第一章【始まりと旅立ちの島】第93話 王級・帝級・神級
魔法騎士団団長室
ラエル:
「その報告は事実なのか?」
「そうか・・・。現物を見て確認しないと信じられんな。」
「今すぐアルフ国に行くぞ。ボルク、ソフィアに伝えろ。明日出航だ!」
疾風のアグエス拠点
リサ:
「見て、この剣、凄いわ。お父様からもらった炎の剣と同じデザインよ。赤と青に光る双剣ね。これで戦いやすくなるわ。」
ラオル:
「リサ、なんで水にしたの?風の方が相性よさそうなのに。」
リサ:
「感覚よ感覚。なんか水がいいかな?って思ったのよ。」
リオ:
「リサのその感覚は正しいよ。火属性の左右に風と光があるんだけど、対面には水と土があるだろ?相反する属性は対面に、親和性が高い属性は左右にあるんだよ。親和性の高い属性はお互いに強調しあって攻撃力を増加させる効果がある。」
ラオル:
「だったらなおさら、親和性の良い、光か風の方が良いんじゃないの?」
リオ:
「中級魔法や上級魔法レベルだとそれでいいんだ。でも王級となると全く逆なんだ。王級魔法は威力も絶大で、他を寄せつけない。親和性があれば影響を受けて王級魔法が減弱化するんだ。これは実証済みだよ。それに反して、相反する属性は王級魔法に影響を与えない。だから、火の王級と水の王級は同時に使える可能性が高いんだよ。」
ラオル:
「可能性って事は、まだ試していないって事だよね。」
リオ:
「まぁ、そうなんだけどね。試せないと言うか、自分の属性以外の系統での王級魔法がまだ使えないんだよね。」
ラオル:
「王級魔法の異種同時使用って出来るの?」
リオ:
「古文書には使用した報告があったよ。異種同時使用は帝級、融合使用が神級って表しているんだ。現在では使える人はいないらしいけどね。」
ラオル:
「古文書って事は、古代人族の?」
リオ:
「まぁそんな感じかな?」
ラオル:
「古代人族って魔力が龍族並みって話しでしょ?」
リオ:
「そうだね。総魔力量としては、8000~12000程度と推定されるから、僕たちの5倍程度かな?」
ラオル:
「5倍って・・・。」
リオ:
「よく考えてみてよ。一般的な成人レベルで総魔力量は500位だよ。僕たちは今、2000を超えている。4倍だよ。何かを掴めば出来るはずだよ。その何かを探す旅って意味合いもあるしね^^。」
「それと、リサは既に王級魔法を5連同時使用ができる。もしかするとだけど、他の属性でも王級がひねり出せたら、帝級にだってなれるはずだよ。」
リサ:
「それなのよね・・・。自分の得意な系統以外の属性魔法って、魔力の消費が半端ないのよ。それに放出量も速度も・・・。」
リオ:
「もしその辺りをクリア出来たら、50階層も突破できるかもしれない。この1年では無理かもだけど、やるだけの事はやって見ようよ。だから、ラオルも別の属性を訓練する方が良いよ。新しい剣、作ってしまおうよ。」
ラオル:
「わかった。どの属性にするか考えておくよ。」




