くりすます
この作品はフィクションです。
「じんぐるべーる、ぐるぐるべーる、ぐるぐるぐーる、ごろごろごーろ、どろどろどーろ、」
「……。」
「はっ!」
「どうした。」
「7時のおやつに食べようと思っていたアイスクリームがどろどろに溶けている!」
「まず申し述べたい。」
「許可しよう。」
「おやつ、とは。通常、10時、及び、15時。各食事の間の時間に、小腹を満たすために食べるものだと相場が決まっている。」
「ところが今年は相場が荒れに荒れまして。」
「勝手に荒らすな。」
「辺り一面桜前線。」
「ある意味荒れてるけど。」
「天気図が桜色にまみれてとってもジンギスカン。」
「突然の羊肉。」
「焼く前の肉は、大抵、赤か桜色なんだよ。もしくはオービットパーテンション。」
「はじめまして。」
「以後よろしく。」
「何色でしょうか。」
「あえて言うなれば、あの日見た野良猫大作戦。」
「あえて言うことで謎を深めるスタイル。」
「にゃーにゃー!」
「猫化したか?」
「いや。私はべこ化した。」
「牛かよ。」
「肉の王様。それこそが牛。」
「結局は殺されるんだけどな。」
「死して王と成す。これすなわち、ハマチを頭に乗せて踊る事に似たり。」
「乗せる意味。」
「それこそが、オービットパーテンション。」
「お久しぶりです。」
「先程ぶりだね。」
「結局、オービットパーテンションってなんなんだよ。」
「知っているなら苦労してでも買え。」
「何を。」
「ハマチ。」
「乗せて踊るのか。」
「切って食べる。」
「刺身か。」
「美味しいじゃん。」
「それを否定はしない。」
「おやつにぴったり。」
「ハマチは夕御飯のテンションでお願いします。」
「夕御飯のテンションでおやつを食べたっていいじゃない。」
「本当の夕御飯が食べられなくなるぞ。」
「夕御飯に本当とか真実とか結末とか街角とかあるのかね?」
「街角だけは無いと断言できる。」
「わっかんないじゃん?夕御飯の香りが常に漂う街角とかあるかもしれないじゃん?」
「夕御飯の香りとは。」
「カレーライス。あるいは肉じゃが。」
「ハマチの刺身どこいった。」
「ハマチの刺身はいまいち匂いがしないから落選しました。」
「残念。」
「そんなあなたにこれをプレゼント。」
「これは?」
「クリスマスツリーです。」
「急にタイトル回収してきたな。」
「一応タイトルでクリスマスって言っちゃってる手前、出さないわけにはいかないかな、ってさ。」
「そういえば、最近ちゃんと飾ったことなかったな。」
「そうなのかい?」
「なかなかめんどくさくて。」
「そんなこと言ってるからあれがそれでボラなんだよ。」
「突然魚類に急カーブ。」
「人間は魚類から学んでいるんだよ。」
「何を。」
「IT。」
「それは無いと断言せざるを得ない。」
まだ10月末ですけどね。