めんてなんす
この作品はフィクションです。
「う〜ん。」
「どうした。」
「体の具合がどうにもよろしくない。」
「風邪か?」
「いや、そういう系統ではなく。」
「腹痛か?」
「そういう系統でもなく。関節。」
「筋肉痛か?」
「関節のボルトが錆びてきて動きがよろしくない。」
「一時停止。」
「なんぞ。」
「人工関節の手術でもしたのか?」
「うんにゃ。」
「してないよな?」
「おうよ。」
「ならなんで関節にボルトが入ってるんだよ。」
「それはあれだよ。比喩だよ。」
「比喩かよ。」
「道端で財布を拾うことをカブトガニの角がハートの形に曲がってるって言うような感じ。」
「難解。」
「レベル高かった?」
「限界突破。」
「まぁそれはそれとして。はぁ〜。そろそろメンテナンスしなきゃなんだよ。」
「体の?」
「イカスミ濃縮機3号の。」
「一時停止。」
「なんぞ。」
「初耳な名前なんだが。」
「初めて言ったからねぇ。」
「何?イカスミ濃縮機?」
「3号ね。」
「なんだ?その、イカスミ濃縮機が」
「3号ね。」
「………イカスミ濃縮機」
「3号、ね!?」
「なんだよ怖いよ。なんで3号にこだわるんだよ。」
「そりゃこだわるんだよ。」
「なんで。」
「とりあえず無視します。」
「なんで。」
「メンテナンスに必要な道具を持ってこなければならない。」
「いちいち報告しなくていいから持ってきなよ。」
「何を言っているんだよ。報告は必要なんだよ?キミは、ほうれんそう、を、知らないのかい?」
「知ってるけど。」
「そう、緑色の野菜だね。」
「そっちなの?」
「そっちなの。」
「報告関係の、ほうれんそう、なら、絶対にあっちの方だと思ったのだけど。」
「あー。あっち?」
「あっち。」
「そっち?」
「そっち。」
「ローリングちまきスープレックス?」
「どっち?」
「そのままフォールしてカウントとれる方。」
「そうじゃなくて。」
「違った?」
「違った。」
「アンドロメダちくわドライバーの方?」
「なんで急にプロレス技っぽいこと言い始めた?」
「ほうれんそう、と、プロレス技、は、関わりが深いから。」
「どんな?」
「鉄分。」
「そこなの?」
「そこなの。」
「だったらレバーでもよくないか?」
「レバーはよくないんだよ。」
「なんで。」
「とりあえず無視します。」
「なんで。」
「以上のものを用意してくれたまえ。」
「どこからどこまでだ。」
本当は、アクアマリンおこわバスター、の方です。