じっきょう
この作品はフィクションです。
「皆様こんばんは。」
「こんばんは。」
「プロハカリヤヌタ中継の時間がやってまいりました。実況は私日比野・ローリング・転々。解説は同居・ツッコミ・忍さんでお送りいたします。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「さて、本日のプロハカリヤヌタは、エベンジョンリーグの公式戦第8シーズン。桜山ヤジルシーズ、対、送り送られ送りオットセイ団の第3回戦となるわけですが、ズバリ今日の見所はどこでしょうか。」
「そうですねぇ。ヤジルシーズは先日の試合で丘山田が怪我により途中退場しています。彼が今日の試合で復帰出来ているかどうかが、かなり大きなポイントになりますね。」
「丘山田はポイントゲッターですからね。」
「一方のオットセイ団は、この第8シーズン、三連敗と三連勝を繰り返すという規則正しい星取りをしています。その流れでいけば今日は負けになるはずなのですが、その辺り、敵味方共に空気をしっかり読めるのかどうかも重要なポイントになってきますね。」
「なるほど、ありがとうございます。さぁ、エベンジョンリーグ公式戦第8シーズン。桜山ヤジルシーズ、対、送り送られ送りオットセイ団、第3回戦。間もなく、試合開始です。」
「さぁ、メインジャッジがコイントスを行うために出てきました。本日のメインジャッジは楠本。サブジャッジに、芦田、横峯、井上兄、井上弟、井上孫。計6人のジャッジで試合が行われます。」
「そして気になる両チームの代表選手は…、あー、やはり丘山田は出られないのか。」
「そのようですね。ヤジルシーズが半場。オットセイ団がマルチキト。この両名が、代表選手として出てきました。」
「さぁ、序盤の流れを決めるとも言われている、このコイントスですが、果たしてどうなりますか。」
「メインジャッジ楠本。コインを取り出して、そして、放り上げた。…おぉ!?」
「おぉっ!?」
「半場の反応が速いっ!あっという間にコインを奪取!そしてスプーンに乗せる!」
「そして30メートルの平均台を一気に駆け抜ける!素晴らしいバランス感覚!マルチキト全く追い付けません!」
「そしてそのコインを三丁目の郵便ポストにシュートっ!」
「入ったー!先制点は…、と?ちょっと待ってくたさい。サブジャッジ14人が郵便ポストに駆け寄っていきます。」
「サブジャッジが全員鉄装備です。これは穏やかではないですね。」
「サブジャッジが郵便ポストを中心に扇の組体操をしながら話をしております。」
「こうなると長いですからね。両チーム集中力を保てるかどうか。」
「と言っている間に結論が出た模様です。………………………これはなんということだ!」
「半場のシュートしたコインが大型郵便の投入口の方に入ってしまっている!」
「ポストのトラップ、略してポストラップにはまってしまいましたね。」
「そして同時に、カレーライスの付け合わせとして最高なのはインド人であるという結論が、サブジャッジ183人の多数決で決定した模様です。」
「しかしこの判定に納得いかないヤジルシーズ。監督選手コーチファン近所のおっさん揃いも揃ってツーステップを踏みながらの猛抗議!」
「しかし2071人のサブジャッジが数の暴力で鎮圧!判定覆らず!」
「やはりカレーライスに一番合う付け合わせはインド人なのですね。」
「…っていう実況中継どうかな?」
「却下。」
今回は、ただただ、カオス(^_^;)。