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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

―この異世界には君がいる― 0話

0話の番外編です。全編見終わった後に見るのを推奨します。

主人公が異世界に来る前の短編エピソードです。


20XX年。この日がどれだけ訪れなければいいと思った。

放課後の綺麗な夏は雲一つない青空だった。眠くなるのも当然だろう。

あの日、あの時に人類は変わってしまう。

(のぞむ)くん。臨くん!」

居眠り中でも声が聞こえる。隣にいるのは明るいベージュの髪をした俺の彼女である。

有原摘夢(ありはらつむ)。小さい頃から一緒に遊んでいて、いつだって一緒にいる。俺も摘夢も中学生の頃から自然と惹かれあい、想いが通じ合っていた。

授業が終わり、今日は部活もない気楽な一日だ。

自然は自然らしくこの空を見ながら屋上で昼寝が一番だった。

「今日はどうにもいい天気だなって、熱中症にならない涼しさで、おまけに快晴だ。この風が心地いい」

「だから昼寝か~臨君らしいね」

「あぁ、俺らしい」

そういいながら起き上がる。

「帰るか」

摘夢は笑顔で二つ返事。

二人でのんびりと川辺を歩いている。

「あのねあのね、臨君今日はカレーにしようかと思うの」

「カレーは香りが良い、それに摘夢のはニンジンが大きめで好きなんだな」

「臨君は辛いやつ甘いやつも好きだよね。私だって頑張っちゃうよ」

帰路を辿るその時だった。

地面が激しく揺れて、何か嫌な予感がした。

咄嗟に摘夢を横に抱きかかえる。

「臨君!」

そしてこの瞬間から世界が変わってしまった。


~~~


喰らう者(ガレイア)、やつらはそういう種族らしい。

喰らう者(ガレイア)は人を喰らうことで無限に成長していく恐ろしい生物だ。

人類は瞬く間に喰らう者に侵略を許してしまい一年が経った。

今までの日常とは一変、地獄のような日々を送ってきた。人口も二割程度になる、俺と摘夢はなんとかその二割に入ることができた。

俺も摘夢も人間は陰でひそひそと喰らう者に怯えながら生きている。

廃れた街の雪の夜。廃墟の中で少ない賞味期限が切れた食料を二人で分け合い食べていた。

「臨君。覚えてる?」

喰らう者(ガレイア)を殺した数か? 確か9823体くらいだ」

「そんな物騒なことじゃないって、喰らう者(ガレイア)が来る前にさ、私達がしていた会話を臨君は覚えてるかな」

そういえば、そんなこともあった。

「また摘夢のカレー食べたいな。香り高くてお手製の料理だから何よりも食べたいって思うよ」

だから俺は戦っている。痛くても苦しくても摘夢がいるのなら耐えられる。

喰らう者(ガレイア)に対抗できる人間は限られている。

諦めない者(ステイ)という、特別な能力に目覚めた人間。

喰らう者(ガレイア)の襲来以降に少しずつ人類はステイに進化し喰らう者を倒す力を一つ得る。

もちろんステイも元は普通の人間で怪我をすれば血も出るし放置すれば息絶える。

何よりも全世界から必要とされるようになったのがステイだ。

人類を存続させようと必死になりステイを持つ人間に無理やりにでも子孫を残させようとする始末だ。

だからステイ持ちの人間は自分がステイであることを隠すようになってしまった。

本当にどうしようもない。

喰らう者は凶暴さを増し、一人では太刀打ちできない喰らう者もこの付近で出てきている。

「……そろそろ場所を変える必要があるかな」

昨晩喰らう者に襲われ背中に大きな傷を負ったがステイは痛覚が少し鈍くなる。

「ごめんね、臨君ばかりに戦わせて」

背中を触ると少し心が落ち着いた。

「俺の明日には摘夢さえいてくれればいい」

「またそうやって、臨君は私しか見てないんだから」

嬉しそうな顔をしてくれる。

「むしろ、摘夢がステイじゃないほうがいい、俺と違って摘夢はモテただろ」

「……それは」

「中学の時何人か告白されたって聞いたぞ」

「だって、それは……臨君がいるから全部断ったもん。それより臨君もステイだってばれた時女の子に言い寄られてなかった!」

「あぁ、全部断った。当たり前だ」

「似た者同士だね」

そんな笑うことはない戦場みたいな世界でここだけは俺にとっての安らぎだ。

「摘夢は世界が戻ったら、したいこととかあるのか?」

「臨君のお嫁さん! あ、でもそれは今からでもできるかな」

そんなこと笑顔で言うんだ。殺傷力高い。

「マテ、本当に待て! 急に言うから驚いただろ!」

「でも前々から思ってたんだ。世界が壊れても臨君がいれば幸せになれるって、生きている時間がこんなにも愛おしく思えるのは臨君がいれば変わらないんだって」

摘夢は俺の胸に手を当てる。

「誰よりも、何よりも臨君がいたから、なんだ。私が恋して生きていられるのは、愛しているのは……だからこれからは夫婦になるっていうのはどうかな」

冬の夜は寒いが心だけは温かく、自然と体まで温かくなっていく。

「摘夢の愛おしさこんなにも温かい……だからずっとそばに居たいんだ。ずっと一緒にいよう」

摘夢への気持ち、そして愛は実り始めた。


