ぞく、まゆげとまつげ
この作品はフィクションです。
「前回のあらすじ。世の独身は全員ソー・ダッケ(43歳独身)だった。」
「前回から今回の間に誕生日迎えてるな。」
「おめでたくも寂しいね。43歳独身の誕生日。」
「言ってやるなよ。」
「やっぱりあれかな。ケーキを買うときは家族がいるふりをしちゃうのかな。」
「知らんけど。」
「いない息子の名前を勝手に決めて、お店の人にチョコレートで、おめでとう、とか、書いてもらうのかな。」
「だとしたら寂しいな。」
「家族ってのは大事だね。」
「孤独は辛いからな。」
「眉毛と睫毛どこ行った。」
「黒曜石の彼方へ。」
「どこだよ。」
「前世での約束の場所へ。」
「どこだよ。」
「明後日のその先へ。」
「どこだよ。」
「左。」
「ざっくりが過ぎる。」
「まゆげとまつげは大抵左にあると、相場がそばつゆソーダ水。」
「食感スパークリング。」
「まさに新感覚蕎麦なんだよ。」
「美味しいかどうかは別だけどな。」
「美味しいかどうかは人それぞれの味覚次第だから、はちはち気にしていても仕方がない。」
「いちいち、な?」
「まゆげとまつげの話どこ行ったんだよ?」
「お前が脱線させるからどこかに飛んでしまった。」
「どうやって?マカロニ?」
「マカロニでどう飛ぶ?」
「そんなことは三丁目で聞いてくれなんだよ。」
「逆に三丁目で聞けばわかるのか。」
「三丁目には彼がいるからね。」
「誰?」
「彼。」
「誰。」
「だから、彼。」
「だから、誰。」
「何故知らない?」
「むしろ何故知ってると思った?」
「ソー・ダッケ(56歳独身)なら知ってて当然だから。」
「ソー・ダッケの時間の流れどうなってんだ。」
「年月というものはあっという間に流れるものなんだよ。」
「軽く13年経過してるんだが。」
「重くなるのは16年辺りからだね。」
「基準がわからん。」
「そしてこの調子でいくと、まゆげとまつげの話はまた次回に持ち越しなんだよ。」
「そんなに引っ張れる話題か?」
「そもそも、なんでまゆげとまつげの話をし始めたのか。今となってはすでに覚えていないんだよ。」
「そこは会話提案者として覚えておけよ。」
「ライダーテイクアウトシャッター?」
「聞き間違いのレベル。」
「危険水域じゃろ?」
「自分で言うな。」
「そんな私を救ってくれるのが、まゆげとまつげとまつばがに。」
「増えた。」
「美味しいじゃん。」
「美味しいけども。」
「まぁ、あれだ。」
「ん?」
「元々の話をすっかり忘れてしまったから、次回は心機一転仁義は二転、嫌疑が三転四五六の教示、ってなことで。」
「それっぽいこと言ってそうで中身空っぽだな。」
「新しいテーマで話すとしよう。」
「素直にそう言え。」
蟹美味しい。