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やみのりさん

この作品はフィクションです。

「会ってきました。」

「誰に。」

「やみのりさん。」

「あー、」

「久しぶりに。」

「三年ぶりか。」

「そうそう。入学式以来。」

「元気だったか?」

「ちょっとやつれてた。」

「大変なんだな。」

「気配り大変な仕事だからね。」

「今度差し入れでも持ってくか。」

「だったらあれがいいよ。」

「何?」

「コットン。」

「生地?」

「欲しいんだって。」

「珍しいな。」

「持ってってあげてよ。」

「わかった。」

「はぁ〜、それにしても、」

「なんだ?」

「誰だったんだろ、やみのりさんって。」




















「……………は?」

「知らないんだよねぇ、やみのりさんって。」

「会ってきたんだよな?」

「うん。」

「三年ぶりだったんだよな?」

「うん。」

「入学式以来だったんだよな?」

「うん。」

「知らなかったのか?」

「うん。」

「…なんだ?どういうことだ?なんか混乱してるぞ?」

「大丈夫?ちょっと落ち着いた方がいいんだよ?」

「そうだな。」

「これ飲む?」

「ありがとう。」




「落ち着いた?」

「落ち着いた。」

「それはよかった。」

「ありがとう。」

「はぁ〜、それにしても、」

「なんだ?」

「何だったんだろ、今の飲み物。」




















「……………は?」

「知らないんだよねぇ、今の飲み物。」

「うちにあったものだよな?」

「うん。」

「お前が準備したんだよな?」

「うん。」

「お前が持ってきたんだよな?」

「うん。」

「知らないものを他人に飲ませたのか?」

「うん。」

「…なんだ?どういうことだ?なんか混乱してるぞ?」

「大丈夫?ちょっと落ち着いた方がいいんだよ?」

「そうだな。」

「これ読む?」

「ありがとう。」




「落ち着いた?」

「落ち着いた。」

「それはよかった。」

「ありがとう。」

「はぁ〜、それにしても、」

「なんだ?」

「キミどうやってQRコードを読んでたの?」























「……………は?」

「私は読めないんだよねぇ、QRコード。」

「QRコードだったの?」

「うん。」

「俺QRコード読んでたの?」

「うん。」

「全然気づかなかった。」

「混乱に混乱が重なってQRコードが文章に見えていたと推測する。」

「そんなことある?」

「うん。」

「あるんだ。」

「あるんだよ。だって、」

「?」

「キミは、やみのりさんだから。」




















「……………は?」

「やみのりさんなんだよねぇ、キミが。」

「やみのりさんなの?俺が。」

「やみのりさんなの。キミが。」

「気づかなかった。」

「三年ぶりだね。」

「やみのりさんなら、そうだね。」

「入学式以来。」

「そうだねぇ。」

「気配り大変な仕事してるよね。」

「してるねぇ。」

「コットン欲しいんだよね。」

「欲しいねぇ。」
















「オチが見つからないね。」

「やみのりさんだから仕方ないね。」


で、結局誰だったのだろうか…。

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