~~~


壊れた街しかないデートスポットであるが摘夢と一緒にいるだけで幸せと思える。

あの頃通りの日常が続いていればきっとこの道には桜が咲いてただろう。

花、そもそも植物すらもう見なくなった。

野菜もしばらく食べてないかな。

非常食を探しても、生き残った他の人が食べ終わっている。

コンテナを探すも大体が空になっているし、摘夢の体を気を付けないといけない。

「摘夢、調子はどうだ?」

「うん、大丈夫」

栄養が取れないせいか痩せ細っているのは目に見える。

「無理はするなよ」

そういいながらお姫様抱っこをする。

「わわわ、重いからっ!」

「もう、摘夢だけの身体じゃないんだ。そろそろ名前も考えようかな」

「臨君……」


~~~


20XX年夏

倒しても倒しても一向に喰らう者は増え続ける。

危険が伴うも摘夢は必死に生きて、そして新たな命を生み出した。

「臨君……私できたよ。ちゃんと……」

「元気な女の子だな……」

だけど、俺は素直に喜ぶことができなかった。

「……ごめん」

「どうして臨君が謝るの。生まれてきた命なんだよ」

「この子にも、ステイは遺伝されているかもしれない。だから……戦いに巻き込んでしまう」

俺に力があれば、誰よりも何よりも強い力があれば、喰らう者を全て倒せるくらい強ければ。

この子が物心を持った時に綺麗な世界を見せてやれたかもしれないのに。

「臨君は優しいな」

「自分勝手なだけだ。欲張りなんだよ俺は」

そういいながら、生まれたての赤子を抱きかかえた。

とても軽く、愛おしく、泣いているのは生きている強い証なのだ。

「……そういえば、名前は男の子だったら叶人(かなと)だったな。香苗(かなえ)かー」

彼女はそう、影無香苗(かげなしかなえ)という。

「そうだね、香苗……香苗か~~~」

摘夢は微笑みずっと香苗を見ていた。


