑気に見物していた。
ちなみにこの荒業の発案者は彼女だ。
アンナはルルを引き連れてエルゼに謁見を求めた。リリから今週中にマリーたちと顔合わせをするとの指令を受け、あまりの短期間にルルを一人前の令嬢に仕立て上げるのは自分一人では無理だと判断したためだ。
やってきたアンナの要件を聞いたエルゼは目を点にした。
え?会話術?政界や社交界の知識?貴族名鑑を叩き込む?
リリちゃん無理言うわねぇ。そんなの短期間では無理よ。
何とかしろ?じゃあ、黙って笑ってればいいんじゃない?
と言うわけである。
なんという発想の転換!
つまり、立つ、座る、歩くの基本を叩き込めば、黙って、笑って、首肯しているだけでよくね。というわけである。とにかくルルには余計なことを一切させず、佇まいだけ『見事な貴族令嬢』にすればよいのだ。
乱暴とも思えるアイディアだが、確かにこれならリリの無謀な指令に対応が可能だ。エルゼの英断にアンナの目から鱗がボロボロ落ちたとか。
体幹が鍛えられているリリの身体なら、ルルでも短期間で習得は十分に可能。と素早くアンナは目算すると、これからの数日間の特訓メニューを考えた。
まずは体幹の矯正。
とにかく姿勢が大事だ。これができるのとできないのでは他者からの印象が全く違う。リリの身体は既に貴族令嬢として完成形だ。ルルにはただ形を覚えこませればよい。
そして次に笑顔の練習。
笑うだけと思うなかれ。意図する表情を作るのは意外と難しいのだ。古拙の微笑みを維持させないといけない。
最後に口を閉じて黙らせる。これが一番難しい。
なんせルルはすぐに余計な一言がでる。前世で両親の虐待にあって何も言えなかったというのは本当なのかと問いただしたいくらい迂闊なのだ。
「姿勢に関しては私が夜鍋をして明日にでも『体幹矯正ギブス』を作製します。これで強引に姿勢を作ってしまいましょう。とにかく時間がありません。リリ様から友人たちとの顔合わせを、数日以内にすると指示がきています」
なにやら不穏なアンナの発言が聞こえてきてお前は一徹かとルルは苦笑いしたが、その後に告げられたリリからの指示の内容に心が沈んだ。
友達……
リリはマリアヴェル・コラーディンと仲良くなったと言っていた。今までクラスでも一番ルルに噛みついてきた令嬢だ。ルルにとってよい思い出はない。
しかし、リリが彼女をいい娘だという。リリが言うのだからたぶんそうなのだろうとルルは思う。だが、ルルはどうしても彼女にあまり良い感情を抱けない。
その理由はマリアヴェル・コラーディンが『しろくろ』に登場するキャラクターの1人で、序盤のプチ悪役令嬢だからだ。
彼女はゲームでヒロインのクラスメイトとして登場する。ヒロインの能力値が低い序盤のライバル役、つまりは中ボス的な役割なのだ。そのためゲームの彼女はヒロインに何かと小さい意地悪をするのだ。その印象が強いせいか、彼女の前ではどうしても身構えてしまう。
だがマリー自身よりも問題な存在が彼女の父親だ。『しろくろ』において彼女の父ゲルハルト・コラーディン伯爵は攻略のルートによっては悪役として登場し、ベルクルドと並びハピエンとバドエンの2択しかない『しろくろ』におけるバドエン側の立役者なのだ。
このことをルルはリリたちに伝えていない。リリが嬉しそうにマリーの話をするものだから言いそびれてしまったのだ。そのことを後にルルは後悔することになる。
それに友達と言われるとどうしてもライルの側近たちが頭に浮かぶ。ルルにとって彼らこそ友達であったという想いが強い。それもあってマリーを友人にすることに抵抗があるのだ。
彼らと一緒に過ごしたこの半年。ルルにとってそれは最高の宝物だったのだ。
ルルはそのライルたちとの出会いに思いを馳せた。
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入学式の日、ルルは朝から憂鬱であった。
今のところゲームと同じ展開で進んでいるからだ。
このままだとベルクルドに身売りすることになるし、最悪ルミエン家自体が失われてしまうかもしれない。
どうするか?
自問するまでもない。手段は1つだ。ゲーム通りに展開しているのなら、ゲームをなぞって攻略対象の誰かを攻略して、その相手に自分とルミエン家を救ってもらうしかない。
正直なところ気分は乗らないが。
本当はルルとしては攻略対象に近づきたくなかった。ルル自身はべつに高位貴族になりたいわけではなかったし、どちらかと言えば普通の家庭の普通の幸せを享受したかった。
だが、もはやそのような悠長なことは言っていられない。ベルクルド商会が接触してきている。早く手を打たないと。
とにかく攻略対象をヒロインの魅力で篭絡しないと。
え?妖艶じゃない?美女じゃない?胸もなければ身長もない。お金もなければ地位もない。ないない尽くしのちんちくりん洗濯板のどこに男を籠絡できる魅力があるかって?
