表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は多重人格でした  作者: 石川リョク
4/6

湧き上がる黒いもの

(「僕は“僕”の秘密を知らない」の中編です。)

毎日投稿目指して頑張ります。

次の日、学校へ行くと悠介が僕のところにやってきた。

「おはようっ!」

「おはよう」

「なぁ、聞いてくれよ」

「ん?」

「昨日さぁ、俺告白されちゃった」

「おー、よかったじゃん」

「まさかの、宮崎さんからだぞ!」

「そっか...」

「それでさ...付き合うことになりました!」

「あ、おめでとう...」

「ありがとう!いやぁ、まさかこんな短期間に3人から告白されるなんて...あっ」

悠介がとっさに両手で口を塞いだ。

「えっ?」

「いや、今のはなんでもない」

「なんでもなかったことにはできないな」

「そうかぁ......。実はさ、先週にも違う2人から告白されたんだ。それで俺どっちにもok出したんだよね」

「はっ!?」

「しっ、声でかいな。つまり...今3股中」

悠介はニヤニヤしている。

「3股...何考えてんだよ!」

「えっ?バレなきゃ問題ないって、どうせなら沢山いい思いしたいじゃん?ちょうど良くね」

僕は爆発寸前だった。心の底から黒いものが湧き出してくる感じがする。この感覚、以前にも...

その時チャイムが鳴った。

「おっと、もう授業か。じゃあな!」

悠介のその言葉を最後に僕の意識はなくなった。




気づいた時、僕は自分の部屋のベッドで寝ていた。


えっ...どういうことだ...何があった?


僕は制服のまま寝ていた。部屋のドアの前にはいつも通りカバンが置いてあった。

机の上を見ると、僕のスマホと筆記用具が出ていた。

部屋を出てリビングへ行くと父さんが夕飯の準備をしていた。

「おう、優、起きたのか。よく寝れたか?」

「うん...。ねぇ、学校から帰ってきた時、僕いつも通りだった?」

「ん?いつも通りだったと思うが、どうかしたか?」

「記憶が無いんだ。朝、悠介と話して以来今起きるまでの記憶がない。」

「えっ...、なんだって...?」

玉ねぎを切る父さんの手が止まった。

「全く覚えてないんだ」

「それは、別の人格が出てたってことか?」

「わからない」

「友達に聞いてみろ、なんかおかしくなかったかって」

「わかった」

急いで部屋に戻ると悠介にメールを送った。直ぐに返事が返ってきた。「朝はすげぇ俺のこと睨んでたけど、昼には普通に戻ってたよ」と返事がきた。つまり、僕はやっぱり違う“僕”になっていたのかもしれない。直ぐにこのことを父さんに報告した。

「何か、別の人格についてわかってることはないのか?」

「あ!そういえば、こないだ1人の人格が僕宛にメッセージを残してた。」

そして、容量泥棒からのメモを父さんに見せた。

「こんなことがあったのか、なぜ早く言わない!」

「忘れてたんだよっ」

「他は?後2人いるはずだ」

「僕の推測では、今日の記憶が無かった時の人格が1人、あと1人はテスト中に現れる“僕”じゃないかな?」

「テスト中に現れる?」

「いつもテストの時の記憶が無いんだ。頭が真っ白になるからだと思ってたけど、もしかしたらもう1人のせいかもしれない」

「なるほど...。だが、それらがバラバラの人格だと断定はできない。証拠がない」

「うん...」

どうしたらいいのだろうか...

僕はパニックになって両手で頭をぐしゃぐしゃっとした。

「優、落ち着け、大丈夫だ。もうすぐ装置は完成する。」

「装置...?」

「あぁ、人格を別の肉体に分離して破壊する方法を見つけた」

「えっ、なんか怖い...」

「大丈夫だ。よしっ、飯にするぞ。準備しろ」



僕は食べ終えると自分の部屋へ戻った。明後日から期末テストだし、復習するか。勉強机に座って、本棚から参考書を取り出した。

そういえば、去年やった問題も出るんだったっけ?

そう思って去年使ってた教科書を取り出した。すると、本と本の間に挟まっている見覚えのないノートを見つけた。


「ん?なんだこれ?」


表紙には何も書かれていない。なんとなく表紙をめくってみた。するとそこには目を疑うような言葉が書かれていた。


題目『悠介暗殺計画』


なんだよ...これ...

あまりの恐怖に僕の両手は震えていた。


読んでいただきありがとうございました。


ご意見・ご感想をいただけると、投稿の励みになるので、送っていただけると嬉しいです。


毎日投稿頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