地下帝国「地球」
「いらっしゃーい。」
…。
…ピエロ。
ピエロ。まさかのピエロ。
戸惑いが隠せない私は思わずサトシを見る。
「サオリどーした?(笑)」
「いや、ピエロ…。」
「(笑)俺もう1人呼んでくるよ。」
そう言ってサトシは行ってしまった。
どうしよう。ピエロとの触れ合い方なんて知らない…
「よろしく!(笑)」
うわ。
ピエロから話しかけてくれた。
「あ、ピエロ喋るんだ…(笑)素顔は?」
「素顔はね。Peace防衛軍にしか見せられない。」
「Peace防衛軍?」
「Peace防衛軍っていうのはね…あ。」
「ん?」
「おっ君がサオリちゃん。」
振り返ると大人っぽい男の子がいた。
「僕はね。シンイチだよ。ナカジンって呼んで!LOVE自己紹介した?してないでしょ(笑)」
「どうせまたピエロ呼ばわりのままだろ(笑)」
「そうでした(笑)LOVEですよろしく。」
メンバーが全員揃ったみたいだ。
この3人がPeace防衛軍なのだろうか。
疑問をぶつけてみる。
「Peace防衛軍って…?」
すぐさま反応してくれたのはナカジンだ。
きっとリーダー気質の人なんだろう。
「そう!ここはね、」
それを遮るサトシ。
「僕らの地球、なんだよ!オトナは進入禁止☆」
「あーサトシおいしいとことった(笑)」
「いーじゃん!(笑)」
「まあまあ。いいよLOVE、サトシのこれはいつものことじゃん(笑)この僕らの地球の住民が、Peace防衛軍。」
「普通も常識も存在しない、俺らだけの地下帝国!」
「僕らにできないことなんかないんだよん。」
面白いな。
男の子達の会話って。
テンポが早くて、誰が話しているのかもわからない。
私も混ざりたい。
こんな風に楽しく。
…Peace防衛軍になりたい。
するとそんな私の心を察したかのように
サトシが急に真剣な顔をして、私を見つめながら言った。
「ーーーあのさ。」