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さんかいせん

この作品はフィクションです。

「この世の中で最も盛り上がる瞬間。それは後にも先にも、三回戦を除いて他に無い。もしくはホタテ貝。」

「バター醤油焼きが最高っぽい。」

「美味しいんだよ、ホタテ貝のバター醤油焼き。あの焼けた醤油の香ばしい匂いったら最高級なんだよ。あれだけで、バラードがモノグラムになってしまうんだよ。」

「うん、何一つ意味をわからずに言葉を選んでる、ということはわかった。」

「それさえわかれば、後はもう勝ったも同然なんだよ。」

「何に?」

「四回戦進出おめでとう。」

「ありがとうございます。なんの大会かは知らんけど。」

「この三回戦は事実上の決勝戦と呼ばれておりましたが、ここを勝ち上がった感想は。」

「そうですね。何一つ手応えがありませんが、なんか勝ててよかったです。知らんけど。」

「この三回戦を勝ち上がれた勝因は、ずばり、なんでしょうか。」

「そうですね。疑問があってもツッコミを入れず、何も考えなかったことだと思います。知らんけど。」

「この三回戦をもって、エースが引退を表明しておりますが、それに対してはどうお考えでしょうか。」

「そうですね。なんでこんな中途半端なところで、という気持ちはありますが、本人の意思を、最大限尊重しようと思っています。知らんけど。」

「この三回戦を見るために、外宇宙の生命体の皆さんがいらしておりますが、何か一言。」

「そうですね。牛すじ煮込みと塩大福がオススメです。知らんけど。」

「この三回戦とは全く関係ない話ですが、昨今の離婚率の増加に関してご意見ございますでしょうか。」

「そうですね。知らん。」

「この三回戦、って、今日の惨敗勢、と、言葉の響きがなんか似てますよね?」

「そうですね。惨敗勢っていう響きが切なすぎて食欲が減退しました。知らんけど。」

「以上、見事に三回戦を突破いたしました人にインタビューをいたしました。いったんお返しします。」

「なんのインタビューだったのやら。」

「受け取り拒否されましたのでインタビューを続行します。」

「どういうことだよ。」

「三回戦って」

「一時停止。」

「エンドレス開会式。」

「どういうこと?」

「開会式がエンドレスに続くから、永遠に大会が始まらないんだよ。三回戦どころか三回戦も始まらない。」

「どんだけ三回戦って言うんだよ。」

「仕方ないんだよ。三回戦のバター醤油焼きは旨すぎるのだから。」

「いつの間にホタテ貝と入れ替わった?」

「今頃海底のホタテ貝の中には三回戦が入ってるね。」

「どういう状況だよ。」


競争は苦手なのだわ。

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