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第17話 オリビア #1

おっぱい揉みしだき回

「ヒェェェお助けええええええ!!」

本日通算何度目かの絶叫が響く!


そりゃ叫びもするだろう。


突如目の前に現れたティタノデビル。

全長10mはあろうサメ頭の化け物が

今にもビームを口から吐き出そうとしているのだ!

これを叫ばずしていつ叫ぶというのか!


「オ、オリビア!俺の手掴め!」


返事も聞かずにオリビアの手をむんずと掴む!

そしてそのまま3人飛び出すようにステンドガラスから外へと身を投げ出した!



———しかし一手、遅かった。


飛び出したその瞬間、

後ろの方で紫色の光がひときわ大きく強くなったのだ!


(あっ……死ぬ)

こ、攻撃がくる。間に合わない。


ここで死ぬのか……俺。

父さん母さん俺を生んでくれてありがとう。

実家の犬よ…毎日散歩してやれなくてすまん。

妹よ……えーっと、お前が冷蔵庫に入れてたアイスクリームだが、

定期的に勝手に食っていたのは俺だ。許せ


あとは……うむ。もう言い残すことはないな。

さよなら世界。


俺は硬く目を閉じる。

そして目を開く。


「あれ?まだ生きてるな俺」


ピンピンに生きていた。伝わる地面の感触を確かめる。

草の匂いに砂利の感触。無事生きたまま外に

飛び出すことができたようだった。


怪我がないか体を確かめるが特に異常なし。

……うまいこと攻撃が外れたのかな?

あの距離を外したというのは中々想像しづらいものがあるが…。


「ア、アリアー。おいアリア」


それよりもまずは身内の安否確認だ。

横で地面に倒れ込んでいるアリアに声をかける。

しかし返事がない。……え?返事がない?


「おーい!…お、おい?え?おい!」


ま、全く返事がない!ピクリともしない!


え?し、死んでないよね?!俺は慌てて腕を取り脈をはかる!

……う、うん。死んではいないようだった。


「よ、よかった。死んではいなさ…」


【ふにょん】

!?

【ふにょん】

!?!?


……い、いや!もしかしたら

脈は動いてるけど心臓は止まってるかもしれない!


(直接触って確かめなければ!!)


俺は柔らかそうに揺れる乳、もとい胸へと手を伸ばした!


(南無三!!)

感謝の合掌!俺は手を伸ばしていただきますした!


(……)ジーーー

(…タケシなにやってるの?)


「嘘ですごめんなさい触るつもりなんて

一切ありませんごめんなさい申しま、

……ってオリビアかよ。驚かせるんじゃないよ」


オリビアがジトっとした目でこちらを見ていた。


なんだよオリビアかよ。

あーびっくりしたわ。びっくり損だわ。

よくないぞ、そういうの。


【もみもみ】


(……!?さ、さわった!?この人本当にさわった!?)


【もみもみ】


俺は冷静に判断する。

心臓は動いてるようだな。問題なし。

更に俺は冷静に判断する。

これはCカップかな?実に形が良い乳をしている。100点!


【もみもみ】


(タ、タケシすごいね!?

わたしが見てても一切の躊躇いなく触ってるね?!)


「人の命がかかってるんだぞ?!躊躇ってられるかよ!!!」


(え、えぇー……?そんな迫真に言われると言い返しにくい…)


【もみもみ】


「それよりも、ふざけてる場合じゃないぞオリビア

早く礼拝堂に戻らなくてはな」


(ふざけてるのはタケシのほうだと思うけど)


【もみもみ】

オリビアの小言をスルーして、改めてアリアの顔色を伺う。

気絶しているようだが命に別状はなさそうだ。

俺は最後に一揉み【もみもみ】すると、

気持ちを切り替えて、礼拝堂に目線を向けた。



(すごいね。本当に最後まで揉みしだいたね…)


「なんか勘違いしてないか?心音を確認してただけだからな?」



意識を失うアリアを背中におんぶして

【もにゅ】

俺は礼拝堂のステンドガラスを見上げた。

【もにゅ】


「……すごいな。」

(うん…)


「すごい…す、すごいおっぱいだぞこの乳は!

ブラ越しでも柔らかさがやばいんだが!?」


(そっちの話まだ続いてたの!?

いい加減やめなきゃダメだよっ、もう!)


オリビアが無理くり俺からおっぱいを奪い取る。

そのままオリビアはアリアを背中に背負った。


「バッ…女が背負ったんじゃ力足りないって!

