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第一章【始まりと旅立ちの島】第87話 希望と不安が入り混じる街

1830年8月


あれから半年がたった。アグエスの3名はダンジョンは49階層まで到達していた。枯渇と回復を繰り返し鍛錬した騎士団も、総魔力量を大幅に増加させていた。ダンジョンから得られた回収物の収益は膨大な利益を生み、その資金でリンデの街は拡張されていた。


拡張された場所は、リンデの港から北側にある、低級の森とその東側につながる中級の森をまたがって建築されている。魔法騎士団の建物と隣接する形となっている。魔法騎士団の建物と新しく開発されたリンデ北地区の間に通路が整備され、中級の森を突き抜けた先にある山脈をトンネルで貫き、第2のほこら近くにできた、ダンジョンの入り口へとつながっていた。


大きく整備される通路やリンデ北地区それらの変化から街では噂が流れ始めていた。その噂は海を越え、他の大陸からやってくる冒険者の数も増えだしていた。


騎士団の仕事は日を追う事に忙しくなり、街の警備、犯罪者の粛清、訓練とダンジョン攻略など多岐にわたる。


☆魔法騎士団団長室


ラエル:

「王級レベル800を超えた団員は、半数だな。この半年で素晴らしい成果だ。アグエスの3人には感謝しかない。それに、我々も1800を超える事が出来たな。」


ボルク:

「とは言え、あの3人は更に増加しております。リオは2200 リサは2000 ラオルは1900です。」


ラエル:

「見えない壁はあっという間に超えたが、リオは2000を超えたあたりから増加が鈍化している。攻撃力は上がってはいるが、使用する攻撃魔法はそれほど変化していない。それよりリサだ。お前の妹は化け物か?センスがそうさせているのかもしれないが、あの魔力放出量は、類を見ないレベルだ。」


☆疾風のアグエス拠点


リオ:

「もう、だいぶ噂が広がっているね。」


ラオル:

「あれだけ大々的に街を建築すれば、何かあるって思うのも不思議ではないけど。」


リサ:

「大陸からやってくる商人も冒険者も・・・。どんどん物件を抑えているって話しだよ。」


リオ:

「ここの拠点、早めに決めておいてよかったよ。2年間の家賃先払いで。」


リサ:

「ほんとね、今から契約だと、2倍以上の家賃に跳ね上がっているわ。」


ラオル:

「でも、街の人たちは少し不安もあるみたいだね。物価も相当上がっているし、食料だって不足気味って話だよ。」


リオ:

「ラエル団長が言っていた事が実際に起こり始めているね。急激な物価上昇が、一般家庭に与えるダメージは大きいよ。食料品を買うのだって、高くなるから、お店の料理も、宿代も、何もかもがね。」


ラオル:

「このままじゃ、お金を持っている人だけが得をして、もともとここに居た街の人たちは、苦しいばかりだね。」


リオ:

「こうなったら、ダンジョンの一般開放を早めて物資の供給を増やさないと・・・。」


ラオル:

「でも、稼いでいる人もいるみたいだよ。建築関係や金属加工で土魔術師が引っ張りだこって話だよ。あと、それに伴う労働者の給与も良いらしい。」


リオ:

「それで街の中は人手不足って事なんだね。良し悪しだね。」




☆冒険者ギルド


ゴラリア:

「もう限界ですよ。冒険者の管理、商業に関する管理、物件の管理・・・。他の国の様に分業にしてもらわないと、冒険者ギルドの本来の仕事が出来なくなります。」


ランバルト:

「そうだな。商業者ギルドを創設して、商業と物件の管理を担ってもらおうか。マリア、受付を任す事の出来る人材は何人いてるのか?」


マリア:

「私含めて4名と、補助員が2名在籍していますので。」


ランバルト:

「わかった、マリア、お前は今日から商業ギルドを任す。あと2名連れていけ。」


ゴラリア:

「いきなりですか!」


ランバルト:

「あぁ、いきなりだ。言い出しっぺのゴラリア、お前が商業者ギルドTOP 長だ。よろしく頼む。マリア、お前は副長だ、給料も上がるぞ!」


マリア:

「ふ ふ  副長ですか?給料上がるんですか?やります!」


ゴラリア:

「え・・・え~!場所はどこにするので?」


ランバルト:

「先月完成した、北地区の一番南の角だよ。冒険者ギルドで契約したあの場所だ。通路沿いになるから便利だろ。我々冒険者ギルドもあとでそこに引っ越す事になるから、全部使うなよ。」


リンデの街には、希望と不安が入り混じった活気にあふれていた。

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