第一章【始まりと旅立ちの島】第83話 それぞれの家
冒険者ギルドに2通の手紙が届いた。王宮から届いた手紙は、古代遺跡の探索と、ダンジョンの調査にかかわる機密事項についてであった。
ランバルト:
「なるほど、承知した。」
ゴラリア:
「先日の件ですか?」
ランバルト:
「そうだ。ゴラリア、お前が行け。」
ゴラリア:
「どちらへですか?」
ランバルト:
「古代都市とダンジョンだよ。王宮から正式な同行依頼だ。将来的な運営の為に内容を共有したいのだろう。」
ゴラリア:
「解りました。」
ランバルト:
「もう一通は、騎士団からだな・・・・。ほほー。面白いな。面倒くさいが私も気になる件だ。」
ゴラリア:
「騎士団からの依頼ですか?」
ランバルト:
「そうだ、例の総魔力量の実証実験を行うから、私の魔力総量を感じ取る力を貸せと言う事だ。その礼が、ダンジョンの同行依頼って事だろう。」
ゴラリア:
「さすが王宮と騎士団ですね。うまく利用されそうですね。」
ランバルト:
「あぁ、利用され用じゃないか、こちらにも利がある。と言うかありがたい話だ。」
2月20日 古代遺跡調査のメンバーが発表された。
調査団団長 ラエル・ジャプス(騎士団団長)
歴史研究家 ミハエル・ブリト(古代史研究家)
護衛戦闘員 ミント・リフール(炎の騎士団)
護衛戦闘員 ダニエル・リンク(水の騎士団)
支援魔法士 ソフィア・ランドール(光の騎士団)
随行者 ゴラリア・バンブージュ(冒険者ギルド)
随行者 リオ・ダイアス (遺跡発見者)
随行者 リサ・ダグラス (遺跡発見者)
随行者 ラオル・シグナリオ(遺跡発見者)
古代遺跡の調査は24日に行われる。また、ダンジョンの調査は後日行われる事となった。古代史研究家のミハエル・ブリトの話によると、ドラニス帝国領に存在する古代遺跡の殆どは、混沌の時代に破壊され、残骸が残る程度でしかなく、文献も少ない。この発見は、古代の謎を解くカギとなる可能性もあり、またダンジョンが確認されれば、リンデ島の経済は大いに潤う事となる。
21日の朝
リオは自宅で文献に目を通していた。
アミス・ダイアス(リオの母):
「リオ、手紙が届いているわよ。騎士団の団長さんから。」
リオ:
「今降ります。手紙?古代奇跡の件かな?」
ディオ・ダイアス(リオの父):
「古代遺跡の件って・・?」
リオ:
「あ、今の無し。無しね^^秘密にしないと怒られるから。」
ディオ:
「なんだよそれ。ここだけの話ってことで・・・。」
アミス:
「なになに?なんの話?ここだけの秘密、ママも聞きたいわ^^」
リオは今までのいきさつを丁寧に話し、本題に入った。
リサは父親へ手紙を書いた。感謝祭で行われた剣術大会の事、騎士団の指南役として成人になるまでの2年間、務める事などである。
ラオルの父は、無関心を装いつつも、リオやリサに感謝をし、冒険者ギルドでの支援魔法教官として実務を熟していた。
時は進み、2月24日、いよいよ古代遺跡へ調査に行く日となった。