無問題!ルルは乙女ゲームのヒロインだもの。そんな1人ツッコミの誹謗中傷で自爆して涙を流しながら乙女ゲームについて考えるルル。
さて攻略対象は5人だ。
1人目、近衛騎士団長マスクル公爵の嫡男マクウェン・マスクル。愛称マック。
赤い髪を短髪にして、ニカっと笑うと歯が光るいわゆる爽やか熱血脳筋枠だ。しかし、マッチョ好きではないルルには論外だ。
2人目、王宮魔術師団長ワズマン伯爵の嫡子ミッシェル・ワズマン。愛称ミカ。
いつも女を侍らし、長い前髪をかきあげる仕草をするチャラ系美男子枠だ。前世で父の浮気を見ているルルにとって嫌悪の対象だ。
3人目、宰相ゲニール侯爵の跡取りムゥレン・ゲニール。愛称ムゥ。
冷淡な口調と眼鏡の奥で鋭く光る目で相手を痛めつける冷徹腹黒眼鏡枠だ。前世で暴言にあったルルには近づくのも無理だ。
4人目、隠しキャラの王弟殿下ギルバート・シュバルツバイス。愛称ギル。
前世ルルの最推しキャラ。30過ぎの美青年?大人の魅力とさすがの包容力。だが現実で父親と同世代はちょっとなぁ。それに彼の攻略には悪役令嬢以上の難関ライバル令嬢と対決して勝つ必要がある。あれに勝つには実力と運がマックス必要だ。今は失敗が許されないのでパスだパス。
そして最後が悪役令嬢の婚約者にして我が国の王太子であるライベルク・シュバルツバイス。愛称ライル。
金髪碧眼で眉目秀麗の王子さま。成績も常に上位を維持し、剣術の腕もトップクラス。くわえて魔力保持容量も高くて魔術の腕も一流だ。そこにきて誰にでも優しい爽やかな性格。たぶん1番無難だ。
いや無難というより現実ならこれ一択だろう。顔よし頭よし性格よし。地位も名誉も財産もある。なんだこのハイスペックは!女性なら誰もが憧れる正真正銘モノホンのザ・王子さまだ。
だが彼を選択するのだけは絶対嫌だ!絶対できない!とルルは思った。
──殿下は『リリ様』の婚約者。攻略したら『リリ様』に迷惑がかかっちゃう!
ルルは前世『リリ様』信者だった。彼女を不幸にする選択など言語道断!信者にあるまじき所業だ。ライルの攻略だけは絶対阻止である。
しかし、どのみちゲームを攻略すれば、それなりに『リリ様』は不幸になるのである。そのためルルは懊悩した。
攻略しなければルルたちの不幸、攻略すれば『リリ様』の不幸。攻略すべきか破滅すべきか、それが問題だ。
昨夜は決意するまで七転八倒して、あまりの異常行動にそれを見た愛する妹が真っ青になって泣き出したくらいの狂乱ぶりだった。
だが、それでもやらなきゃと学園までの道すがら、決意を胸に空を見上げれば心の情景が浮かぶ。
そこに見えるは自分を育ててくれた優しく微笑む父母の姿。ルルはグッと握りしめた拳を天につき上げた。
──お父さんお母さん私やるよ!絶対いい男を堕とすからぁ!
父母に誓う内容としてどうかと思うが……
──ネネ!お姉ちゃんはあなたのために男を堕とすからね!……あれ?私なんか忘れてる?
次に浮かんだ最愛の妹ネネの姿に固く誓った。憐れ影の薄い弟ノノは完全に忘れられていた……
さて、まずは出会いイベントを起こさないといけない。前世『しろくろ』をやり込んだルルには序盤イベントは全て網羅できる。最初は入学式の朝に起きるライルとの校門イベント。
ライルを攻略するつもりはないが、ゲーム開始の強制イベントである。これをやらないと他の攻略対象の攻略ができない可能性がある。
だからルルは待った。
ルルはちゃんと自分のことが分かっている子だ。
自分はポンコツである。
遅刻したり、迷子になったり、時間を間違えたり……
想像できるトラブルなど色々あるので早朝にやってきたのだが、意外にもすんなり学園に到着してしまい、現在ルルは校門の近くの茂みに隠れてライルが現れるのを待ち続けたのだ。
こんな所で一国の王太子を待ち伏せする女。
はっきり言って不審者以外の何者でもない。
だが、ルルは気にしない。自分の将来がかかっているから。
ここで王太子殿下と運命の出会いを演出しなければならないのだ。
春うらら。優しく暖かい陽光に包まれながら学園に向かうルルーシェ・ルミエン。希望を胸に校門の前に立ち学園を見上げる。と、一陣の春風に制服のスカートがふわっと舞い、きらきらと輝くような白銀の髪がたなびき、ルルーシェは乱れそうになったスカートと髪を手で押さえた。ちょうど近くまで歩いてきたライベルクはその風の中の清純な少女を見た瞬間に心を奪われた。風の行方を追うように顔を背後に向けたルルーシェの視線とライベルクの視線が絡み合い、2人は息をするのも忘れて見つめ合った……
とういオープニングイベントを!
