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あるいていたら

この作品はフィクションです。

「先日、町を歩いていたら、」

「うん。」

「犬の散歩をしてる人と出会いました。」

「まぁ、よくあるよな。」

「犬ってのはかわいいよね。見ず知らずの私にも人懐っこく尻尾をふってくるんだよ。」

「可愛いな。」

「その後雑貨屋で、可愛い犬のぬいぐるみを見つけたので、これも縁だと思って買ってみたんだよ。」

「そういうのって、なんか特別な感じするよな。」

「今ベッドの上に飾ってあるんだよ。可愛いんだよ。」

「大事にしろよ。」









「先日、町を歩いていたら、」

「うん。」

「人の散歩をしてる犬と出会いました。」

「まぁ、よくあるよな。」

「人ってのはかわいいよね。見ず知らずの私にも人懐っこくワキ毛をふってくるんだよ。」

「可愛いな。」

「その後雑貨屋で、可愛いワキ毛のぬいぐるみを見つけたので、これも縁だと思って買ってみたんだよ。」

「そういうのって、なんか特別な感じするよな。」

「今ベッドの上に飾ってあるんだよ。可愛いんだよ。」

「大事にしろよ。」










「先日、町を歩いていたら、」

「うん。」

「ワキ毛の散歩をしてる胸毛と出会いました。」

「まぁ、よくあるよな。」

「ワキ毛ってのはかわいいよね。見ず知らずの私にも人懐っこく塩コショウをふってくるんだよ。」

「可愛いな。」

「その後雑貨屋で、可愛いどっかの毛のぬいぐるみを見つけたので、これも縁だと思って買ってみたんだよ。」

「そういうのって、なんか特別な感じするよな。」

「今ベッドの上に飾ってあるんだよ。可愛いんだよ。」

「大事にしろよ。」










「ねぇ、」

「なんだ。」

「なんか、毛深くなった?」

「そうか?」

「あと、ちょっと鼻がむずむずする。」

「風邪か?」

「そういう感じじゃあないんだよ。」

「まぁ、病気じゃないならいいけど。」











「ワキ毛の散歩をしてる胸毛って何?」

「知らん。」

「おかしいんだよ。普通の話をしているはずが、いつの間にか毛むくじゃらになりつつあるんだよ。しかも味付けも出来るハイブリットな毛むくじゃらなんだよ。」

「なんだそりゃ。」















「人懐っこく塩コショウをふってくるってなんなんだよ?」

「知らないよ。」

「笑顔で嫌がらせしてくるとか完全にヤバイ奴なんだよ。」

「そうだけど。」

「間違えた。」

「何を。」

「完成にヤバイ毛なんだよ。」

「ワキ毛だったからな。」















「私はなんで歩いていたんだよ?」

「知らないよ。」

「歩くことをしなければ毛に絡まれることも、塩コショウをふられることも、研究レベルが下がることもなかったんだよ。」

「何の。」

「育毛。」

「そんな研究してたのか。」

「毛を生み、毛を育て、毛の自立を促し、一人で生きていけるようにするための研究。」

「毛が?」

「毛が。」

「それが原因だろ。」

「何が。」

「毛が散歩してたの。」

「そうなの?」

「知らんけど。」

「時代だね。」

「万能な言葉。」

「時代のせいにすれば大抵のことは解決するんだよ。」

「解決してないけどな。」


果たして散歩をしているのは、人か、犬か、毛か。

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