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VALENZ TAXI  作者: 孤独
転職編
99/100

人生を選んでいける生活をしていきたい


「どうかな?サイコーだよ!」


なんて、1人受け答えをしちゃう美癒ぴー。等身大の鏡で自分をチェックして褒めた讃えて、いざ出発。スキップでもしそうなくらい、羽が生えたような幸せな笑顔であった。

これから日野っちと一緒に、家電や家具の衝動買い。さらに翌日はようやく、美癒ぴーの新居への引越しが始まるのである。


「元気良いわね。ただのデートから交際の買い物にグレードアップして」

「思い出すねぇ。若い頃、母さんと一緒に都会を歩いたよね」

「では、私達も行きましょうか。娘達がどうにも重なってるの」

「え?」

「お財布をお持ちなさい。丁度、新しい冷蔵庫が欲しいと思っていたの」

「思い出すなぁー。相当、お金。使っちゃったことを」



2時間遅れで美癒ぴーの両親もお買い物へ。



◇      ◇



ブロロロロロロ


「この車は?」

「レンタカーだ」


待ち合わせして、ちょっと離れたところのショッピングモールに向かう日野っちと美癒ぴー。

カタログ片手に美癒ぴーは尋ねる。



「冷蔵庫と電子レンジ、洗濯機、コンロ、テレビ、給湯ポッド、戸棚、テーブル、椅子、炊飯器ー、あとベット」

「意外と値が張るんだよな」

「え?無理とか?」

「そーんなことはねぇーよ。俺達に合うのであれば構わないよ」


生活に必要な物。一から準備していくと、かなりの予算となる。家を得るというのは、場所だけの問題ではない。1人暮らしでも溜めてきた貯金を崩して、重要な生活用品の購入をする。


「やっぱり、冷蔵庫から行こうかな」

「そうして欲しいな。俺の家からの冷蔵庫は1人暮らし用だから、小さいんだよな。幅とる物から置いていく方が、部屋を作りやすいし」


ショッピングモールに着いたら、普段は行かない家電製品のコーナーへと足を運ぶ2人。上がってみれば、そこそこいる自分達と同じようなカップルというか、若夫婦のような人達。

あとわずかにいる、新生活を始めた感じの学生達か新社会人か……。


「ファミリー用の大型にしたいな」

「だよね!」

「冷蔵庫はあんまり壊れるもんじゃないが、壊れたら食えなくなる。食品は常に入れておくべきだし……。1人暮らしだと、その日と次の日ぐらいの分があれば、なんともねぇけど」

「そういえば、電気の遣り繰りも気をつけた方が良いかな?」


冷蔵庫は特に常に稼働している電化製品。そこに電子レンジ、洗濯機、炊飯器、冷蔵や暖房などなど。一気に電気を使えば、ブレーカーが落ちることもある。


「そーいう時はアンペア数を上げればいいさ。ちょっと電気料金上がるけど」


同時に使わないという気持ちがあれば(作者や日野っちはそうだけど)、少ない電気で十分生活ができますが、家族という団体ならば電気料金をケチるのには勇気がいるでしょう。

