ねこ
この作品はフィクションです。
「猫って可愛いよねぇ…。」
「そうだな。」
「特にあそこが可愛いよね。犬っぽさ。」
「はい確保。」
「なにがよ。」
「猫の中にある犬っぽさってなんだよ。」
「とりあえず無視します。」
「はい確保。」
「なにがよ。」
「早いだろ、無視するのが。」
「だってすぐに確保するんだもの。」
「仕方ないだろ確保せざるを得ないんだから。」
「背猿ってのはなんか観光名所的な感じがして割とパイナップル。」
「どういうこと?」
「見ざる言わざる聞かざる背猿腹猿上腕二頭筋猿。」
「長い長い長い」
「そんな観光名所的な場所には、観光目的の人と、その人からごはんをもらうことを目的とした猫たちが集まると言われている。」
「そうなのか。」
「そうでもしなければ需要と供給のバランスが崩れるんだよ。日曜日のスケジュールくらい崩れるんだよ。」
「人によるだろ。」
「猫も人によるよね。」
「どういうこと?」
「一緒に暮らす人によって猫って変わるじゃん?」
「そうか?元々の性格な気がするが。」
「方言が。」
「はい確保。」
「すぐ確保するじゃん。」
「今回は割と我慢したぞ?」
「だとしても確保されなきゃならないような発言はしていないと言わざるをビンタ。」
「やめてあげなさい。」
「見ざるには肩にパンチ。」
「やめてあげなさい。」
「聞かざるには謝礼。」
「聞かざるに何をした。」
「慇懃無礼。」
「抽象的。」
「そんなわけで、見ざる言わざる聞かざるの三兄弟は、いつも肉体的および精神的被害にさらされていたんだよ。」
「ひどい話だ。」
「そんな三兄弟の癒しとなっていたのが、近所を縄張りにしていた猫たちだったんだよ。」
「そうなのか。」
「猫には癒し効果があるからね。」
「確かに。」
「猫を撫でていると、気持ちが、ふにゃ〜、ってなって、頭が、ぽや〜、ってなって、全身が、痒い痒い痒いっ!ってなって、」
「じんましん出てるじゃん。」
「それが快感なんだよね。」
「ダメだろそれは。」
「痒みがおさまった瞬間って快感でしょ?」
「快感か?」
「間違えた。」
「だろうな。」
「快感だしょ?」
「はい確保。」
「はい逆確保。」
「どういうこと?」
「どうもこうも銀も金もないんだよ。背脂は200パーセント増量でお願いしたいんだよ。」
「なにかしらがギットギトになるな。」
「でもうちの猫はそれが好きだからそうするしかないよね。」
「うちは猫飼ってないだろ。」
「え、キミって猫だろ?」
「ボケが雑。」
結局、猫も犬も可愛いからね仕方ないね。