~~~


香苗(かなえ)も五歳になるも、喰らう者(ガレイア)は増え続けた。いくら倒してもあいつらはいなくならない。

「ママ~」

香苗は物心ついてから欲張らない子供に育ってしまった。

「どうしたの? 香苗」

俺は二人が食べる食糧を探していた。いつからだろう、あまり食欲がなくなった。

「あのね、パパがかっこいい!」

「そうだね、臨君はかっこいいよ」

二人が残りの食糧を食べているのを俺はただ見ているだけだ。

「そんなかっこいいか?」

「みたことないけど、ママがいってたヒーローってパパみたいなひとなんだなって!」

ヒーローか、全く俺には向いていない気がする。

「チェンジ! とかか?」

「あはは、臨君。ヒーローのポーズ様になってるよ」

よく思えば、香苗と遊んだことなんてあまりなかったな。

「だけど、ならば、香苗がヒーローになればいいんだ。俺は怪人喰らう者をやるから」

「こわいよ」

「だいじょうぶだ。香苗は強い!」

俺はすぐに悪い人になり、摘夢を抱える。

「はっはっは! どうした香苗、ママが喰らう者に連れて行かれちゃうぞ!」

「ちょっと臨君! あ……きゃーカナエタスケテー」

すぐに趣向が分かったのは良いが棒読みだな摘夢。

「ママ! いかないでー!」

逆に香苗はとても真剣だった。

「カナエちゃん! チェンジして!」

すると、香苗は泣きそうな顔で叫ぶ。

「チェンジ! すーぱーきっく! なっくるぱんち!」

ポーズをとり、俺に蹴りをした。そして優しい拳が胸にあたるととても暖かい。何かが伝わってきた。

「ぐああ! やーーられたー!」

俺は地面に思い切り倒れる。傍から見ればただの茶番だけど、とても楽しい。

「喰らう者を倒してくれてありがとーカナエー」

相変わらず摘夢は棒読み。だけど楽しくてしょうがない。

「あは! はっはっは!」

俺は堪えきれなくなり声を上げて笑う。

「パパがこんなわらったのはじめてみた。おもしろいあははは!」

「……そうだな、今が楽しくてしょうがないんだ。ははは!」

「久々にこんな笑顔見たなーあははは!」

心は安らいだ。だからまだ、俺は戦える。

ずっとこんな日々を守りたい。

家族とずっと一緒に居たいから。


~~~~


20XX年 冬

人口はもうほとんど残っていない、生きている人間はもう諦めているだろう。俺だってもう諦めているんだ。

結局、喰らう者(ガレイア)に人類は抗うこともできなかった。

喰らう者は社会を作り地球はもうすでに彼らのものだ。

人間は料理や奴隷。散々働かされ子を産まされ、そして食べられる。

「……ママ、さむいなぁ」

「大丈夫だよ、(のぞむ)君がいるから」

吹雪の中三人で俺達はぼろぼろの毛布に体をくるませる。

人が少ない冬というのは寒い。

食料も底を尽きる。むしろ土を食べるのが普通になっていた。

心にも余裕がなくなり栄養もないから香苗(かなえ)は育たない。

香苗はこんなことなら……辛い思いしかしてない。

あの子の笑顔は儚くて、見るだけでも辛いんだ。

こんな世界で香苗にしてあげられることはあるのだろうか。

「……なぁ、香苗」

「どうしたのパパ」

「パパが世界を救ったら、やりたいことあるか?」

「うーん、ないかな」

「どうしてさ」

「いや、あった。パパとママとわたしがたのしくなること」

「……」

「ママはやさしくて、パパもつよいから、うーん。ずっといっしょにいれたらいいな」

「香苗は幸せ?」

摘夢が訊く。

「うん、パパとママがだいすきだから」

「そうか……」

その時、俺は直感的に立ち上がる。無数の喰らう者の足音だ。

「パパは本当は香苗を生んだこと後悔していた。この幸せになれない世界で生きづらかっただろうと……」

「パパ?」

「でも、香苗が幸せになれるなら、幸せと言い笑ってくれるのならば、俺の後悔は嘘になった」

「……臨君」

例え数体でも、数百体いても、俺は……

「香苗のこと任せた」

死ぬつもりはない、生き残る。生き延びて二人を俺が幸せにしてやる。


~~~


外に出ると数百体の喰らう者(ガレイア)がいた。

「~~~~~~」

何一つ分からない言語で俺を見ている。

一匹の獲物を狙うように異常な殺気を感じる。

「~~~~~」

俺は、覚悟を決めた。

「全部……倒す」

心でステイを念じる。

戦士へ贈る赤色の花火(ステイ)―!