アパートやマンションを選んだ時、電気、水道、ガスの話はよく聞いた方が良いでしょう。


「コンロにも規格があるんだよね」

「都市ガスとプロパンガスな。あれ、間違えると悲惨だからな。新居は都市ガスだぞ」

「使えないんだって?友達から聞いたよ」

「そーそー。って、まだ冷蔵庫決めてないぞ」

「次はコンロだよ」


家電製品はただ選べば良いというわけでもありません。簡単なトラップとして、ガスコンロです。都市ガスとプロパンガスを間違えると、ホントに買い直しです。

冷蔵庫も大事ですが、火を使えないとインスタントラーメンや湯煎でできるパスタもできやしない。料理の要である。



「これがいいんじゃない!私の家のと似てる奴」

「ははは、まー。どうしたって実家と似たようなのを揃えちゃうよな?冷蔵庫くらいはそうしたいか」


どうしてか、実家と似た物を選んでしまう。その方が扱いが早く覚えそうなのは事実か。


「オール電化の家にしたいなぁー」

「未来言うな、未来。きっとしてみせるから」

「ふふ、期待してるよー」


冷蔵庫とコンロを一通り見たり、店員から話を聞いて。良さそうというより、良いもんだと思って購入する。時折、夢っていう今の現実を話すのが楽しくて幸せで。


「次は、食器やフライパンを観に行くか?」

「ううん。洗濯機でしょ!隣のコーナーだし」


今は洗濯機と乾燥機の一体型が売られているが、貧乏人にはただの洗濯機。あるいはコインランドリーが。乾燥機なんて早々買えるものではない。日野っちの家にはない。

曇っていたり、雨が降っていたら、服は乾かないけれど。日本の持つ四季、春、夏、秋だったら、外干しで大体乾いてしまう。乾燥機という便利だけれど、限られた便利というのは手を出しにくい。


「洗濯機だけでいいよな?サイズもあるからよ」

「えー?ドラム式でしょ?」

「待て待て!予算はあるが、落ち着け!」

「スペースとらないよ!」

「あー……」


そういえば、美癒ぴーの父親が言っていたっけ?女性と男性の衣類を分けて洗濯するとか。綺麗好きだしなぁ。ここで絞ったら、……いやしかし。乾燥機いるか?1人暮らしを続けていた俺が思ってしまう、妙な時代の保留。


「料理は大好き!でも、洗濯や掃除は私にとって、大切な日常なの!……あ、掃除機も欲しくなった!」

「……可愛い顔して頼まれたら、ドラム式にするか」

「ホント!掃除機もだよね!」

「ははは。ちょっと、美癒ぴーの怖いとこも見れた」

「怖いって……。そー?」


馬鹿馬鹿。俺は美癒ぴーと暮らすんだよ。まったく。一緒に生活すらしてないのに、そーいう良くも悪くもってところを覗いてしまった。


「日野っちは要望ない?」

「ん?家事、任せちゃうのにか?」

「そこは分担でしょ!皿洗いと洗濯、トイレ掃除はして!」

「ははは、分かってるよ。そうだな、俺は戸棚を選びたいな」

「戸棚を?」

「料理はそーしねぇから。フライパンは取り付けられてる棚に入れるとして、食器やインスタントラーメン、ゴミ袋、サランラップとか。……△コーナーとかゴミ箱。トイレットペーパーも多めに……。小物関係は俺が選んで買っておくよ」

「……言われて見れば、必要な物を」

「はははは、さては買い物。料理関係ばっかだったな。後始末は意外と苦手とか?」

「そんなわけないじゃん。家電ばっか、考えていただけ」



生活してみると、足りない物がいくつも出てくる。一度始めると、買い物は終わりが見えなくなってくる。


「それは美癒ぴーが働いていたり、学校に行っている時に、俺が買い物に行くよ」

「……ありがと、お気遣い。で、どんな戸棚を選ぶの?」

「一番長持ちする家具だろうからな。捨てるのも億劫だった。余るぐらい大きいものを一つ。菓子置き場も作りたいし」

「食べたゴミはちゃんと捨てるんだよ」

「へーいへい」



そんなこんなで。半日で、冷蔵庫、洗濯機、コンロ、戸棚、テーブルを始め。生活に必要な家具を購入し、運んでいく日野っち達。有料サービスで運送から設営までこなしてくれる事もある。

夕方まで、新居に家具を運び入れる2人。

広かったリビングも、冷蔵庫やテーブル、戸棚を置けば、ちょっとだけ狭くも見えた。レイアウトの選びは随分と悩んで相談した。美癒ぴーには初めてだし、日野っちだって相談しながらの設置は初めてで、それが望んでいた家庭だって良く味わえた。



