ふらい
この作品はフィクションです。
「暴力。」
「急にどうした。」
「暴力の果てにあるもの。それは何だと思う?」
「無、とか?」
「斬新。」
「そうでもないと思うけど。」
「正解はトンカツでした。」
「どうしてそうなった。」
「豚を殺す暴力。肉を切り裂く暴力。叩いて繊維をぶち壊す暴力。粉まみれにして高温の油に叩き落とす暴力。それを食らいつくす暴力。」
「言い方。」
「結果、旨いという幸福。」
「それはよかった。」
「よくないっ!!」
「豚が殺されたから?」
「それは仕方ない。」
「ドライな切り返し。」
「生きるために食べるじゃん。食べなきゃ生きられないじゃん。だから食べるじゃん。そのために殺すじゃん。つまり必要なことじゃん。」
「急に軽薄な語尾。」
「大切なのは生命に対する感謝の気持ち。」
「そうだな。」
「でも豚に言わせりゃ感謝しなくていいから殺さないでよ、ってことになると思うけどな。」
「それを言ったらおしまい。」
「だって殺されたくないじゃん?他人生かすために死ぬとか、出来るかい?」
「それは、まぁ。死にたくは、ないよな。」
「だからフライが食べたい。」
「脈略。あるいは唐突。」
「トンカツの話してたらフライが食べたくなってきた。」
「生死の話から急な食欲。」
「フライだったら何が好き?」
「エビフライかな。」
「私はフライ級タイトルマッチ。」
「突然の闘争本能。」
「勝率百パーセントの最強戦士。」
「それは凄い。」
「対戦相手が試合前日に何故か失踪するからオール不戦勝。」
「急なミステリー。」
「さすがに何か裏があることに気付いた警察は操作を開始した。しかし、その事件を解決することはできなかった。」
「何故。」
「そういうストーリーだから。」
「フィクションかよ。」
「そんな現実があってたまるか。」
「そうだけど。」
「そういえば、」
「なんだ。」
「総入れ歯。」
「おもむろな駄洒落はNGとさせていただきます。」
「いや!むしろGJで!」
「むしろの意味。NGをGJには出来ないだろ。」
「まぁ確かに。」
「うん。」
「ナイスガイを紅蓮の女子高生にするのは難易度高いよね。」
「解釈の仕方。」
「略語をどう解釈しようと、それはイカそれぞれの自由なんだよ。」
「十本足の自由制度。人じゃないのか。」
「人はイカを食い過ぎた。」
「イカだけにとどまらないと思うが。」
「故に人は常に孤独。」
「どんな展開したらそう繋がるんだ。」
「ゆーあーコミュ障!」
「違うわ。」
カツ丼食べたい。