やさしいせかい
この作品はフィクションです。
「他人に無関心な人が増えに増えてる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は腰と膝の痛みに悩まされています。」
「おい小学生。」
「はい小学生です。」
「とりあえず、腰と膝は大事にしろよ。」
「肝に命じる所存。」
「で?他人に無関心なのがどうしたって?」
「そうそう、腰と膝と肩の痛みに悩まされているせいですっかり忘れていたんだよ。」
「おい小学生。」
「はい小学生です。」
「肩も大事にしろよ。」
「肝に命じる所存。」
「小学生で肩も腰も膝も痛いってやばくないか。」
「やばいという自覚はある。」
「自覚あるなら気を付けろよ。」
「ふむ。」
「?」
「キミは少なからず私に関心があるみたいなんだよ。」
「そりゃまあ、同居してるわけだからな。お前に何か問題が起こったら俺も困るし。」
「うんうん、よきかなよきかな。そうやって他人に関心を持つことが、優しい世界を導くために大切なんだよ。」
「どの立場の人間なんだよお前は。」
「もちろん、しがない小学生ですが?」
「自覚はしてるんだな。」
「まぁ、これだけ肩と腰と膝が痛ければね。」
「自覚できるポイントじゃないだろ。」
「肩と腰と膝が痛い小学生がいたらダメかい?」
「ダメじゃないけど、不安にはなる。」
「肩と腰と膝が痛い小学生がいるとなんで不安になるのかね?」
「最近の小学生は猫背でアプリゲームばっかりやってんのかなぁ、とか?」
「はぁ〜〜〜やれやれ。」
「なんだよ。」
「偏見も偏見、驚くべき偏見なんだよ。偏見過ぎて、あれが、もう、それなんだよ。」
「思い付かなかったら言わなくていい。」
「お、優しい世界発動。」
「今ので発動したのか。」
「見事に優しい世界を導けたんだよ。流石は私。」
「自画自賛。」
「肩と腰と膝が痛いだけのことはあるね。」
「無理矢理繋げるなよ。」
「釣り堀ツナ蹴るなよ?」
「どういうこと?」
「釣り堀でツナ缶を使って缶けりしてる小学生たちへの注意喚起なんだよ。」
「そんなレアケースあるか?」
「最近の子供は缶けりとかしないかもだけどね。」
「お前も子供だろ。」
「私は肩と腰と膝が痛いから子供ではない。」
「おい小学生。」
「はい小学生です。」
「小学生は子供です。」
「小籠包はロコモコです?」
「違います。」
「お、ちゃんと指摘するのは優しい世界なんだよ。」
「言わざるを得ないだろ。」
「流石は私。」
「自画自賛やめなさい。」
「他人が私に無関心だから自分で自分を誉めるしかないんだよ。」
「寂しいな。」
腰痛はマジでキツいから気を付けましょう。