「壁にくっつけようよ!」

「中央でもいいだろ」


テーブルの位置は結構もめたが、美癒ぴーの言葉に折れて、壁にくっつける形に。通路を広くしたいという、部屋を選んだ理由がそれに繫がった。

日が沈みかける夕方。

疲れが見えていたが、なんのそので。大まかな内部が決まりかけ、次は細かい道具の買い物と



「夕飯も作るよ。家から調理器具を持ってきてるし」

「ついでに色んな小物を買ってくるか」

「テーブルクロスも欲しいなぁ」

「いっぱい欲しがるな。善は急げだもんな。メモしとく」

「夕飯は何が良い?」


その言葉。1人暮らしじゃ、『どの店にするか』だったなって。一瞬、オリジン弁当なんて言いそうになったが。


「ラーメンが食べたい。チャーシュー沢山乗ってる奴」

「夕飯なのに!?新居で初めての料理がチャーシュー麺!?」

「ははは、俺のわがまま。それと炒飯と餃子」

「食べるねー。お米はないから、インスタントのを買って来てくるよ」

「それでいいさ。美癒ぴー、翌日になるけど。買って欲しい物があれば、俺がまたいくぞ」

「ありがと。買い物しながら考えるよ」


また一緒に車でお出かけ。今度は近くのスーパーまで。レンタカーを一日中借りる契約にしていたから、買い物を積極的に行ないたかった。


「やっぱり車は買うべきだな」

「だね。ちょっと、ここ遠いもん」

「いや、美癒ぴーが沢山買い物するもんな。予想以上だったよ」

「むー……初めてだったからだよ」

「はははは。そーいう好きはいいんだよ」


想像を超えているってのを、今楽しんでいる。


「じゃあ、俺は2階の雑貨コーナーに」

「私は食材買ってくるね。駐車場で待っててね」


2人一緒に買い物するのが通常だが、時間も体力もなく、効率よく分かれて買い物ができる。


「んー……こんなのに悩むとは」


1人でテーブルクロスを買おうとした時、普段からそんなに気にしなかったデザインを見てしまった。まともな色合いをした物と考えていたら、女性っぽい花柄ばっかり目をやっていた。サイズに合うもんを


「やっぱ、オーダーメイドにするか」


自分でも言っていたが、戸棚やテーブルといった類いは早々買い替えないだろう。よほどの欠陥ができない限りは買う気にならない。日野っちだからかもしれんけれど、まずないはずだ。

だったら、今。もうちょっと頭使って、より良くした物にすべきか。



「夕飯、汁物を選んだのはミスか」



日野っちは重要な消耗品と言える物ばかりを購入。テーブルクロスは忘れた、とかで誤魔化して後回し。スポンジ、洗剤、お皿、箸、ゴミ袋、シャンプーなどなど。自分が思いつく限り、カゴの中に入れていく。今日は人生で一番お金を使っていると自覚するように、カゴの中は商品で埋めつくされていた。



「チャーシュー麺に炒飯、餃子……」



こーゆう男性が好みそうな料理を作った経験は少ない。

家庭的に分かりやすいシチューやおでん、煮魚、てんぷら、コロッケ、とん汁、パスタ、サラダなどなど。夕飯向けの料理の方が慣れているから良かったが


「日野っちの我侭だもんね。期待に応えなきゃ」


こーいうところを好きになってもらえている。だから、美味しいのを作ってあげたい。

1人暮らしでテキトーに食べていたんだろうから、健康面も考えてあげなくちゃ。

こーいう買い物は初めてで、とっても嬉しかった。会社でも作ってあげてたし、お弁当だって作ってあげてたけど。私の家庭料理の出来立てはいいよって、もっと思ってあげよう。


