らくがき
この作品はフィクションです。
「よくないねぇ…。」
「何が。」
「先日の話なんだよ。」
「ほぉ。」
「私がいつものように学校から帰宅をしていた時なんだよ。」
「うん。」
「いつものように三三七拍子に合わせて扇子を降りながら帰宅をしていた時なんだよ。」
「随分とご陽気ですね。」
「空のポリ容器(10リットル)が一瞬でスムージーで満たされるほどの陽気っぷりだったんだよ。」
「そりゃ相当だ。」
「そんな陽気さもぶっ飛ぶ光景を目の当たりにしてしまったんだよ!」
「どんな。」
「ポリ容器(10リットル)に満たされスムージーが、一瞬で軽油に変わってしまう程の光景だったんだよ!」
「そりゃ相当だ。」
「例えるなら、昨日まで一般人だった人が、今朝起きたらポリ容器(10リットル)に変わってしまっていたくらい、とんでもない光景だったんだよ!」
「ポリ容器好きだな、さっきから。」
「ポリ容器(10リットル)、な?」
「(10リットル)のこだわりは何なんだ。」
「いい歳した若者が、どこぞの家の壁に落書きをしていたんだよ!」
「そりゃひどいな。」
「ひどいんだよ!どこぞの家の壁に落書きなんてしたらダメなんだよ!ダメがダメすぎて目玉焼きになるんだよ!」
「うん、怒りは伝わってきた。」
「目玉焼き(10リットル)なんだよ!」
「目玉焼きの単位ってリットルなのか?」
「違う。」
「だよな。」
「目玉焼きの単位をリットルって言っちゃうくらいとんでもない、ってことなんだよ。」
「うん、憤りは伝わってきた。」
「それも、いい歳した若者が、なんだよ!?いい歳した若者が!いい歳って具体的に何歳のことなんだよ!?」
「それは知らん。」
「そこが一番イラつく。」
「そこなんだ。」
「ちなみに、キミはいい歳した若者?」
「どうだろうなぁ…。いい歳して、と、言われるには、少し早い気もする。」
「ほぉほぉ。てことはキミは、いい歳予備軍なんだね。」
「そんなのあるの?」
「もしくは、準いい歳。」
「準新作みたいだな。」
「あるいは、いい歳ジュニア。」
「アイドル候補生か。」
「それか、いい歳(10リットル)。」
「それに関しては何も言えない。」
「いい歳、の単位は、リットル、なの?」
「知らん。」
「そんなことも知らないんだよ?いい歳して。」
「たった今、いい歳して、になってしまった。」
「おめでとうございます。」
「めでたいのか?」
「これで、落書きをしたら怒られるようになったんだよ。」
「年齢関係なく怒られるわ。」
怒りの基準とは