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第2話 はじめてのスキル授与。 #2

タケシの唯一の武器、行き当たりばったりな話術(笑)が炸裂します

(やったぁぁぁぁ!!やったぁぁぁぉぁぁぁ!?!?、さよかやまあらわg(d.ndtm.)


頭の中が文字化けし始めるほどの幸せの絶頂期!!

ほ、ほんとに水晶われたんだがァ!?!?

俺すげえええええええええ!!!!


(俺SUGEEEEEE!!!)

「誰かかわりのものを」


(俺SUGEEEEEE!!!)

「は、はい!ただいま!」


(俺SUGEEEEEE!!!)


「…すまないね。少し待ってもらえるかのう」

(俺SUGEEEEEE!!!)


「はぁ。いいですけど」


俺SU……ハッ!いかんいかん!

まだ全てが終わったわけではないのだ。

変わらず開拓民量産祭りならぬか喜びにも程がある。


俺は神官のやりとりをじっと観察した!


「たまにあるんじゃよ。水晶が割れてしまうことが。

ほんとにたまにじゃがね」

「そうですか」


どうやら声の主の番で丁度水晶が壊れてしまったようだ。


……それにしても気の無い返事である。

後ろ姿からして女の子だろうか?

長い金髪に腰に帯刀した、いかにも高そうな剣。

この身なりの良さは十中八九貴族で間違い無いだろう。


代わりの水晶が来る間、

神官は暇なのか知らないがずっと少女に語りかけていた。


「水晶には「容量」というものがあるのじゃ。


その容量を超えるスキルが発現したとき、

水晶はその神力の大きさに耐えきれず、割れてしまうと言われておる」


「そうですか」


今までは淡々としていた神官の爺さん。

しかし今はどうだろう。

テンションが上がっているのか、上ずった声でペラペラ喋り出していた。


「過去にも同じようなことがあっての?

先代の勇者様がスキルを授与された時にも

同じように水晶が割れたことがあったのじゃ」


「はぁ」


「お主のその家紋…アリシエル家の娘じゃな。

ふふふ、わしは"もしかしたら"があり得るとおもっておるぞ?」


「?そうですか」


うわキモ……なんか自分にしかわからないこと言いながら

一人で笑ってるよやだあのひとこわい…


そしてそれから少しして、

新人の神官が代わりの水晶を持ってきて儀式が再開された。


「それでは始めよう。皆の者、心して聞きなさい」


「はい」


「お主の授かったスキルは……おぉぉぉ!?


"双剣無双"


であるぞ!!」



ォォォオオオオオオ……!!!


協会の講堂が震えるように木霊する


「"双剣無双"……?」


当の本人は会場の盛り上がりに反比例して、

いまいちピンときていない様子である。


ぶっちゃけ俺もピンときてないが、

しかし神官の反応から察するに、相当良いスキルなのだろう。


「ありがとうございます。それでは」

最後まで冷めた様子だった貴族の少女は、

形式的に頭を下げると、そのまま扉の外へと向かう。


「ちょっと待ってくれ!」

「……?」


まだなにか?と若干迷惑そうな顔である。

つーかこの女さっきから態度がものすごく悪い。

貴族なんだからもう少し対外的なことを

考えた方がいいと思う(平民の主張)


「あとで話したいことがあるのじゃが時間は大丈夫か?」


(!?!?!?)

神官の次の言葉に俺は思わずフリーズした!


こ、こ、これはまさか…あの噂の「お声がけ」か!?


王国は常に戦力を求める武力国家。

有用なスキルを持つ者がいれば、その場でスカウトすることがあるらしい!


これぞ農民誰もが夢見る「立身出世街道」!

勝ち組確定の夢の下克上コースだ!

うらやましいいいいいい!!!!!


「……?はい。いいですけど」


目の前で開かれたビクトリーロード。

俺なら泣いて飛びつく光栄あるスカウト…。


普通なら泣いて喜ぶのが当たり前だろう。

しかしその貴族の女の子の反応は素っ気ないものだった


(けっ!けっ!けっっっっ!

