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いや違うんです。本当にただの農民なんです  作者: あおのん
第6章 はじめての冒険者らいふ!
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第90話 おっぱいって踏むとこういう感触なんだなぁ

「まぁいずれにせよ、だ。

やるべきことは決まったよな」


(うん。決まった)

「そうね。決まったわね」


色々バタバタがあったが、

ひとまずの方針は固まった。


俺とアリア、オリビアの三人は、

完璧な意思疎通のもと、顔を見合わせて頷いた。


しかし一人、サナだけは首を横に傾げている。



「……え?え??

い、いままでの会話の内容で何の方針が

決まったんですか??」


サナは心底分かっていない様子で問いかける。


「タケツ様の退院を待ってから出発するんですよね?

それだと1週間空いてしまうと思うんですけれど、

それまでの間に一体何をするんです…??」



はぁ…?やれやれ。

サナはまだまだわかっていないな…。


俺は一つため息をついてから答えてやった。



「論点はそこじゃないんだよ、サナ」

「そこじゃないわね」

(うん。そこじゃない)



アリアとオリビアは、

当然と言わんばかりの様子で頷いた。



「そ、それじゃあ方針というのは一体……」


「それはな……?」


俺はゆっくりとサナに教えてやる。


「パーティ結成を祝して……、

宴会を開くんだよぉぉぉぉおおお!!!」



さぁ始めよう!今日も夜通しパーリナイ!!


【ガサァァ!!】


すかさず俺は、ベットの下に手を突っ込む!

それからガバリと、

こっそり隠していたツマミと

酒瓶を引き摺り出した!


宴は今この瞬間から開かれる…!!

昨日アリアが買った貴族様のお酒で

今日も宴の開幕じゃあああああああ!!!!!


・・・

・・



「ダメです。許可できません」


「はい」「はい」(はい)


あっさりメアリにバレた……。


バレないように用意周到に計画を

進めたつもりだったが、あっさりバレてしまった。


「……」


ソワソワ。ソワソワ。


……何者かによる密偵行為の可能性があるな。

いったい誰が犯人だろう…?

さっきからずっとソワソワしているサナを

俺はじっと注視する。



「タケシ様。話を聞いていますか?」

「あ、はい。きいてます」


「もう一度言います。

ここで飲み会をすることは、絶対に許しません」


「はい」「はい」(はい)


声を揃える一同。

この前のこともあるので、メアリは

相当にお冠のご様子だ。

3回目、もしも同じことをすれば、

流石に許されないだろう。



「1週間、大人しく待つしかなさそうだな…」

「そうね…」

(うん…)



はぁ…と一同一斉にため息をつく。

仕方ない。諦めるしかないよな……。


「メアリ、すまなかった。

パーティ結成のお祝はまた別の日に

することにするよ」


「本当にダメですからね……?」


「もちろんだ」


「本当の本当にダメですよ?」


「OK牧場」


「ほんっっとに、ダメですよ?」


「……」


いやこの人どんだけ俺らのこと信用してないねん。


「わかってるって。俺たちも大人だ。

今後俺の病室では絶対に飲み食いして騒がない。

約束は守るよ。神に誓おう」


ジトッとした目のメアリを説得し、

そしてパーティ結成祝いは来週に

もちこすことになったのだった……。



・・

・・・



「オーケー!!!

それじゃあ、アリアの部屋で

アリアの退院祝いをお祝いするぜえええ!!」



「いえーーーい!!!」

(いえーーーい!!!)



「それではぁぁぁぁぁ!!

アリアぁぁぉ!!退院おめでとううう!!

乾杯ぃぃぃいいいい!!」



「いえーーーい!!!」

(いえーーーい!!!)



カチャーン!

グラスとグラスがぶつかり合った!


言われた通り、

パーティ結成のお祝いは取り止めた!

それでは続きましてと、

アリアの退院祝いの宴の始まりである!!


