Record#1
「ようやく、実験の第一段階がスタートしましたね。おめでとうございます、主任」
「あぁ、そうだねぇ。紅金の中の彼女、ようやく目覚をましたみたいだしねぇ。色々と、これからが大事だ」
東京都に本部を置く防衛省直轄の研究機関、先進技術開発局。その一室に、中年を過ぎた恰幅のいい男性と、やせ細った初老の男性がいた。
二人の目の前にあるディスプレイには、呉仮駐屯地から送られた紅金の稼働データが映し出されている。
「しかし、覚醒の条件は何なのでしょうか。他に生産した機体のOSにも採用していますが、あちらには発現しませんでしたし……」
「ふぉっふぉっふぉっ、そう焦るでない。その条件も含めて、これから分析してゆくのじゃよ」
「ははは、それもそうですね」
初老の男性に言われて、恰幅のいい男性は形式的な笑い声を上げる。
まだまだ、これではまだデータが足りない。例の実験部隊には、これからどんどんデータを採ってもらわなければならない。
より過酷で、苛烈なものを用意してやらなければ。
「はてさて。人の思考とやらを、数値化し、模倣する事が、本当にできるのかのぅ。今からが楽しみでたまらんわぃ」
研究室の一室に、初老の男性の不気味な声が木霊した。
初めましての方は初めまして、お久しぶりのお方はお久しぶりです。転職してから更に執筆時間が激減してます、蒼崎れいです。再掲載の時期をうかがってたらこんな時期になってしまいました。というわけで、戦甲のヴェルメリア、前回掲載分の再掲載終了です。3歳の頃に初代ガンダムを見て育った人間が趣味と趣味と趣味を詰め込んだ代物ですが、面白いと思ってくれる人が居たら嬉しい今日この頃。
さて、前回掲載分は終了したわけですが、まあこれより先の展開も色々と妄想しているわけでありまして、読みたい人がいるんだったらもうちょこっとだけちまちま書いていこうかなーと思っています。せめて紅金と白銀、どちらが次期主力人型戦闘機甲に選定され、量産されるのか……。くらいまではけっこう煮詰めてあったりするんですが、まあ時間との兼ね合いですな。
さて、次に休日が休日になる日はいつかな…………。




