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第15話 カウンター #2

・・・

・・


念話が神官に繋がるまで待つこと数分…。


「うん!今度こそ大丈夫!」

「……ほんとだな?」

「ほんとほんと」


……半信半疑でそーっと頭に言葉を浮かべる。

(も、もしもーし。タケシですー…

わたしの声きこえますかー?)


【PiPiPi】

おっ!あの音が鳴った!


(タケシくん!聞こえてるよ!そっちはどうだい??)


よっしゃ成功だ!

アリアと目を合わせて一つ頷くと、

俺はこれからしようとしている作戦の内容を伝えた。


(司令官っぽい敵をアリアが倒しました。

今は上から見下ろせる場所にいます。)


(!!!!しょ、召喚士を倒したのかい!?)


(えぇ。アリア、様が頑張ってくれました)


(よ、よかった……本当に良かった……)

えらい感極まった様子である。

下の方は相当大変だったようだ。


(それでですけど。いま上から地上を見ているのですが、

煙が綺麗さっぱりなくなって見えています。


敵の位置も味方の位置もはっきり見えてる状況です)


(煙がなくなっている…?

しかし煙は未だに見えて……はっ!そうか!

この煙は【観測雲:オブザーブ・エフェクト】かっ!道理でね!)


いや知らんしどうでもいいし。

それはともかく…


(上からだと戦況がよくわかるので、

指示を出したいです。よろしいですか?)


(!うん!もちろんだよ!)



それから、敵の掃討作戦が始まった。


上から確認できた悪魔の数は38体。

悪魔は広い教会に散り散りになって召喚されていた。


入口の方に集まっていた一般人の中に、

スカウトされたもの達が数人ほどいたらしい。

そいつらにも戦闘要員として加わってもらう。


なので、こちら側の戦力は

若い神官、俺を制裁する予定だったマッチョ2人、スカウトされた人、

合計10人で悪魔の討伐を行ってもらった。





「アリア」

「はいはい」


【PiPiPi】

(【コードネーム:蒲焼き太郎】

12時の方角の7m先に悪魔がいます。


真反対にいる【コードネーム:焼肉太郎】が

これから攻撃するので、

その隙に後ろから攻撃してください)


(はい!)



「アリア」

「はいはい」


【PiPiPi】

(【コードネーム:筋肉太郎A】

悪魔が2人近づいてきてます。

一般人を西の方角に移動させてください。

【コードネーム:筋肉太郎B】と一般人の集団を

2つに分けて、Bの方は北東に進んでください)


(ウホゥ!)

(ウホゥ!)



「アリア」

「はいはーい」


【PiPiPi】

(【コードネーム:ムッツリスケベ太郎】

悪魔が3人正面から向かってきています。

1人、隊から若干外れている奴がいるので

そいつを切りつけて、ヘイトを稼いでください。)


(りょ、了解!ところでそのコードネーム

何とかならないのかな?!)


(なりません)


ムッツリスケベ太郎(神官)の不満を

適当にあしらいながら、指示を続ける。


指示を出しては念波を切り替え、

指示を出しては念波を切り替えてを延々と繰り返す。


「……うむ。意外となんとかなるもんだな」


順調に数が減っている。残るは8体のみとなった。


「そうだね。

召喚されたのがイマチュアデビルだった、

っていうのが大きいかも」


イマチュアデビル。

エルダーデビルよりは下位の悪魔らしく、

比較的戦いやすい相手なのだそうだ。

しかし数が数なので脅威に変わりはない。


「このまま順調に終わればいいんだけどな」


「……なんか妙に大人しいのが気になるのよね」


「そうだなぁ…」


そうなのだ。敵が妙に大人しいのだ。

戦闘が始まればそれはもう苛烈に攻撃してくるが

エンカウントするまでのこいつらは、異様なほどに静かなのだ。



(ずっと、何かを探してるみたいな動きしてる)

オリビアが念話で参加してくる。


同意するように俺は頷いた。

オリビアの言う通り、こいつらはずっと

地面を這いずるようにして何かをしきりに探しているのだ。


「意図がわからないから不気味で仕方がないな…。

警戒していこう」


「うん」

(うん)



———警戒。

俺たちに一切油断はなかった。

むしろ意図がわからない分、十二分に警戒していた。


しかし、とある"見落とし"をしていることに

俺たちはその時まで全く気づいていなかった。


そしてその見落としは

すぐに結果となって現れる。


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