あたまがいたい
この作品はフィクションです。
「はぁ…。」
「どうした？」
「頭が痛いんだよ…。」
「風邪か？」
「多分違うと思う…。」
「なんでだ？」
「さっき頭にハクトウワシが直撃したから。」
「はい？」
「はぁ…。」
「ハクトウワシ？」
「うん。」
「ハクトウワシ、って、あれか？でっかくてカッコいい鳥？」
「表現が幼稚だけど、まぁ、それなんだよ。」
「腹立つな。」
「腹立つくらいなら頭痛くなってほしいんだよ。」
「どういうこと？」
「はぁ…。」
「そんなに痛いのか？」
「うん。」
「あんまり痛み長引くようなら、診療所行くか？」
「そこで問題です。」
「急にどうした。」
「診療所に行くとして。深夜に診療所に行くとして。」
「なんで深夜。」
「深夜に鎮火した診療所に行くとして。」
「火事だったの？」
「深夜に鎮火した金貨だらけの診療所に行くとして。」
「そこ本当に診療所か？」
「犯人は金貨目当てに放火したと考えられるわけだけれども。」
「急に推理始めるじゃん。」
「その金貨の中身が全部チョコレートだったらカロリーえげつないよね。」
「まさかの甘味。」
「略して、かろげつ。」
「略する意味は。」
「キミはあれかい？かろげつよりも、ろくやまの方が好きなタイプかい？」
「なんだ、ろくやま、って。」
「圧倒的に無視します。」
「そっちが聞いておいて無視するのやめて？しかも圧倒的に無視するのやめて？」
「じゃあ、どんな風に無視するのがいいのだね？」
「無視するのをやめて？」
「なんてわがままな。」
「どこが？」
「そんなキミのせいで、さらに頭が痛くなった。」
「俺のせいなの？」
「キミのせい以外、誰のせいだと言うのかね？三丁目に住んでる人のせいだとでも言うのかね？」
「どこから出てきた三丁目。」
「ひ」
「左から、以外で。」
「どうしてわかった？」
「ワンパターンだから。」
「ワンタパーン？」
「ワンパターン。」
「ワンターン？」
「ワンパターン。」
「ワンタンスープ？」
「わざとか？」
「わざとだ。」
「だろうな。」
「こんな風に尺稼ぎしてかないと、それなりに読み応えのある会話撃は完成しないんだよ。」
「尺稼ぎで読み応えは増えない。」
「………そうなの？」
「そんなに意外なこと言ったか？」
「言った。そして、言った。」
「なぜ二回言った？」
「あれだね。明日の明後日がろくやまだからだね。」
「でた、ろくやま。なんなんだよ、ろくやま、って。」
「頭が痛いから無視します。」
「無視しないで？」
強い雨が降ると、すぐ頭が痛くなる…。
