まんぷくかん
この作品はフィクションです。
「ふぅ〜。」
「食べた食べた。」
「食べたねぇ。」
「こんなに食べたのも久しぶりだな。」
「いい食べっぷりだったんだよ。」
「やっぱ好きなものは箸が進むからな。」
「わかる〜。」
「じゃあ朝御飯も終わったし、」
「お昼ご飯にしよう。」
「………はい?」
「お昼ご飯にしよう。」
「………ついさっき、朝御飯を食べ終わったばかりだよな?」
「うん。」
「………お腹一杯じゃないのか?」
「もちろん、お腹一杯なんだよ?あれだけ食べたんだもの。でもね?」
「………でも?」
「現在の時刻、昼の11時45分なんだよ。」
「そうだけど。」
「だから、お昼ご飯を食べなければならないんだよ。」
「いや、いやいやいや。お昼ご飯は、別に義務じゃないから。」
「義務じゃない?」
「うん。」
「じゃあ、なに務?」
「なんで務が残ってるんだよ。」
「務は大切なんだよ。海洋性深層水の性くらい大切なんだよ。」
「比較対象がよくわかりません。」
「う…………、」
「どうした?」
「お、お腹が………、」
「痛いのか?」
「満腹感で満たされている!」
「でしょうね。」
「凄いね満腹感って。なんにもやる気がなくなる。」
「ダメじゃねぇか。」
「それは仕方がないんだよ。美味しい朝御飯で満腹感が満たされてしまったのだから。あんな美味しい朝御飯を用意するキミが悪いどうもありがとうございます。」
「どっちなんだよ。」
「必要悪ってあるじゃん?」
「あるけど。」
「満腹感は必要悪なんだよ。」
「それはどうだろう。」
「義務の務くらい必要悪なんだよ。」
「だからなんで務なんだよ。」
「今回が満腹感の話だからなんだよ。」
「だから?」
「つまり、むんぷくかん、だね!」
「いや、そんなキメ顔されましても。」
「(゜∇^d)!!」
「顔文字で表現されましても。」
「違う違う?」
「?」
「かおむじ。」
「なんでそんなに、務、にこだわるんだよ。」
「さぁ、そうこう言っている内に時刻は昼の11時46分。」
「結構喋ったのにまだ一分しか経過していないのですね。」
「お昼ご飯にしようか。」
「だからお昼ご飯は義務じゃないから。」
「義務じゃない?」
「うん。」
「じゃあ何ンマの塩焼き?」
「食べたいのか。」
「美味しいからね。」
「まぁ、確かに。」
「ムンマの塩焼き。」
「予想できたけど予想外。」
「これぞ、務、の重要性。」
「それは違う。」
義務も事務も業務も、務で繋がる存在。