「中華麺に、市販のスープで代用しちゃおっか」


でも、チャーシュー麺でやれは……難度高いなぁ(スープを一から作るわけにはいかないし)。炒飯で頑張ろう。こーいう節約できる調理術も披露しないとね。



お互いに悩んだ時間があって、集合場所には意外と差がなく出会った。もう陽が沈み、お腹も空いてきている。


「いつもならパーッと店に入ってたんだけど」

「たまには良いけど、今日はダメだよ」

「お互いにいっぱい買ったな」

「うん。たーくさん買った。たぶん、初めてで最後かもってくらいに」

「領収書はくれ。払うから」

「別にいいよ。まだ、味見もしてないのに」

「美癒ぴーの料理に外れはないよ」

「わかんないよー。料理も運転も……いや、全部!気の緩み、慢心が失敗を招くんだから」

「単純な疲れでもな」



アパートの駐車場に停め、2人で一緒になって家に運び込む。階段昇りなんてしてない美癒ぴーの息が切れてて、一回だけで済ませてあげる日野っち。買い物で疲れてすぐに料理を作る。今はちょっと気を吐いてやっているけど、いつまでできるか。美癒ぴー、情けなく思ってしまうし、男の日野っちがちょっと羨ましく思える。


「俺、車を駐車場に戻すから。先、休んでていいぞ」


まだアパートの前の駐車場は契約していないため、24時間やっている駐車場に運ぶ手間。


「う、うん。ちょーっと、帰ってきた頃にはできないかも」

「それでもいいよ。疲れてるもんな」



ちょっと小休憩。しかし、水を入れた2つの鍋はしっかりと温め中。

そういえばとテレビがまだないと気付く。暇潰しに読んでいた料理雑誌もない。色々足りないやって、こーいうとこで気付く。

買ってきた牛乳も飲んで、元気も戻ってきた。


包丁とまな板をまだまっさらなテーブルの上に置いて、買って来た食材の数々を丁寧かつ素早く切る。初めての調理場であるが、普段からやっていけばすぐに体はなれていく。


「あ、色々と道具並べてないや。お玉が袋の中だ」


買って来たばかりの物が、まだ封を切られてない状態。新鮮過ぎる状況でちょっと感覚がズレる。物の配置はちゃんと考えないとって、強く思った調理時間。

足りない事って、ホントに多いと実感。

逆に足りてしまったら、何があるとやら。まだそこに2人が着くのはかなり先のこと。



ガチャァッ



「ただいま」

「おかえりー。あと10分くらい待って!」

「なら風呂でも用意するよ」

「うん!やっておいて!」


『ただいま』と『おかえり』がセットになっている会話に、そこで夕飯まで作ってくれる人。風呂の手間なんて時間潰しと思えるのは、幸せな事であった。1人暮らしでは長く続かないこと。ただただ、食う物だけ食って、匂うから風呂入る必要あるわ。

って、時間がなきゃやっていないことだ。家庭的な事に嫌気を感じたことを、ありがたく思えるってのが家庭なんだろう。自分が、随分と前に失った物はこうして。



「おまちー!」

「ラーメンの店主か?」

「それっぽく。ご注文のチャーシュー麺と炒飯!それから、餃子を今から焼くから待ってて」

「先に食べていいのか?」

「冷めちゃう、伸びちゃう!私は炒飯と餃子だけで十分だから」


一人前のチャーシュー麺って、面倒だったろうって。自分の我侭を悪く感じてしまった。

それにコーンにメンマに、刻み葱、海苔。自分が作ろうとしたらこんなにおかずは彩らない。面倒だとか、腹が満ちればいいやのラーメンになっている。隣に置いてくれる炒飯も具沢山で、食べやすく小さくて綺麗に切られている。ホントに最高な、おいしそうな夕飯だ。

会社の調理場とさほど変わらない広さであるが、まだこの場所に慣れていないところも少しぎこちなさが見える。チャーシュー麺をいただきながら、調理している美癒ぴーの背を見とれてしまう。味覚が美味しい叫んだ感激でもなかった。