喰らう者と近接格闘ができる戦闘力強化。

武器を持っても意味がない。

長年の戦いで相手の弱点をすぐに見切れる。

一体また一体と喰らう者を倒していく。

「~~~~」

俺は生き残る。そして香苗と摘夢に明日を見せるんだ。

しかし、喰らう者の猛攻に俺は耐えられない。

血が溢れ出し、意識が朦朧とする。だが、無視だ。

「っく」

骨も何か所か折れ、激痛。いや、もう痛くない!

「……まだだ!」

全部、全部だ……ステイ、ステイ。ステイ!

燃料切れを気にせず、ステイを使う。どんどん意識が加速していく。強くなり、強くなるしかないんだ。例えどうなろうが俺には強くなることしかできないんだ。

「うおおおおおお!」


~~~


俺は喰らう者(ガレイア)を一匹残らず倒した。意識が朦朧とする中、二人の元へ帰った。

「……はぁ……終わった」

白い雪に自分の血がこびり付いている。戦いの証だ。

「臨く……ゲホ! ゲホッ!」

しかし、摘夢は衰弱していた。

「ママ元気ない……ゲホッ!」

そしてそれは香苗にも。

多分喰らう者がウイルスをまき散らしたのか、それは全世界にすぐに広がった。

病院がなければ医師だってこの世界に数人残っているか分からない。薬なんてものももうないだろう。

だけど俺は必死に探した。折れた骨も出た血なんかも気にしている場合じゃない。

ただ二人の病気を治そうと。

常にステイを発動し。意識も痛みも何もかもを無視して体を動かす。

寝る暇だって惜しみ探した。探し続けた。

喰らう者の邪魔を蹴散らして、薬、医師……だけどもう人類はほとんど残っていない。見るのは朽ちた死体だけだ。

「……臨君」

「パパ……」

「大丈夫だ! 絶対に見つける、だから!」

無理にでも体を起こそうとする、身体を動かす糸がポツリと切れたように言うことを聞かなくなる。

「ぁ……」

身体が動かない。何一つ力が入らない。俺も病にかかっていたことにすら気付いていなかった。忘れてたのだ。

「なんで……なんで身体が動かないんだよ! 動いてくれ! 動けよぉ!」

「……臨君、ありがと」

「パパ……」

二人は身体が動かなくなった俺を抱きしめてくれた。

「一緒に過ごす時間で、どんな時でも臨君は私のこと、香苗のことを考えてくれてた」

摘夢は俺の頭を優しくなでる。

「……私はもう満足だよ。こんなに臨君と一緒に居られていろんな場所を渡り続けて……世界の果てに辿り着いちゃった」

雪はどんなに白くて寒い、だけど二人の包容は何よりも温かい、そして俺はここが終わりなんだと、そう気づいた。

「……パパ、ありがとう」

そういいながら力ないが愛情が伝わってくる。

この繋がりは、決して切れない。

「頑張ったかな。なら、この場所を三人で生きた終わりだと決めよう、この世界で一番幸せに生きた家族は……愛だけはずっと残り続けるって、永遠だって」

二人も力なく頷く。

もう、ここでいい。綺麗に終われるなら……

嫌なことは沢山あったけど、それでもこの二人がいるから支えられてきた。

俺を信じてついてきてくれて、愛していると何度だって言い続ける……

「本当に……愛している、この、最後の時まで二人を……」