これだから貴族様はヨォ……!

そこは泣きながら土下座スライディングで

神官殿の足元にすがりよって感謝の言葉を述べるところだろうが!?)


怒りのビートが上がっていく。

貴族は最初から金持ちだから、別に召し抱えられなくても何も困らないのだ。


妬ましい、あぁ妬ましい、妬ましい(五七五)

だからわたし貴族って嫌い!


「うむ。よろしくたのむ。

……それでは次の者、前へ」


とっとっ、そうこうしてるうちについに俺の番だ!


金持ちに嫉妬している場合じゃない。

俺はパンと頬をはたき気持ちを切り替える。


(ついに俺の番が来た!)


俺もようやくスキルを手にすることができるのだ!

いやが応にもテンションはあがっていく。


水晶が変わった途端にこの大当たり。

このビッグウェーブに俺も便乗するしない!


(いける…!いけるぞ俺!)


一つ深呼吸。

そして決意を胸に、俺は一歩前へと踏み出で、

水晶に右手をかざす!


(俺は俺の可能性を信じて疑わない!

きっと良スキルが手に入るに決まってる!

手に入らないわけがない!)


(さぁ来い!良スキル!

そして採用してくれ爺さん!俺に立身出世のチャンスをくれ!!!)


白ひげぼうぼうの神官が、

厳かに大きな水晶に手を当てたかと思うと、こう宣託した…!


「お主の授かったスキルは…むっ!?」

ど、どうした?どうした?!


「むぅ???」

水晶をペチペチ叩く爺さん。

……ほ、ほんとにどうした?ボケたか?


「 "わからん"!」


!!!!わからん!!

……わからん?


「わからんじゃ」


……なにいってるんだろうこのお爺ちゃんは。

ヘルパーさーん、ここにボケ老人がいまーす


「わからんじゃ」

「す、すみません。何のこっちゃわからんのですが」


「……もう一度言うぞ?」


「は、はい」


「お主のスキルは……わからんじゃ!」

「"わからん"というスキル名なのじゃ!」


ざわ……ざわざわ……


先程の金髪の女の子の時とは別種のざわめきが会場を包み込む。


「それは…スキルの名前なのですか…?」

「うむ」


な、なんだそれ。

"わからん"て。


「は、初めて聞くスキルだな」

「何かの略語だろうか。」

「わ、わからん」

「あるいは我々の知る言語とは別の言語なのかもしれない」

「わからん…」


スキルは神から授けられるものとして、

アルダニア王国民はこの神聖なる協会で必ずスキルを付与される。


数多くのスキルを見てきた神官でさえ

俺のスキルは知らない能力のようだった。



(こ、これはどうなんだ?俺どうなるの?)

思っていたのと色々違くて俺は軽くパニクっていた。

どうなるんだ?俺


「む?ちょっと待ちなさい。」

神官が不意に手をピタリと止めた。

「なんと、また水晶が割れておるではないか!」


!?水晶が割れた!?

さ、さっきの貴族女と同じじゃないか!

もしかしてさっきの貴族女みたく

思わせぶりなことを言ってくれるのか!?


「さては古いものを間違えてもってきたな?このバカモノが!

はやく新しいものをもって来んか!」


なぜか俺だけ経年劣化が原因にされ、

持ってきた新人神官がえらい怒られていく。

いやなんでやねん。俺のこともさっきみたく褒めてくれよ。


「……」

「……」


そして訪れる妙な沈黙。

残された神官と俺は互いにじっと見つめ合う。


『きみいつまでそこに立ってるの?』

そんなことを言いたそうな面である。


はぁーやれやれ。


(耄碌ジジイよ。大事なことを忘れてないか?

この数分の間にボケが急速に加速したのか?)