(これなら嘘はついてないし問題ないよね!!!)


だってここ俺の部屋じゃないし、

パーティ結成のお祝いはやってないもん!!!


【ガチャン!】


俺はアリアが昨日買ってきた酒瓶を

手に持ち、声高々に宣言する!


「それではアリア様から頂きました

この高級酒を、開けていこうと思いまーす!!」


「いえーーーい!!!」

(いえーーーい!!!)


すでに三人とも、

昨日の安酒の残りをかっ込んで出来上がり済みだ!


三人一同マックスハイテンションのまま、

終わらないサタデーナイトフィーバーに突入!


ひゃっほううパーリナイいいいい!!!!

飲みほすぜ貴族様の高級酒ええええええ!!!



・・・・

・・・

・・


その後、深夜の大騒ぎを

聞きつけたメアリがやってきて、

どえらい勢いで怒られたことは

言うまでもないので割愛する…。



✳︎



さて、飲み会の次の日の朝。


「いい酒は悪酔いしないんだなぁ…」


朝6時。実に清々しい朝である。

かなりハイペースに飲んだつもりだが、

二日酔いは全くない。


貴族様の飲む高級酒には

回復薬としての効果もあるらしく、

そのおかげなのか知らないが、

酒を飲んだ次の日だというのに、

むしろ体は快調そのものだった。


「よっ、と」


調子に乗って、今日は車椅子は使わずに、

松葉杖をつかってベットから歩き出してみる。


「ほっ、ほっ」


かなりぎこちなくではあるが、

俺の足も歩けるくらいには回復したようだ。

アリアの高級酒の回復効果も多少ある気がする。


だが、それでも杖をつく老人並のゆっくりさだった。


「……うーん」


……この程度にしか治ってないのに、

たった1週間で退院できるくらいに治るのか?


まぁ、治らなければその分だけ、

この高級病院で食っちゃ寝できるから

全く問題はないんだけれども。



✳︎



「よっ…。ほっ」


床のその辺に転がるゴミやら食べカスを

避けるように器用に歩く。


「おっと失礼」

「ぐへぇ…」


アリアの体を跨ぐように乗り越えた。


が、誤ってアリアの体の一部を

踏んづけてしまったようだ。

足元からアリアのうめき声が聞こえてきた。


【ふにょん!ふにょん!】


だが仕方ない。俺は怪我人なのだ。

足元がおぼつかなくなって、

踏みつけてしまっても仕方ない。

これは不可抗力。許されるべき事態なのである。


「おっとさらに失礼」

「ぐへぇ…」


足の裏にかんじる低反発。

再三いうが、これは意図しない事故だ。

この不幸な事故を誰が責められよう。


【もにゅん!もにゅん!】


だから今の俺は、


"つまづいたら、たまたま足の裏にオッパイがあって、

脚を怪我してるが故になかなかうまくどかせない"


そういう状態なのだ。


決して意図して行っているわけじゃないし、

これを俺が意図的にわざと行っていると証明する

ことは、誰にも叶わない。

誰も俺の咎を責めることはできないのである。



【もにゅん!もにゅん!】



車椅子の人が馬車に乗るときは、

どうしても時間がかかってしまうもの。

それを責める人が果たしてこの世にいるだろうか?


脚を大怪我しているこの俺が、

必死におっぱいから脚をどかそうとしている行動を、

果たして誰が責められようか。


【もにゅん!もにゅん!】


(すまねえアリア…!!

俺は怪我をしていてうまく脚を動かせなんだ…!!

すまねえ!すまねえ!!)


【もにゅん!もにゅん!】


「ふぅ…」


よし…もう十分堪能したかな。

ソッと俺は足の裏をおっぱいから離す。


「おっぱいって寝転がった状態で触ると

また違った趣があるんだなぁ」


という新たな知見を得てから、

俺は改めてアリアを跨ぎ洗面台に向かったのだった…。


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