おおみそか2020
この作品はフィクションです。
「蕎麦を食おう!」
「急にどうした。」
「おおみそかと言えば蕎麦なんだよ。」
「まぁ、大晦日と言えば年越し蕎麦だな。」
「そう、トランスフォーム式ソーダフロートだね。」
「はい違う。」
「そのトランク入りショルダーバッグなんだけど、」
「おー間違いのテンポがえげつない。」
「徳利入り麦焼酎が、」
「はいはいその辺にしましょうねおばあちゃん。」
「失礼な。私は現役小学生なんだよ。」
「あ、そこには反応するんだ。」
「小学生なのにおばあちゃん扱いされたらそりゃ反応するんだよ。」
「じゃあ反応してくれたところで言いたいことがいろいろあるんだけど」
「断る!」
「いや、」
「断る!!」
「あの、」
「断る!!!!!!」
「めっちゃ断るじゃん。」
「で、なんだい?」
「すぐ聞いてくれるじゃん。」
「何だっけ?横にした納豆が縦になった話だっけ?」
「どういうこと?」
「そういうことなんだよ。」
「そうじゃなくて、」
「じゃあどういうことだい?」
「間違いのテンポがえげつないって話。」
「どの辺が?」
「まず年越し蕎麦がトランスフォーム式ソーダフロートになったところ。」
「うんうん。」
「それがトランク入りショルダーバッグになったところ。」
「はいはい。」
「それが徳利入り麦焼酎になったところ。」
「へいへい。」
「で、徳利入り麦焼酎じゃなくて、麦焼酎入り徳利じゃねぇの?ってとこ。」
「ほいほい。」
「で、トランクの入るショルダーバッグって、もはやショルダーにかけられるバッグなのか?ってとこ。」
「がりがり。」
「で、ソーダフロートの何がトランスフォームするんだ?ってとこ。」
「しゃりしゃり。」
「あと、横にした納豆が縦になったって何?」
「きーん。」
「かき氷食べてる?」
「食べてる。」
「大晦日に?」
「おおみそかに。」
「寒くない?」
「寒い。」
「じゃあなんで食べてるの。」
「かき氷は、おおみそかに食べると縁起がいいと言われているんだよ。」
「そんなの聞いたことないけど。」
「子供は風の子だからね。」
「それは聞いたことあるけど関係ないね。」
「それはそれとしてさ。蕎麦食べようよ。」
「急に話戻すじゃん。」
「鴨南蛮蕎麦食べようよ。」
「ハードル上げてくるじゃん。」
「インスタントは不可ね。」
「それは勘弁してください。」
「というわけで今年もお世話になりまして、誠にありがとうございました。」
「礼節は大事にするタイプ。」
「ま、来年ものんびりいこうや!」
「同僚かよ。」
今年も会話劇にお付き合いくださった皆様、誠にありがとうございました。
来年もぼちぼち続けていく予定ですので、2021年もこの二人をよろしくお願いいたします。