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からしいも

この作品はフィクションです

「食べてみたい。新たな味。」

「今回はどうした。」

「従来の味に飽きた。新たな味を模索したい。」

「お前まだ子供だろ。」

「茂作の産み出す味を模索したい。」

「どちら様でしょうか。」

「芋の神様。」

「そう言われるとそう思えてくる。」

「茂作のからしいもを食べてみたい。」

「からしいも?」

「うん。」

「辛いのか?」

「ハバネロ級に。」

「それは芋なのか?」

「茂作が作ってるんだもん。いもだよ。」

「芋の神様だもんな。」

「しかも辛いだけじゃあない。」

「ほぉ?」

「甘い。」

「辛いのに?」

「辛いのに。」

「甘い?」

「甘い。」

「どれくらい?」

「外国のケーキ級に。」

「それは芋なのか?」

「茂作が作ってるんだもん。いもだよ。」

「芋の神様だもんな。」

「しかも辛くて甘いだけじゃあない。」

「ほぉ?」

「ヤバい。」

「級に抽象的。」

「時速300キロのレーシングカーがクラッシュするくらいヤバい。」

「ヤバさのレベル。」

「食べてみたいねぇ。」

「それは芋なのか?」

「茂作が作ってるんだもん。いもだよ。」

「芋の神様だもんな。」

「しかも辛くて甘くてヤバいだけじゃあない。」

「まだあるのか。」

「速い。」

「何が。」

「100メートル走。」

「走るの?」

「走るの。」

「芋だよな?」

「100メートル3秒9。」

「芋だよな?」

「先月国体に出場しました。」

「芋だよな?」

「人間じゃなかったので参考記録止まりでした。」

「芋だよな?」

「食べてみたいねぇ。」

「どの辺でそう思っているのか明記してほしい。」

「しかも辛くて甘くてヤバくて速いだけじゃあない。」

「個性つけすぎると逆に覚えてもらえないぞ?」

「優しい。」

「性格が?」

「味が。」

「辛くて甘くてヤバくて速いのに?」

「同居人。」

「なんだよ。」

「私は芋の話をしているんだよ?」

「わかってるよ?」

「食物で優しいって言ったら、大抵は味か舌触りか匂いなんだよ。なんだよ性格って。」

「性格の有無を疑いたくなるくらい個性爆発な芋だっただろうが。」

「それくらい個性がないと今のご時世生き残ることが出来ないんだよ。今は芋の平安時代なんだから。」

「戦国時代じゃなくて?」

「そんな恐ろしい時代は創作の世界の中だけでお腹爆発。」

「暗殺でもされたのか。」

「とーかーくーに!」

「とーにーかーく!な?」

「私は辛くて甘くてヤバくて速くて優しくて爽やかでちょっとヤキモチ焼きなところが可愛い好青年なからしいもを食べてみたいんだよ。」

「かなりの条件が上書きされましたが。」

「知らない?そんなからしいも。」

「知るよしもない。」

「まぁ私の空想の産物だから同居人が知るわけないんだよ。」

「だと思った。」

「はぁ…。芋の話をしてたらお腹がふくれた。」

「便利な感覚だな。」

「出前取る?」

「お腹ふくれたんじゃなかったのかよ。」

「考えただけで栄養が摂取できるほど私は進化していない。」

「こもっとも。」

「出前取って。」

「何食いたい?」

「文明的で健康的で開放的な一品。」

「料理名をお願いします。」

「肉。」

「ざっくりが過ぎる。」

「肉が入ってればなんでもいいんだよ。」

「料理を用意する側としては困るんだよそういうの。なんでもいいと言いつつ、いざ用意したら文句言うんだから。」

「じゃあ具体的に。」

「お願いします。」

「鮎の塩焼き。山菜の天ぷらを添えて。」

「肉どこ行った。」

「魚肉。」

「なるほど。」


自分は山芋が好きです。

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