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いや違うんです。本当にただの農民なんです  作者: あおのん
第6章 はじめての冒険者らいふ!
90/120

第83話 地道な調査 #2

・・・

・・


資料の整理があらかた終わった。


最終的には綺麗に整理された資料の束と、

それからサナがシールを貼った

大きな地図が完成したのだが…



(……で、ここからどうするの?)


「……」



ど、どうする……?逆に聞きてえわ。


改めて地図を見て見る。

嘆願書が出た全ての地域を地図に記したわけだが、

地図は思っていた以上に散り散りに分布している。


ぶっちゃけ、ただ無数に

シールが貼られているだけの地図である。


(サナには頑張ってもらったけど、

あんまり役に立たないかもなー…)


そして俺は、なんとはなしに、

俺は自分の村のシールに触れて見る。


うちの村も嘆願書出してたんだなー

くらいの気軽さで触れてみた…の、だが。


【ブォン!】

「うお!?な、なんだ!?」


地図のシールに触れたその途端、

パッと文字が浮かび上がったのだ!


「わ!?」「!?」

「な、なんだこれ!?」


地図の上。

まるでそこにあるかのように、

文字が立体的に浮かび上がっているのだ!


わずかに透けるその空中に浮かぶ文字。

その近未来的な地図に、

サナを除いた三人は思わず声を上げて驚いた!


ふふん、と自慢げにサナが胸をそらす。



「それはですね!」

「タッチすると、

嘆願書の内容が表示されるようにしたんです!」


「「す、すげえええ……!!!」」



シールを続々とタップして見る。


ポンポン、と文字が浮かび上がるのが

新感覚すぎてめちゃくちゃ面白い……!!

こ、これ仕組みどうなってるんだ!?!?


「こ、これ売り出したら

絶対に貴族の間で人気出るわね…!」


俺の横で地図をタッチしながらアリアが

驚いたように呟いた!


えへへ、と照れるサナ。

ちょ、ちょっと、あとで、マジで、ガチのガチで

商品化できないかサナに相談してみよう。



✳︎


とりあえずこの地図のことは、

「スマート地図」と命名することにした。


みんなでその新感覚な地図を

ぽちぽち触って遊んでみる。


そんな中で、ふと俺はとあることに気がついた。


「ん?日付が…」


地図をタップすると出てくるその日付に

俺はとある"傾向"を見出したのだ。


誤差はあるのだが、

大半のポイントに同じような"傾向"があることに、

俺はたまたま気がついた。



「なぁ。なんか…円状になってないか?」


「えっ」(え?)


オリビアは広い地図を見渡して

首をかしげる。


「なってないよ?」

「どこにも円状なんてないけど?」


「たとえばさ、4月15日の日付の嘆願書を

探したとするじゃん?」


ポンポンポン、と地図をタッチしていく。

タッチしたポイントから文字が浮かび上がり、

タッチするごとにその文字は連なっていく。


「そしたらほら。

なんか円状っぽくなってるだろ??」


「……………たしかに」


皆スマート地図を見上げる。

そこには大雑把ではあるが、たしかに

円のようなものが表示されていた。


……これ、もしかしてめちゃくちゃ

有力な発見なんじゃね?


【カチャカチャ】


サナがカチャカチャと、

地図の横の四角い装置をいじり始める。


「日付ごとに色分けしてみましょうか?」


「おぉ…そんなこともできるのか」


「装置を書き換えればできます!!」


「よし。それじゃあやってくれ。

だいたい1週間レンジで同じ期間に該当する奴は、

同じ色にしてみてくれ」


「わかりました!」


それからトトトと俺の側へと駆け寄り

サナは俺にお願いした。


「すみませんタケツ様。

タケツ様の黒い指輪お借りしてもいいですか…?」


「え?いいけどなんで?

……って、あ。もしかしてこの地図って」


「はい。魔法文字で動いているんですよ」



魔法文字。

それは、俺たちの時代では

はるか昔に廃れてなくなってしまった、

文字媒体の魔法体系だ。


この神から借りパクしてしまった黒い指輪を

使えば、魔法文字を書き換えることが

できるらしいのだ。



「ほれ」

「ありがとうございます!」



サナは、指輪を借り受けると、

楽しそうにタタタとまた四角い装置の元に駆け寄る。


「魔法文字?

この地図って魔法でできてるの?」


「らしいぞ」


アリアが興味津々という感じで、

サナの作業を観察している。


「ちなみにアリアって

魔法文字のこと知ってる?」


「ぜんっぜん!知らないわね」


「なんか古代文字と似たようなものらしいぞ。

古代文字をさらに発展させたものとかなんとか」


「つまり古代文字ってこと?

さ、さすが神の使徒ね…。」


古代文字かいてる人初めてみたー…

そんなことを言いながら、物見遊山でアリアが見ている。


「……」

一方その隣。

物見遊山…というにはあまりに真剣な表情で、

オリビアがサナの手元をじっと見ていた。


「……」


オリビアのそんな様子を流し見ながら、

俺たちはサナの作業終わるのを待ったのだった。


・・・

・・




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