あぶないから俺によこせ!」


(同じ女子として変態に女の子は預けられない)


しかしオリビアは難なくアリアをおんぶする。

(それにステンドガラスも飛び越えられないタケシよりは

力あるから要らない)


くそっ!そういやこいつ

数メートルはある高さも余裕で飛び越えてやがったな!

なにも言い返せねえ!


「ゴホン」

話を切り替えるように、俺はわざとらしく咳をつく。


「なぁ話を戻そうぜ?

ふざけてる場合じゃねーって」


ツッコミばかりいれてふざけるオリビアを一喝し、

俺は改めてステンドガラスを見上げた。


「それにしても、不思議だよな」


(……私を叱ろうと思い至ったタケシの思考回路の方が

わたしには不思議だよ……。


それでなにが不思議なの?)


「なにかものすごそうな攻撃がくる!ってあの時は思ったけど、

実際に受けてみると壁もガラスもひとつも壊れてないんだよ。


すげー不思議だ。案外大した攻撃じゃなかったのかね」


あの悪魔の口からレーザー的な光線を発射されて、

壁ごと吹き飛ぶ光景を想像していた。

しかし実際には、数十分前の光景となんら変わらないように見える。


オリビアが俺の横に並んで上を見上げた。

(……タケシは飛び降りる寸前に、悪魔の様子を見たりはした?)


「いや、見てないが」


(わたしは見たの)


「ほう」


(『あっ、攻撃される!』って思った瞬間に振り向いたら…)


「うん」


(悪魔の頭が爆発してたの)


「ばくはつしたぁ?」


(あの悪魔、口を開けて紫色の光たくさん蓄えてたでしょ?

それから口をギュッと閉じて、

もう一度口を開こうとしたら、突然ボカーンって)


「……よくわからんが、

頭が破裂とかめちゃくちゃグロそうだな」


「……当分お肉は食べたくないかも」


「あー…わかるわぁ…」


俺も今日一日で悪魔の死体と、ダガーがおっさんの口に刺さるとこ見たから

まじで食欲が……って、いかん。話が90度脱線してる。



「ちなみに誰かの他の攻撃を受けた感じでもなかったんだよな?


神官さんが何かやった可能性もあるのかな?

と思って聞いてるんだけれど」


(それはちょっとわからないかな)

オリビアは続ける。

(わかんないけど……なんかびっくりした

ような顔して爆発してたよ?)


「ふむ…?つまりは、『悪魔もびっくりするほど予想外の何か』

が邪魔したせいで魔法の発動に失敗した

……のかな?わからんが」


(なんだろうね。予想もできない何かって)


「わからん…。でも案外、この辺りに

落ちてたりするのかもしれないな。ダメ元でちょっとだけ探してみるか」


(そうだね。……あ、でも、

礼拝堂に急いで戻らなくても大丈夫かな?)


「大丈夫だろ?つーかアリアが気絶しちゃうと、

いよいよ俺たちにできることなんて何もないしな。


むしろこのまま逃げてもいいくらいだと思う」


チラッと教会の外を見る。

「……今なら外に逃げ放題だ。

もしあれだったら、オリビアはこのまま

外に逃げてもいいんだぞ。どうする?」


(……タケシはどうするの?)


「超超超逃げたいけど、でも今のまま逃げたら教会からの

印象めちゃ悪そうだから、もうちょい功績あげてから帰るわ」


逡巡するように迷うオリビア。それから口を開く。

(私が帰ったら……タケシは困る?)


「困りはしないけど……でもなんかあった時に俺一人で死ぬのは

寂しくて嫌だから一緒に死んでくれん?とは思うね」


(す、すごいセリフ言うねタケシ)

オリビアは続ける。

(うーん。一緒には死ねないけど、でもタケシが

死ぬときは私が横で見ててあげるね)


「み、見てないで助けてくれよ…。

でもありがとう。ぶっちゃけ1人よりは心強いわ。頼りにしてるぜ」


(任せて。タケシよりは私強いよ?たぶん)


「そうかい」


それからオリビアは、思いついたようにポツリと言った。


(……タケシは変態だしうるさいし、めんどくさそうな人だけど、

一人で無理しないで、カッコつけずに頼れるところは、良いところだよね)


「あん?それ褒めてるつもりなのか?」


(褒めてるよ?)


「そうか…」

あんまり褒められた気しねえなぁ…。


(出会ってまだ数時間だけど、

少しだけタケシのことわかった気がする)


はぁ?数時間で理解できるほど

俺の人としての深みは浅くねえんだよ!!


……そんな減らず口を叩きながら、

俺たちは周辺に何かないか探索した。



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