汗が流れたな。熱いせいか。



「ウマッ」

「そうでしょー。言ってくれると、嬉しいし。遣り甲斐あるよー」


ちょっと、目を拭いた。餃子を焼いて出されたとき、向かい合って座り合った。タレを小皿にかけてから


「いただきます。……って、ちゃんと挨拶した?」

「え?」

「黙って食べるのダメ!何気ないけど、『いただきます』と『ごちそうさま』は言おうね!」

「ははは、これは随分と。躾されるわけか」

「うん!」


ホントに何気なくて、意味も分からないまじないだろ。でも、そっか。

無粋で暗い顔して、挨拶はできないし。する自分にもらってくれる相手がいるから。大切なのかもな。



「美味しー。あっ、デザートのシュークリームを買って来てあるから」

「そこまでか」

「そーいうのが家庭じゃない?」

「そうか……」


そうなのか。……そーなのか。


「え?」


その時、日野っちの左目から汗じゃない確かなものが


「泣いてる?」

「!ちげっ!別に憧れてたとか、じゃなく。良かったって!」


必死に左目を抑えていたけれど、認めちゃってるよ。


「嬉し泣き!俺がずーっと、知らなくて、憧れた家庭になるって。嬉しくて!そんだけ!大切にしなきゃいけねぇーもん」

「……堪えなくてもいいじゃん」

「ワンワン泣けるか!だいたい、これ汗だ!」

「そーしておくね」


チャーシュー麺も、炒飯も、餃子も、一つ一つ。噛み締めた美味は大切であったけれど、それだけじゃなかったんだな。学ぶ事、知る事。俺の方が多いかもな。


「まだまだ買ってくる物が多いな」

「そうだね。テーブルクロス敷いてないところでご飯にするのは、ちょっと」

「2,3日我慢してくれよ。ホントにそれだけで」


広く感じるこの部屋も大分狭まってきた気がした。この部屋を選んでホントに良かったと、美癒ぴーは思っていた。日野っちが学ぶように美癒ぴーも同じだった。


「自分の部屋も装飾しなきゃなー。楽しみー」

「自分の部屋を手にするとワクワクするよ」

「ホントだよね!自由って言葉を、分かりやすくしたのが自分の部屋だもんね」


女というより、女子の顔が随分とトキメキを与えてくれる。よっぽど、俺もそうだけど嬉しいんだよな。これは大事なもんだよって、俺が俺自身に言い聞かせた。



「……お風呂入ったら、帰るね。まだベットないし」

「み、美癒ぴー」

「な、なに!」


まだ会う機会はいくらでもある。一緒に住むのだから言う事はいくらでもある。でも、コレだけは早く伝えた方が良い。そーいう状況はあるものだ。


「俺から言いたい事があったんだ」

「え?」


まさか、この日にいきなりなんて?

ちょっと。少しだけ


「ずっと前からだったんだけど。とっても俺達にとって大事な話で」

「う、うん!覚悟してる」


日野っち。それは……顔を赤くして聞いていいのかな?先ほど、汗をただ拭いたいだけで、お風呂に行きたいと言ってしまったが。まさか……


「俺」


ズルイよ、日野っちが真剣な表情でこっち向いているなんて。


「『VALENZ TAXI』を辞めて、転職するんだ」

「そうですか!一緒に入るんです!……って」

「え?」

「え?」


とても真剣な顔はホントに真剣なこと。そして、赤くした顔はホントに赤くしていたこと。

だから、初めてこの家の空気が微妙になってしまった。


「て、て、転職……?今、言うの?マジ?」

「ああ、タクシー運転手を辞めるぞ」


まさかの日野っちの転職を今、美癒ぴーは知ったのであった。

夕飯中にこんな大事な話をすると、別の意味で食欲が止まることを知らない日野っちがズルイ。




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