あのかどをまがったら
この作品はフィクションです。
「曲がり角からこんにちは。」
「はい、こんにちは。」
「曲がり角の神秘性。」
「見えないからこそ。」
「わくわくするよね。」
「気にしてなかった。」
「曲がった先に何があるのかというドキドキとワクワクとヌトヌト。」
「急な粘着性。」
「それはベトベトだね。」
「しまった。」
「ヌトヌトはもっとぬっとりした感じなんだよ。」
「なんかチョコバター?」
「そこはチョコセメントで。」
「それは食物なのか?それとも建材料なのか?」
「直行便。」
「そっか。」
「話を戻すけど。」
「戻しておくれ。」
「直行便。」
「ほぼほぼ戻ってない。」
「時間は戻らないんだよ。」
「だよな。」
「だからこそ発言には責任をもつことが必要なんだよ。」
「その認識はあったんだな。」
「だからこそ私は無責任に発言する道を選ぶ。」
「選んじゃダメだから。」
「だって曲がり道の先がそうだったんだもの。」
「そうだったのか。」
「あの角を曲がったら、その先には何があるのか。あったのは無責任だったんだよ。」
「よろしくないね。」
「立ち入り禁止にしておきました。」
「良し。」
「その先の角を曲がったら、」
「うん。」
「無秩序がありました。」
「カオス。」
「ガードマンを配置しておきました。」
「良し。」
「その先の角を曲がったら、」
「うん。」
「無花果がありました。」
「急な果樹園。」
「漬けておきました。」
「何に。」
「そりゃもうぬっとりと。」
「だから何に。」
「その先の角を曲がったら、」
「何に漬けたのか。」
「無表情で無目的な無味乾燥な現代人がいました。」
「時代か。」
「漬けておきました。」
「何に。」
「そりゃもうぬっとりと。」
「だから何に。」
「その先の角を曲がったら、」
「場合によっては事件だからな、それ。」
「コンビニがありました。」
「急に普通。」
「漬けておきました。」
「どうやって。」
「そりゃもう」
「ぬっとりと。」
「残念、まっちょりと。」
「表現オブはじめまして。」
「その先の角を曲がったら、」
「もう好きに進むが良いさ。」
「運命の人がヨガをしていました。」
「角を曲がったところで?」
「立ち木のポーズをしていました。」
「角を曲がったところで?」
「無視しました。」
「運命の人を?」
「冷静に考えてくれたまえよ。角を曲がったところでヨガのポーズを決めてる他人に声をかけるリスクを。」
「それはわかる。」
「その先の角を曲がったら、」
「どんだけ角あるんだよ。」
「眠くなりました。」
「急な睡眠欲求。」
「寝ました。」
「角を曲がったところで?」
「欲求には素直に従った方がいいんだよ。」
「状況によるだろ。」
「その先の角を曲がったら、」
「寝ながら?」
「無秩序がありました。」
「カオスリターンズ。」
「でも寝ていたので気付きませんでした。」
「やっぱり寝ながら?」
「そして思いました。」
「何を。」
「まっちょり、って、何?」
「言ったのお前だからな?」
「何?角を曲がることとまっちょりって何か関係あるの?」
「知らん。」
「全く無責任な。」
「お前ほどじゃあない。」
曲がり角は緊張します…。