#13「祝の舞踏で」 〜 #14「伝承の丘」
#13「祝の舞踏で」
王子と白雪姫の成婚の宴が隣国で開かれました。「鏡の女王」が招かれました。
白雪姫は、女王の手を取り、踊りながら、誰にも聴かれないように話しました。
「それは…私の描いた絵のせいで」
4年前「しー」として描いた他愛のない家族の絵。「ちいさき人」はそれを女王が偽物である証拠として、その噂を市中に広めてしまったのです。
女王が入れ替わったという噂、そして一人では行き届かなくなった内政の事、それらが重なり、国は火に包まれていきました。
「白雪、それは違うわ。『眠らない女王』という虚構を作り出し、それに頼ってしまったのがこの国の過ち」
「そしてそれは、あなたから本当の母親を奪い、苦しめてしまった私の罪。」
白雪は静かに首を横に振ります。
「いいえ、今からでも遅くはありません。お継母さまの真実の愛は民にも伝わるはずです。」
「その必要はありません。私は女王の姿を映す鏡でした。今の私に映すものは何もありません。」
「白雪姫様、あなたは賢く、美しく、優しくなりましたね。」
白雪姫は首を横に振りました。
「お継母様は、これからどうなさるのですか。」
鏡の女の目が緩みます。
「これからは、国を想う一人として、少しずつでも皆のために生きたいのです。」
白雪はをの言葉を聞き何も言えなくなりました。
手足に傷を負った鏡の女王の前で、白雪は想うのです。
(一番美しいのは、お継母様、あなたです、私は継母様の娘になれて幸せです。)
#14「伝承の丘」
完璧すぎたお妃様、眠らぬ女王の眠りがすべてを狂わせました。
豊かな連合王国。かつて小国の一つの王城から少し離れた小国王家の墓地。3つの墓が並ぶ。国王の名、王妃の名。そしてもう一つ。「鏡の粉」。
伝承はやがて形を変えていきます。
その名前のない墓標に髪結いと菓子職人、仕立て屋たちは祈りを捧げる。
~りわお~
あとがき
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
物語の終わりに残ったもの、そして白雪姫の心に灯った想いが、読者の皆様にも届きましたら幸いです。
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