ぽっぷこーん
この作品はフィクションです
「気軽に食べられるお菓子ってのは、ついつい食べちゃうよねぇ。」
「食べてしまうな。」
「そこにあったら、無意識に手が動く感じ?」
「あー、なんかわかる。」
「つまり、全自動菓子食いマシンと化すわけなんだよ。」
「何の生産性も無いマシンだな。」
「でも人生ってのはそんなもんなのだと思うんだよ。」
「どういうことだ?」
「ポップコーンみたいに、はじけたもん勝ち?」
「あ、そっち?」
「そっち。」
「ていうか、ポップコーンどこから出てきた?」
「黒曜石の彼方から。」
「どこだよ。」
「明後日の昨日から。」
「どこだよ。」
「異世界のうたかたから。」
「どこだよ。」
「左。」
「ざっくりが過ぎる。」
「ポップコーンはざっくりしたもんだと、あの日あの時の盟約で決められているからね。」
「…うん、まぁ…、そういうことで。」
「つーっーこーめーよー。スールーゥーすーるーなーよー。」
「下手にツッコむと、話があらぬ方向へ進んでいきそうだからな。」
「そんなの日常茶飯事なんだよ。」
「はっきりと言うなよ。」
「間違えた。」
「間違えたか?」
「そんなの白湯薬草粥なんだよ。」
「なにその身体に良さそうな料理。」
「というわけで、」
「どういうわけで?」
「ポップコーンです。」
「ポップコーンなんですか。」
「美味しいよね。」
「まぁ、美味しいけど。」
「ポップコーンと言えば、やっぱり塩?それとも選手宣誓?」
「比較対象のおかしさたるや。」
「塩も選手宣誓も大事じゃん?」
「まぁ、大事かもしれないが。」
「ポップコーンに塩をかけるのも大事だし、ポップコーン片手に選手宣誓するのも大事だし、」
「映画鑑賞感覚の選手宣誓とか嫌だろ。」
「塩に選手宣誓をかけたポップコーンも大事だし、」
「雑に混ざってるし。」
「ポップコーンにポップコーンをかけたポップコーンはポップコーンだし。」
「ポップ過多。」
「過多になるくらいいいじゃあないか。ポップコーンは、あればついつい食べちゃうんだから。」
「それでも過多に食べると栄養バランス偏るぞ。」
「大丈夫。過多には食べない。」
「ならいい。」
「滅多に食べるから。」
「んん?」
「どしたの?」
「いや、今ちょっと、意味がこんがらがった。」
「おやまぁ、なんでそんなことが。あれかい?ポップコーン不足かい?」
「ポップコーンが足りなくたって言葉の意味の理解力を無くしたりはしない。」
「私は無くすよ?」
「無くすなよ。」
おかしを食べるのは、ほどほどが良し。