~~~


っで、

俺は目を覚ます。なぜだか身体は軽く。気が付けば肌が温かくなっていた。

「……あれ」

夢を見ていたのかもしれない、長い長い夢の中で冷たくて辛い日々。だから目が覚めれば摘夢との日々に逆戻りだ。

俺はそう思い外を見ると、嘘偽りない日差しが俺とソレを映していた。

もちろん認めたくなかったし信じたくもなかった。

俺の手を見ても確かに肉は残っているし、ならどうして俺にだけ残っているのだ。

「嘘だ……嘘だ嘘だ!」

骸になった二人。大人になれずに子供のままの小さな骨。

一部一部が薄くなって骨がほぼ残らない骸。

俺は二人のこんな姿を見ることはないと思っていた。

「……くそ! くそぉぉ!」

一体どれだけ泣いたか。どれだけ声を出したか。

いくつかの朝を迎えたのは覚えている。

「……摘夢、香苗……俺はどうすれば」

取り残されたという孤独。でもいつかは離れなければいけないのは分かった。

外に出ると蝉が鳴かない真夏日、一体俺はどれくらい眠りについていたのだろうか……

確か冬に眠りについたからほんの数か月だ。それだけでこんなに世界は変わっているのだろうか。

戦士へ贈る赤色の花火(ステイ)を使い続けた副作用なのか、まだ体が本調子ではなくフラフラだった。

何とか足を進めて夏の空の下を歩く。

一日、また一日といくつか夜が過ぎても俺は何かに出会うことはなかった。

喰らう者は一体何をしているのか……

無音の夏は終わる。

歩き続け、歩き続けた。そして俺は見つける。

「……字か」

誰かの残したメモだった。かなりボロボロになっているようだが何とか読める。

『私は喰らう者を絶滅させる方法を見つけた。簡単なことで全世界に人間を殺すウイルスを放つのだ』

『喰らう者は人間を餌にする。ならば人間が滅んでしまえば良いのだ』

『何度も反対されたが、私は冬に成し遂げる』

『人類は終わりを迎えたが、喰らう者も終末を迎えるであろう。私も死へ向かう……だからこれを書いても意味はない、世界の終わりを迎えることを』

『ここにいる人たちはミンナ正気じゃない。正気じゃないからだ』

『苦しい』

『だけど、やっといける。あの人の』

文字は途切れていた。あぁ、そういうことか。

つまり、もう喰らう者も滅んだのか。

一体どれだけの時間眠っていたかなんかどうでもよくなった。

ウイルスを放ったこいつらのことだって怒る気にもなれない、何を言ったところで返事は無音だ。

空を見ても青いとも思はない、暗いとも思わない、見上げている人はもういない。

音だってないようなものだ。

俺はステイの使い続けたせいできっと死ねない体になっていた。ウイルスすら克服し食事をする必要もない。

だから戦い続けてこの世界で一人生き残ってしまった。

死ぬことすらできない、死にたいと思っても誰も殺してくれる人はいない。

それでもきっといつかは終われるだろう。その日を目指して俺はずっと歩き続ける。

―この世界はもう誰もいない―

だからどこへ行っても、崩れた建物だらけで海を渡っても魚の一つ出会えない。

全部同じに見えてきた。

何度も季節は残っているけど暑いのも寒いのも同じだ。

ずっと死ななければ何か新しい生命でも誕生するのではないかと思える。

宇宙人とか来ないかな~喰らう者も宇宙人だから侵略とかしてくれると嬉しいな。俺しかいない星に来てもつまらないか。

「……はぁ」

楽しいことなんて考えられるほど前向きになるのも馬鹿馬鹿しい。

適当に適当に生きていこう。もうそれしかないから。

俺は何年も歩き続ける……無の世界を……


~~~


人と人はきっと繋がって生きている。

俺がそう思った。ならきっと繋がっているんだ。

俺の名前は……

目の前に大きな岩が……あぁそうか。うん。

あぁ、死ぬんだな。

そう思った。

臨はこの後異世界でアイーデと出会い、救われますのでセーフでしょ。

番外編作るとしても本編後の日常です。


――キャラ紹介

影無臨

―戦士へ贈る赤色の花火

戦闘能力強化。無理をして使いすぎたせいでオーバーヒートを起こし誰もいない世界で不老不死の身体になってしまう。圧倒的な戦闘力でどんな敵すらも敵わないのだが、戦う相手すらいないので意味がない。


―愛から愛へ命を運ぶ蝶の群れ

香苗から授かった臨が自分のことを話そうとすると発動する第二の能力。



有原摘夢(影無)

臨の幼馴染で恋人。優しい性格でおっとりとしている。


影無香苗 

二人の間に生まれた娘。世界が世界なために欲張らない女の子。

――禁忌の楽園は永劫を色へと変える

自分のステイの可能性を相手に託す能力。その相手はランダムで別のステイに目覚める。



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