こくち
この作品はフィクションです。
「突然だけど告知しようと思うんだよ。」
「何を。」
「明日から、私は鳥になる。」
「無理。」
「即否定チャンピオン降臨。」
「だって無理だろ。なんだよ、鳥になる、って。」
「そのまんまの意味なんだよ。私は空を飛ぶ鳥になる。いや!空を舞う鳥になる。」
「なんで表現かっこよくしたんだ。」
「飛ぶより舞うの方が蝶みたいで綺麗じゃん?鳥の後に蝶になる予定だし。」
「トリッキーな進化ですな。」
「前人未到ってやつなんだよ。」
「前代未聞だと思う。」
「どちらにしても前傾姿勢だね。」
「前向きなだけじゃ、どうにもならないこともある。」
「学ばなきゃね。」
「わかってるじゃん。」
「私だってあれだからね。小学校のマダムって呼ばれてるからね。」
「お前マダムだったの?」
「告知したから。明日からマダムになりますって。」
「マダムってなにか知ってるのか?」
「とーぜん。」
「じゃあ、マダムがなんなのか言ってみ?」
「戦うロボット的なやつ。」
「違うな。」
「連なんとかの白いなんとかってやつ。」
「違うな。」
「違った?」
「違ったな。」
「じゃああれだ。最初の人類。」
「違うな。」
「蛇にそそのかされる系男子。」
「違うな。」
「違った?」
「違ったな。」
「じゃああれだ。ヤバいくらいの乾燥肌。」
「それはなんだ。」
「湿潤気候への憧れが闇よりも深い。」
「それはなんだ。」
「違った?」
「違うかどうか以前にそれはなんだ。」
「じゃあ告知しなきゃ。」
「何を。」
「我が家の朝食が基本トーストだってことを。」
「何でよ。」
「告知しなきゃならないんだよ。」
「だから何でよ。」
「そんなん知らん。」
「急に突き放すじゃん?」
「磁石だからね。」
「唐突カミングアウト。」
「私がS極で、キミがエンドウ豆。」
「俺は緑色じゃないんだが。」
「そこ?」
「まずそこだろ。」
「何?アピール?」
「誰に何を。」
「だったら告知しとかなきゃね。」
「誰に何を。」
「私、同居人は、明日から朝食のトーストを、ちらし寿司に変えます。」
「却下。」
「即座。」
「朝からそんな手間暇かけられんだろ。」
「キミには料理人としてのプライドはないのか!?」
「俺を料理人だと思っていたなら認識を改める良い機会だ。」
「その機会はスルーします。」
「するなよ。」
「あ、」
「なんだよ。」
「スルーします、と、ブルー規約って似てるよね。」
「なんだその憂鬱そうな規約。」
「早速告知を」
「するな。」
危ない…投稿忘れるとこだった(^_^;)