ねむいからこそ
この作品はフィクションです。
「どうしても眠い。でも、今は寝てはいけない場面。そんな時、キミならどうする?」
「気合い入れて起き続ける。」
「はい、味噌汁けん玉。」
「どういうこと?」
「眠いから頑張って起きるとか、もう本当、あれ。うん、あれ。」
「どれ。」
「頑張り屋さん。」
「どうもありがとう。」
「でも!眠いときには眠いからこそ出来ることをやるべきだと思ったりする私は授業中に昼寝をかまして先生を注意した。こっぴどく注意した。」
「逆ギレですか。」
「いいえ、半ライスです。」
「どういうこと?」
「半ライスとサンライズって似てるよね。」
「言葉の響きだけな。」
「半ライスの未来に、輝かしき日が昇る、ってことだね。」
「めでたいね。」
「じゃあ、おやすみ。」
「どういうこと?」
「眠いからこそ出来ることをやるべきなんだよ。それすなわち、」
「寝ること?」
「正解。からの、直通電車的おやすみ。」
「緊急停止ボタン。」
「やーめーろーよー。ねーさーせーろーよー。」
「半ライスの未来にまだ輝かしき日が昇っていないというのに寝させてたまるか。」
「どこに固執しているんだよ?輝かしき日が昇ろうが昇ろまいがノーボーナスだろうが」
「勘弁してください。」
「ボーナス欲しいんだよ?」
「当たり前だろ。半年に一度の楽しみなんだから。」
「楽しみの頻度が少なくて可愛そうになるんだよ。」
「…いや、別に、それだけが楽しみ、ってわけじゃないからな?」
「そんな楽しみの欠如しているキミに、楽しみを味わえる方法を教えて親善試合。」
「どんな?」
「寝ること。」
「やっぱり。」
「夢の中ならどんな楽しみでも味わいたい放題なんだよ。」
「でも、見る夢ってコントロール出来ないだろ?」
「やれやれ。」
「?」
「そんな風に、出来ないと思うから出来ないんだよ。強く強く、出来るっ!って思うんだよ!思いまくるんだよ!結局出来ないから。」
「出来ないんじゃねぇか。」
「やっぱりね。思ってるだけじゃね。出来ないよね。」
「まぁ、そりゃあな。」
「…今のボケは、ちょっと安直すぎたかな?」
「ここで反省するなよ。」
「反省はなるべく早く、コンパクトにしておいた方がいいんだよ。あまりだらだら反省してると、すぐに眠くなるから。」
「反省中に寝るなよ。」
「はい、味噌汁けん玉。」
「だからどういうこと?」
「そんなわけで、急行電車的おやすみ。」
「各駅停車接続。」
「それは必要なことだから仕方ない。」
「だな。」
「こんな意味不明な会話を繰り広げてしまうのも、眠いからこそ、ってことで。」
「意味不明なのは、いつものことだろ。」
眠いときは寝よう。出来る限り。