僕らはそこへ向かう
「眠れないな。」
夜中2時。
今日も私は眠れない。
「受験疲れ…かな。ストレス?」
私は中学3年生だから受験生だ。
この頃毎日こうだ。
疲れているのに眠れない。
「眠れない夜…」
音楽に浸りながら部屋で1人で呟く。
ーーーコンコン
「お母さん?」
どうしてこんな時間に。
ノックされた扉を開ける。
「…あれ?」
いない。
確かに誰かはいたはずだ。
ーーーコンコン
「誰…あ、風の音?窓かな。」
最近星眺めてないな。
そんなことを思いながら
カーテンを開けた。
…目が合った。
…目が?
…目が合った…!?
窓の外に人がいる!
「こんにちわんだーらんど♡」
そう言って現れたのは
同い年くらいだけど
幼い顔の男の子。
身につけているものは…
おしゃれな古着、ピエロ風。
なんだこの人は。
というか空飛んでるよ?
そもそも人なのか?
「誰?待って、夜中(笑)こんにちは?(笑)」
「あはは(笑)眠れない?」
「いつも。疲れてて眠れない。」
「疲れてるのに眠れないなんて(笑)じゃあさ、」
「うん。」
「夢を見よう。朝が来るまで。」
…なんだこの人は。
眠れないんだってば(笑)
それなのに夢を見る?
「どういうこと?」
「まあまあ。それじゃ」
「え?ちょっと、」
尋ね終わる前に彼はこう言った。
「このあと秘密基地で。」
気づけば私は他の場所にいた。
夜中だったはずなのに
今、周りは何故か昼のように明るい。
知らない場所。
見たこともない場所。
「都会的なのに人はいないんだ。」
さっきの男の子もいない…
そういえば名前を知らない。
なんて呼んだらいいだろうか。
「わんだーさん…でいっか(笑)」
彼の「こんにちわんだーらんど」が
頭にこびりついている。
夜中2時にはインパクトありすぎだ。
そこからとって勝手に名前をつけた。
とりあえず少し歩いてみよう。
1人で知らない場所は怖いけど。
歩いていると1つの看板を見つけた。
「…三日月街?」
変わった名前。
まるでファンタジーだ。
…そういえば
彼は空を飛んでいた。
ファンタジーそのものじゃないか。
「ここはファンタジーの世界かな…?」
「…なわけないか(笑)」
非現実的なことを口にした自分が恥ずかしい。
暗くなってきた街をまた歩き出す。
そこへ
赤パーカーを着た誰かが自転車でやって来た。
フードを深くかぶっていて性別もわからない。
「人、いたんだ…」
話しかけてみよう。
ここはどこなのか。
それが聞きたかった。
「あの、」
思い切って声をかけてみる。
「…。」
立ち止まってくれたものの、相手は無言だ。
「あ、あの」
「…こんにちわんだーらんど♡」
少し間をおいて振り返ったその顔は幼い。
そして2度目に耳にするあの挨拶。
「わんだーさんじゃん(笑)」
「待ってよ、わんだーさんって誰だよ(笑)」
「名前知らないもん。」
「そうだったね(笑)」
「僕はね…サトシだよ。」
「サトシ?」
「そう。君は…」
「サオリだよ。」
「サオリか!年知らないしタメ口でいい?てかいいよね?もうすでにタメだもん(笑)」
「(笑)いいよ。」
サトシは面白い。
もう心を許してしまった自分がいる。
何者なのかもわからないのに。
何者なのかもわからないまま
突然彼に手をとられた。
「え?」
「行こ。」
「どこよ。」
「言ったじゃん。」
「秘密基地。じゃ、着いてきて。」
完全にサトシのペースだ。
でも、いい。
こういうの、好きだ。
疲れも忘れてサトシと歩き出す。
「…飛ばないんだ。徒歩?(笑)」
「なんのことだい?(笑)俺は飛んだりしないよ。」
「嘘だ。飛んでた。私も飛びたーい。」
「サオリには無理だよーん。」
「ひどくなーい?(笑)」
楽しい。
前からサトシを知っているような不思議な感覚だ。
思わず懐かしさを覚えた。
突然書きたい衝動に駆られて、
ストーリーの組み立ても
人物設定も何もしないままに
思いつくままに自由に
一時間くらいで書きなぐった
初めての小説です╭( ・ㅂ・)و
専門の知識もないままに書いたので
もっと良い文章にするために
アドバイスや感想いただけると嬉しいです。
まだ完結にはしないです
次回に向けて何か参考にさせてください!