そして、待つこと1時間。
運命の刻。
それはやって来た――
ガラガラガラガラ……
――馬車で。
ルルはがくりと膝を突いて項垂れた。
そうよね。当たり前よね。
だって王子さまなんだから。
徒歩で来るわけないじゃない!
ゲームの補正力?何それ美味しいの?
仮想と現実の区別のつかない人の戯言よ!
ルルは焦った。
イベントなんて仮想の中の話。現実においてそんな都合のよいことが起きるはずもない。じっさいに初っ端から躓いている。
──まだだ!まだ終わらんよ!
だがルルは諦めなかった。いや、諦めるわけにはいかなかった。
確かに仮想と現実は違う。しかし、他のイベントが発生する可能性はまだ否定できないし、イベントではなくとも同じようなことが起きないとも限らない。
この日からルルのイベント探し学園内の旅が始まった。
しかし、入学してから1週間、ことごとくイベントは発生しなかった。それどころか攻略対象の誰一人として出会うことができなかったのだ。
入学後の最初の1週間……それはクラスで友達を作るのに重要な時間だ。クラスでは既に友人の集団ができ始めている。その中に途中から入るのはかなりハードルが高い。そんな交友関係を築くのに貴重な時間をイベント探しに全て費やしてしまった。
イベントは発生しない、攻略対象には会えない、クラスメイトに友達ができない。ないない尽くしのルルに、さらに『ないない』が上乗せだ。もう涙目で自棄になりそうだった。
──もうダメなのかなぁ。
弱気になったルルには昼休みに教室にも居づらくて、人気のない校舎裏で1人膝を抱えてうずくまった。涙があふれそうになる。
良くないことばかりゲーム通り進むのに、攻略に関しては全くゲーム通りにいかない。
ルルにはもうどうすればいいのか分からない。ルルにはもう何をしたらいいのか分からない。ルルはもうやる気がぜんぜんでない。
どれくらいそうしていただろう。俄かに人の話し声が微かに聞こえてきた。複数の男の声だと分かる。
しかし、ルルにはどうでもよかった。ただ顔を膝に埋めてふさぎ込んだ。しかし……
「……しかし、殿下それでは……」
「分かっている……」
『殿下』というワードに反応してルルは思わず顔を上げた。
ルルの位置からだと建物を曲がった角の先のようで、ちょうど陰になって見えない。が、話し声から数人の男がいるのが分かった。
そっと近づき角から顔を少しだけ出して覗くとルルは目を大きく見開いて固まった。
見えたのは4人の男子生徒たち。
そこにいたのは王太子ライベルク・シュバルツバイスとその側近たちマクウェン・マスクル、ミッシェル・ワズマン、ムゥレン・ゲニール。ルルが探し回っても会うことの叶わなかった攻略対象たちであった……
アンナ「今日も特訓です!休んでいる暇はありませんよ!!!」
ルル「む、むりぃ~~~」
アンナ「泣き言は聞きません!」
ルル「一徹より厳しい!ってなんですかその奇天烈な装具は!」
アンナ「大淑女矯正ギブスです!これで貴女も立派な貴族令嬢ですよ!」
ルル「いやいや!なんですかこの無意味なバネは!?」
アンナ「これは形式美というやつです!意味はありません」
ルル「あ!認めた。無意味だって認めた!!」
アンナ「お約束なので仕方がありません」
ルル「こんなんでホントに間に合うんですか?」
アンナ「無駄口たたくな!次はこれです」
ルル「なんですかその石膏みたいなのは?」
アンナ「これでアルカイックスマイル型に貴女の顔を固められないかと」
ルル「いやそれ普通に死にますって!!!」
アンナ「ほら口を開くな!閉じて口の端は僅かに上げる!目は真顔を維持!」
ルル「ひぃぃぃ~~~」
アンナ「最後はこれ!」
ルル「なんですかその凶悪そうなの!?」
アンナ「いや羊を黙らせるという映画で使用されていたので貴女にちょうどいいかと……」
ルル「それ囚人用の拘束マスクですからぁ!!!」
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