爺さんは俺にスカウトの話をするのを

すっかり忘れてしまっているようである。


仕方ない。俺はさりげなくフォローしてやることにした。


「あのー」

「ん?」


「スカウトの話はしなくていいんですかねー…?」

「はぁ?スカウトがなんじゃって?」


「あ、いえなんでもないですごめんなさいすみません」


おいいいいい!

スカウトだよスカウト!スカウトの話し忘れてないか?!

もうボケ始まってんのか!?朝ごはん何食べたか言ってみろ!!


「列がつっかえておるのでな。

用がないならそこをどきなさい。」


あ、やばい。マジで話が終わる(絶望)

頭の中が真っ白のまま、俺は脊髄反射で答えた!


「用!?よ、用ならあります!」

「ん?まだなにか?」

「え?」

「ん?」


用?!なんか用ない!?

用…ヨウ! YOU!(錯乱状態)


「???」

神官は怪訝そうにみつめている


(と、とととととりあえずなんでもいい!

適当に話を続けてれば何か糸口が見えてくるはずだ!

とりあえず会話をつなごう!)


丁度おあつらえ向きに水晶が来るまで時間があるのだ!

落ち着け!大丈夫だ!まだチャンスはあるはずだ!


勝機を無理やり見出して、冷静さを引き摺り出す!

話の方針をざっくり決めて、俺は神官に向き直った!


「神官どの。"わからん"とだけ宣告されたのでは、

私はこれから先どうすれば良いのかわかりません。

それはあまりにも無責任ではないでしょうか?」


(キリッ)


交渉とは、常に相手から優位をとらなければならない。

毅然とした態度で、俺は神官を責めてみることにした。キリッ


「そうは言われてもね。

神の御心は神官の我々とて計り知ることはできぬのがこの世の常。


我々神の子は、神から頂いたものを甘んじて受け入れるしかない。

それが神託というものなんじゃ」



あ、ダメだわこの話の切り口。


神官の顔や動作からめんどくさそうな雰囲気がこれでもかと伝わってくる。

この手のめんどくさい手合いは毎回いるのだろう。そんな反応だ。



(くっ……い、いやしかし、相手は神に仕える神官だ。

同情を引くようなことを言えば反応も変わるはず。

切り口を変えろ……!!変えるんだタケシ!!)



「……神官様にお聞きしたい。

"農地開拓"の能力すら持っていない私は、

これから一体どうなってしまうのでしょうか?」


「む?それは……」


さすがの神官ジジイも口もごる。

そんなことは言うまでもない。

農民としても働けないとなれば、

働き口が見つからずあとは飢えて死ぬだけだ。

そんなことは聞くまでもなくわかりきっている。


「……16歳になり、スキルを頂ければ

王国のために身を粉にして貢献できると思っていたのです。


ようやく王国に…ひいては女神アリル様に恩返しができると、

私はそう思っていたのです!

私が今日という日を私がどれほど待ちわびたことか、神官様にはお分かりになりますか…!?」


ぽたり、ぽたり

俺の頬から滴が落ちる。


俺はあの日を振り返っていた。

そうあれは昔、俺が子供の頃にカマキリを育てていた頃の話だ…。

「ジョンソン・ニコフラメル」それが俺の親友につけた名前だ。

ある日、メスのカマキリを偶々見つけた俺は、

「そろそろアイツにも嫁さんが必要だよな!」と親戚のめんどくさいおっさん気分で、

ジョンソンのいる籠の中にメスカマキリを入れたのだ…。

無事つがいとなり、メスと交尾をするジョンソンは最後………!!


あの日の光景が頭の中に流れていく。

……涙は自然と頬を伝っていった。


周りの有象無象の神官達は俺の尊い涙に思わず見入る。

側から見れば、これほど愛国心に満ちた少年は

他にいないだろう。


(まぁ、実際は飼ってたカマキリが

野生のメスカマキリに食われて泣いてるだけだがな!)


これを見て見ぬふりができる教会ではあるまい。

そして俺は最後の締めの言葉を言い放つ!


