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がんたん2021

この作品はフィクションです。

「明けましてお年玉くださいやがれございます。」

「礼儀と欲望の混沌模様。」

「新年を迎えられたねぇ。自分たちみたいなもんが。」

「急なネガティブ。」

「だってさ?去年の私たち何してた?」

「何って?」

「週一で中身の無い会話を繰り広げてただけじゃろ?」

「本当のことだけどそれは言うな。」

「今年もそのスタンスは一切変わらない。」

「断言するなよ。」

「そんな私たちでさえ新年が迎えられたんだから、いろんなものに感謝しなきゃならないんだよ。」

「まぁ、感謝するのは大切だよな。」

「天に。地に。人に。万物に。心からの感謝を。」

「規模がでかい。」

「感謝するだけならノーマネーでオッケーだからね。」

「おい小学生。」

「はい小学生です。」

「小学生がそんなことを言うもんじゃありません。」

「小学生じゃなければ言っていいのかい?」

「言わないに越したことはない。」

「だとすればそこは、小学生がそんなことを言うもんじゃ、ではなく、人間としてそんなことを言うもんじゃ、と言うべきだったのではないかね?」

「言い方がウザい。」

「そして、キミにお年玉を差し上げよう、と言うべきだったのではないかね?」

「そんな言い方されてお年玉をあげたいと思うかね?」

「私なら思うね。私なら何を差し置いてでもお年玉をあげたいと思うね。」

「…まぁ、いいや。なんか新年早々言い合うのも馬鹿馬鹿しくなってきた。」

「ということは?」

「はいよ、お年玉。」

「いぇーーーーーーーーーっい!!!!!」

「テンションたっか。」

「このために小学生やってるようなもんだからね。」

「もっと小学生であることに意味を見いだせよ。」

「小学生である意味なんて人それぞれあっていいはずなんだよ。」

「だからってお年玉をそれに当てはめるのはどうかと思うけどな。」

「とりあえず無視します。」

「無視しないで?」

「ま、新年早々お金がどうこうなんて下世話な話はしないでさ。」

「してたのは完全にお前だけどな。」

「ま、一杯やろうや。」

「おい小学生。」

「はい小学生です。」

「小学生が言う台詞か。」

「小学生が、一杯やろうや、って言っちゃいけないのかい?」

「そりゃ言うだけならいいけど、小学生には似合わない台詞だと思うぞ?」

「大吟醸だよ?」

「こら小学生。」

「こら小学生です。」

「お酒は20歳になってから。」

「存じております。」

「存じているなら大吟醸を飲もうとするな。」

「試したんだよ、キミを。大人として、きちんと止めるかどうか。」

「大人を試そうとするな。」

「今年もキミは同居に値する人間だということを改めて理解できたんだよ。いやぁ、よかったよかった。」

「ずっと上からだよな、お前。」

「今年もよろしく、ね!」

「…、ま、よろしくな。」

「よし!じゃあ、一杯やろうや!」

「黙りなさい小学生。」

明けましておめでとうございます!

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