表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/108

けいやく

この作品はフィクションです。

「恐ろしい…。」

「何が。」

「とんでもなく恐ろしい話を聞いてしまったんだよ。」

「どんな。」

「聞きたい?」

「うん。」

「本当に?」

「うん。」

「絶対?」

「…絶対ではない。」

「じゃあやめとく。」

「そうか。」

「そういう契約だからね。」

「ん?」

「話は変わるけど間欠泉ってさぁ」

「ちょっと待て。」

「何?」

「契約?」

「うん。」

「どんな。」

「相手が絶対に聞きたいと言ってこない限り喋らないっていう契約。」

「誰としたんだよ、そんな契約。そもそも何のために。」

「理由聞きたい?」

「うん。」

「本当に?」

「うん。」

「絶対?」

「絶対。」

「なんで?」

「そんな意味わからん契約する奴が、どんな奴で、何を考えている奴なのか気になるから。」

「なるほど。」

「うん。」

「じゃあ話せない。」

「なんで。」

「そういう契約だからね。」

「ん?」

「話は変わるけど間欠泉ってさぁ、」

「ちょっと待て。」

「何?」

「契約?」

「うん。」

「どんな。」

「二つ以上の理由を提示してくる相手には話してはいけないっていう契約。」

「誰としたんだよ、そんな契約。そもそも何のために。」

「理由聞きたい?」

「うん。」

「本当に?」

「うん。」

「絶対?」

「絶対。」

「なんで?」

「そんな意味わからん契約をする奴が、どんな奴なのか気になるから。」

「なるほど。」

「うん。」

「ところでキミは、カレーライスに納豆を入れるタイプの人?」

「入れない。」

「じゃあ話せない。」

「なんでだよ。」

「それで間欠泉ってさぁ、」

「それもなんでだよさっきから。」

「何が。」

「その何がなんでも間欠泉の話をしたいスタンスはなんなんだよ。」

「理由聞きたい?」

「絶対聞きたい。間欠泉の何をそんなに語りたいのか知りたい。カレーライスに納豆を入れる。」

「なるほど。」

「どうだ。」

「話せない。」

「なんでだよ。」

「その、これでどうだ顔がムカつくから。」

「契約じゃないのかよ。」

「同居人。」

「なんだ。」

「そんな、契約は、無い。」

「ゆっくり言うなムカつくから。」

「だって無いものは無いんだよ。無いものを有ると言ってのけるのは、契約した人間にしか出来ない所業。」

「そんなことはないだろ。」

「で?」

「ん?」

「何の話だっけ?」

「お前がとんでもなく恐ろしい話を聞いた、って。」

「あーあー、なんかそんなことを契約的に言った気もする。」

「契約的に言うって何だ。」

「聞きたい?」

「………聞かなくていいや。」

「きーけーよー。つーまーらーなーいーだーろー?」

「だってまた契約がどうこうの話になるんだろ?もう疲れた。」

「そんな疲れた君のために、薬草入りケーキを作ってみた。」

「いつの間に。」

「略してひっくり返せばケー薬。」

「強引。」


話は終わったけど間欠泉ってさぁ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