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がっこう

この作品はフィクションです。

「学校に行く意味ってあるのかねぇ…。」

「おい現役小学生。」

「はい現役小学生です。」

「現役小学生が、そんなこと言うんじゃありません。」

「なんでよ。現役小学生だからこそ、こんな発言が出てくるんだよ。」

「学校でなんかあったのか?」

「そりゃ、いろいろあるんだよ。毎日毎日イベント起こりまくりなんだよ。イベント過多でストーリーがなかなか進まないんだよ。」

「ストーリーって。」

「学校生活は長い長いストーリーなんだよ。言わば、一本のアドベンチャーゲームが如し。」

「そういう例えね。」

「クリアするまでに6年もかかるゲームとか、やってらんないんだよマジで。」

「ゲーム基準にするなよ。」

「ないもんかねぇ?」

「何が。」

「イベントスキップ機能。」

「学校生活を簡略化しようとするな。」

「6年も同じ学校にいたら繰り返し同じイベントを経験したりするじゃん?始業式とか終業式とか運動会とか遠足とか。」

「終業式とか終業式は、そんなに代わり映えしないから、スキップしたくなるのもわからんでもないけど、運動会とか遠足は学年によって内容変わるだろ?」

「変わったところで小学生向けの内容だから、いまいち盛り上がらないんだよ。」

「おい現役小学生。」

「はい現役小学生です。」

「小学生が小学生向けの内容を盛り上がらないとか言ったら大人が困惑するだろ。」

「その困惑を乗り越えて大人は成長していくんだよ。」

「偉そうだなお前。」

「とにかく、なんだよ。学校生活にはイベントスキップ機能とメッセージ早送り機能とフラグオンオフ機能と全自動ヒラメカレイ分別機能を実装してほしいんだよ。」

「最後のは無視するとして、」

「正解。」

「それじゃあ、あっという間に小学生終わっちゃうだろ。」

「終わっちゃっていいんだよ。私は早く大人になりたいんだよ。」

「そういう奴に限って、大人になってから、小学生に戻りたい、とか言うんだよな。」

「大丈夫。」

「何が。」

「セーブとロード機能は標準で実装されてるからね。」

「人生にはセーブもロードもありません。」

「…………………………え?」

「絵に描いたような愕然とした表情だな。」

「…そんなこと、ある?今時、セーブもロードも実装されてない小学校とか、ある?」

「実装されていないのが普通なんだけど。」

「はぁ…。」

「…。」

「学校に行く意味ってあるのかねぇ…。」

「ったく…。ゲームだと思うからめんどくさくて行きたくなくなるんだろ?ゲームと現実はしっかり切り離して、」

「え?」

「…ん?」

「おいおい。行きたくない、なんて言ってないんだよ。私は小学校皆勤賞なんだよ。」

「おめでとうございます。」

「ありがとうございます小遣い上げろ。」

「却下。」

「ぶー。」

「で?。行きたくないわけじゃないのに、なんで学校に行く意味に疑問を抱いてるんだ?」

「そりゃあ、学校に行くことと、行く意味に疑問を持つことが別物だから、なんだよ。それこそ、ヒラメとカレイくらい別物。」

「結構似てるじゃん。」

学校は好きじゃなかったなぁ…

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