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せいちょう

この作品はフィクションです。

「人間は成長していかなければならないんだよ。」

「うん。」

「成長しているかい?同居人は。」

「してるんじゃないか?多分。」

「そうかそうか。そんな自信過剰なキミに」

「どの辺が過剰でしたかね?」

「成長してるかどうかわかるテストを出してあげよう。」

「ほぉ?」

「このテストに全問正解出来れば、キミは人間として成長しているってことなんだよ。つまり成長の証明なんだよ。」

「はぁ。」

「その代わり、全問正解出来なかった場合、私のお小遣いが倍になります。」

「一時停止。」

「第一問。」

「待てっつの。」

「なんだよ?」

「今、かなり聞き捨てならない言葉が聞こえたんだが?」

「あぁ、お小遣いが倍、ってとこ?」

「そう。」

「いいじゃん別に。」

「よくないだろ。」

「許可ももらってるし。」

「誰に。」

「カレーの魔神。」

「誰だよ。」

「イギリス在住。」

「まさかの欧風カレー。」

「インドだと思ったんだよ?」

「思った。」

「お小遣いが三倍になります。」

「なんでよ。」

「カレーといえばインド、って、簡単に結びつけちゃうあたり。」

「それでお前のお小遣いが三倍?」

「うん。」

「何一つ納得できる要素が無い。」

「要素が無いなら明日に向かって走れば良いじゃない。」

「どういうこと?」

「という名言を残したのは誰。」

「問題?」

「もちろん。」

「そんな言葉初めて聞いたんだけど。」

「初めて言ったからね。」

「じゃあ名言じゃないじゃねぇか。」

「正解。」

「正解なのかよ。」

「第二問。」

「テンポよく行くのな。」

「蜂蜜は蜂の蜜。蜜蜂は蜜を取る蜂。この相互関係を答えよ。」

「…なんか、言い回しで難しくしようとしてるけど、要は蜜蜂が蜂蜜を作ってるってことだろ?」

「ほほぉ?」

「…。」

「それが答えでいいのかい?」

「いいぞ?」

「正解。」

「だろうね。」

「第三問。」

「まだ続くの?」

「今何問目?」

「三問目。」

「正解。」

「言ってたからね。」

「第四問。」

「さっきの何だったの?」

「…………え?…………あ、はい。………わっかりましたぁ…」

「?」

「都合により次が最終問題です。」

「プロデューサーでもいるの?」

「暑いときに食べる鍋焼うどんほど鍋がなべなべしている状態はない、という名言を。」

「一時停止。」

「当然のように無視します。」

「するなよ。」

「残してください。」

「俺が?」

「はい。」

「やだよ。」

「なんで?」

「意味がわからん。なんだよ、鍋がなべなべしている、って。」

「それはあれだよ。蟹がかにかにしている、と同義だよ。」

「それもなんだよ。」

「こういう意味不明なことを受け入れる度量を身につけることが、成長だと思うんだよ、うん。」

「だったら成長しなくていいわ。」

成長って難しいね…。

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