てしんとまあく
この作品はフィクションです
「何かの事態に直面したとき、」
「うん。」
「心の中で天使と悪魔が囁いてくる、という表現をよく聞く。」
「よくあるな。」
「ベタな設定だと、道端で三角柱を拾ったときとか。」
「ベタ、の個人差。」
「キミならどうする。」
「そのまま放置しておく。」
「ほぉほぉ。悪魔の誘惑に屈すると。」
「無難な選択だと思うのだけど。」
「私なら天使の助言に従うね。」
「どんな。」
「即時撃破せよ。」
「一時停止。」
「なんぞ。」
「その天使は迷彩服でも着てるのか。」
「どんな天使なんだよ?そんな天使見たことないんだよ。」
「俺もないけど。」
「いわゆる普通の天使なんだよ。軍服を着て敬礼がうまくて拳銃を携帯してて、」
「いわゆる普通、の個人差。」
「やかんを生で食べちゃうタイプの」
「天使は金属を食べるのか。」
「そんなもの食べないんだよ。クッキーでできたやかんを食べるって話なんだよ。」
「じゃあクッキーだろ。」
「さくさくのクッキーなんだよ。」
「はぁ。」
「さくさくの傑作のクッキーなんだよ。」
「へぇ。」
「さくさくの傑作の掘削も出来るクッキーなんだよ。」
「固すぎだろ。」
「さくさくの傑作の掘削も出来る贋作のクッキーなんだよ。」
「やっぱりな。」
「つまりはツインドリルだね。」
「つまりは、の個人差。」
「かっこよくない?ツインドリル。」
「名前だけ聞いてもかっこよさはわからんだろ。」
「まさに天使と悪魔を表現しているんだよ。」
「戻ってきたな。」
「でも、天使と悪魔、っていうのはすでに使い古された表現であるがゆえに、ここらで新しい表現を提唱したいと考える次第である。」
「どんな。」
「剣士と魔族。」
「タイトル回収しないのかよ。」
「はい?」
「ここがタイトル回収のベストタイミングだと思ったのだが。」
「なんの話なんだよ?」
「で、剣士と魔族?」
「うん。」
「どう変わるんだ?」
「さっきの例でいくと、道端で三角柱を拾ったとき、剣士と魔族ならこうなるね。」
「どんな。」
「即時撃破せよ。」
「一時停止。」
「なんぞ。」
「変わってないように見受けられますが。」
「世の中そう簡単には変わらないんだよ。着る服のサイズがそう簡単に変わらないように。」
「油断すると結構あっさり変わるぞ。」
「あ、」
「なんだ。」
「味噌汁飲みたい。」
「あさりの?」
「とうふの。」
「普通だな。」
「味噌汁には安心を求めるものなんだよ。三丁目の聖人がそう言っていたように。」
「局地的に崇められてるな。」
「ツインドリル納豆スクリュー!!!」
「急にどした。」
「味噌汁には安心を。納豆には革新を。」
「どちらかと言えば納豆は味噌汁寄りだろ。」
「ねぇねぇ。」
「なんだ。」
「顔文字にすると(n‘∀‘)η。」
「だからなんだ。」
「そろそろタイトル回収た方がいいかな?」
「そろそろな。なんであのタイトルにしたのか意味がわからないし。」
「天使と悪魔を新しい表現にしようと思う次第である。」
「どんな。」
「ケント紙と方眼紙。」
「回収しろよ。」
「家主と店子。」
「回収しろよ。」
「キャッチとリリース。」
「回収しろよ。」
「てしんとまあく。」
「回収しろよ。」
「回収したよ。」
「失礼しました。」
道端で何かが落ちていても、基本見て見ぬふりします。