「私は王国のためにこの命をささげたかった!

それなのに、それなのにこの仕打ちは…あまりにも残酷すぎます……!!」


「むぅ……」


終始めんどくさそうにしていた神官が初めて

人間らしい慈愛の表情をみせはじめた


(お?効いてる?

俺の嘘泣き演技結構ささってんじゃね?)


王国のために頑張る若者像、

ジジイのストライクゾーンにどんぴしゃか?


「せめて…せめてものお願いです。

どうかわたしの"わからん"のスキルの詳細について教えてはいただけないでしょうか?


農民として王国に貢献できないのなら、

せめてこのスキルを使って別のことに役立にたいのです!

どうか、どうか教えてください神官様!」


「むぅ………」



困ったように唸る神官を見て、俺は勝利を確信する。


(決まった……!これは決まった!

神官の同情を買いまくりも買いまくり。大量買いの大人買いだ!)


ここまでくれば後は簡単だ!

王国のために働きたい若者がいて、

でも若者は一つも役に立たなそうな

よくわからないスキルしか持っていない。


それでも王国のために役立ちたいという若者がいたら、

慈悲深い教会様はどうするだろう?


教会という組織は基本的に慈悲深いのだ。

クソスキルで死にゆく気高き若者をみすみす見捨てたりなんて真似はしないはず。


話を進めて、無能力でもできそうな仕事、

教会の掃除屋さんとか庭師だとか、

適当に楽な仕事を斡旋して貰えばいい。


まだワンチャン可能性あるでオイ!


「…お主の愛国心は本物だ。

できることなら、わしはお主の忠義心に報いたいと思っておる。


お主が聞きたいのは、

スキルの詳細について、じゃったな。」


「はい!」

まぁ、さっき後ろの神官たちがコソコソ密談してたのは聞こえてるから、

お前らが説明できないのはすでにわかってるけどな!


「……このようなスキルは過去に例がないのじゃ。

我々ではこれ以上の説明はできないんじゃ。すまないがね」

はいはい。それでそれで?


「以上だ。それでは次の者、前へ。」

は、はぁ!?


「む?話は終わったぞ。はやくどかんか君」


お、お前は外道か!?

こんな可哀想な俺を放置して話を畳もうとしてやがるのか!?

な、な、な、なんて冷徹な爺さんなんだこのジジイ!


【ぐいぐい…】

ジジイの言葉に従って、後ろのやつが

どけよと言わんばかりに押してくる…!


周囲からの「時間の無駄だよ早くどけよ…」

みたいな空気が、俺に押し付けられる…!


(くっ……このクズどもがァ!

俺の人生がかかってんだよ!少しくらい長話になってもいいだろうが!!


ァァァア!もういい!もう終わらせる!

"これ"で全部終わらせるから大人しく待ってろや!)


"これ"だけは言うつもりはなかった。

このスキルをもらった瞬間に思ったことだが、

不敬罪になりそうだから言うつもりはなかった。


言いたくなかった。

言いたくなかったが仕方ない!

意を決して、俺は最後の切り札を使った!



【ドン!】

「それはおかしなことです神官様!」


わざと机を大きく叩き、

俺はクソジジイ達の注目を集めて一同を見回した。


「はぁ?なにがおかしいと言うのかね?」


ヒェッ!声に怒気が含み始めてる!

ひ、ひるむな!がんばれおれ!


「『過去に前例がない』

『これ以上説明はできない』

…さきほど神官様は私のスキルのことを

そのようにおっしゃいましたね?」


「そうじゃが?」


「スキルとは女神アリル様から授かりしものです。

そのスキルの命名ももちろん、アリル様が行なっていることでしょう。」


「その通りじゃが?」


「そして本来ならば、スキルの詳細については

神官様は女神様からの神託で知ることができる。そうですね?」


「そうだといっている!」


なんと短気な爺さんだろう。

神官の貧乏ゆすりが俺の方まで伝わってくる。


……ちょ、ちょっと怖いが大丈夫だ。

これを言われたら流石のジジイも考え込むはず。


さぁくらえ!これが俺の最期のわるあがきだ!

しね更年期外道冷酷クソジジイ!!


「やはり!それなら尚のことおかしいです!」


「だからなにがおかしいと…!」


「女神アリル様でさえ、

私のスキルは『わからん』と匙を投げてしまうのですよ?


『神すらもわからないスキルが人の身にやどった』

これは何をどう考えても、おかしなことではないですか?!」


「………む」


黙り込む神官。俺はさらにたたみこむ。


「私のスキルには、

女神様ですら理解ができない、神の領域すらも

超えたよっぽどの何かが隠されている、

そう考えるのが自然なように私は感じます。」


「……。」


「神官様。私は神官様の言うように、

おかしなことを言ってるのでしょうか?」



もはや会場で俺以外に言葉を発しているものはいない。

ボケ神官は何を考えてるのか読めない表情で黙り込んだ。


それから、何秒経っただろうか。

神官は沈黙を破り、俺に改めて話しかけた。

「………話を続けなさい。」


え?話?

言いたいこと全部言っちゃったんだが?

え、えーっと……


「……も、もしかしたら大化けすることもあるかもしれませんよ?

神様も超えるくらいにすごい英雄に…

未来の英雄になるかもしれません……よ?わたし」



「……」


まーただんまりである。

なんかだんだん腹立ってきたわ。

早く決めてくれない?(逆ギレ)


「………他の者らはどう思う?」

神官ジジイは振り返ってほかの神官の意見をあおぐ。


「か、過去に前例がないのでなんとも…」

「うーむ…」

「……」

「……」


再びの静寂。

もうどうにでもなれー☆と投げやりな気持ちになりつつあった俺は、

何も口を挟まずに状況を静観した。


そんな中、ひとりの若い神官が手を挙げた。

「発言よろしいでしょうか」


「……うむ。話してみよ」


「まず、アリル様でさえわからないスキルというのは、

神の下僕たる我々としては無視して良い問題ではないと思います。

彼については継続的な観察が必要になる、とわたしは考えます。」

「うむ」


お??いいこと言うじゃん。

もっと言ってやれ若いにいちゃん!


「そしてそれとは別に

現状最大の問題は、このスキルが悪しきものか善きものか、

それすらもわからない、ということです。」


ん?


「もしかしたら、この者が魔王になり

神すらも脅かす存在になることもあるかもしれません」


え?魔王?

いやいやいやいや!ならないならない!

え?!なにこの流れ!?


「なるほど……それはたしかに」

今度はさっきと別の神官がしゃしゃり出る。


「過去に今回と同様に、前例のないスキルを発現させた者がおりました。

そのスキル名は「一新更始」。

その者は人の世を全て一新させるべく、

後に魔王となり、人の身を捨てました。

……もしかしたらこの者も、同じ道を辿るかもしれません」


【ジャキッ……】

何か不穏な音が…あれ?

神官たち一斉に魔法杖を俺に向け始めてない?

気のせい?あ、よかったー気のせいかーーーいややっぱ気のせいじゃないよイヤアアアアアアア!


最初の若い神官が、主導権を奪うように切り込む。

「ただもちろん!

善いものである可能性もあります!


現在の勇者のスキルがまさしくその例です。

スキル「恒久不変」も前例のないスキルでした!」


キャアア!体が動かない!?

これが魔法!?父さん僕は今あこがれの王都に来て、生まれて初めて魔法を見ました!!


「もしも彼が第二の勇者であるならば

ここで彼を手放すのは王国にとって利益を逃すようなもの。

万が一他所の国に行かれたとあっては、それはもはや明確な損失です!」


「うむ」


「以上を踏まえて、一旦は我々の庇護下に置き、

経過を観察するべきだと思うのですが、

いかがでしょうか。」





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