第一章【始まりと旅立ちの島】第79話 王の願い
リオ:
「リンデ島にダンジョンが存在します。」
ランバルト:
「なに!それは本当か!リオ!」
リオ:
「はい、ほぼ間違いなく存在します。第2の祠の奥に・・。」
ラエル:
「ランバルト本部長、すこし落ち着いてください。リオ君、第2の祠と言うと、なのバグロバジュが多く生息するあの祠の事で、間違いないですか?」
リオ:
「はい、間違いありません。その祠です。以前に探索を行った時、偶然、と言うか・・あれなんですが、転移魔法に連続で飛ばされ、地下深くの大きな空間に飛ばされました。その時に、古代遺跡を発見しました。」
ランバルト:
「古代遺跡・・・なぜその時に報告をしなかった。」
リオ:
「申し訳ございません。独占するつもりは無かったのですが、古代遺跡が発見された場合、その噂はドラニス帝国中に,あっという間に広がります。そうなれば、各国の有象無象の冒険者が、この小さな島に押し寄せる事になります。そうなった場合の宿場や食事の提供、食材、犯罪などで、街が大きく混乱する恐れがあると考えたからです。」
ラエル:
「リオ君のその判断は、正しい。もしそうなれば、30人程度の騎士団で治安を守るのは難しい。それに、地下迷宮を好む冒険者は、そのレベルも高く、現在の冒険者達の居場所がなるなる恐れもあります。」
ランバルト:
「それはそうですね。他国の冒険者レベルは、同じA級クラスでも桁が違いますから。」
リンデ王 カシュキ:
「ほ~っほっほっ これはめでたいな。そうか、この島にも古代都市があったのか。先代、いやもっと昔から、あると信じられておったが、見つからなかったのじゃよ。リオ君、ありがとう。本当にありがとう。」
ランバルト:
「では、早々に 調査団を結成し、古代都市の保存と、迷宮探索を行わねばなりませんな。」
ラエル:
「ランバルトさん、それは少し待ってください。」
ランバルト:
「それは何故ですか。ダンジョンの管理は冒険者ギルドの仕事です。その権限があるはずです。」
ラエル:
「そうなんですが、先ほどのリオ君の話です。古代都市発見の情報が冒険者ギルドを通じて各国に伝われば、この国の治安を維持できない可能性があります。冒険者ギルドはその責任を負ってくれますか?」
ランバルト:
「・・・しかし・・・。」
リンデ王 カシュキ
「ランバルト本部長、ここは少し黙認してくれぬか。リオ君の懸念した通り、またラエルの話にもあった、未来の懸念についてじゃ。わしはこう思う。その古代遺跡の探索及び調査は、騎士団が全て行う事にする。期限は1年。その期間で騎士団のレベルを確実に向上させ、その後に公開する。こういうのでどうじゃ?」
ランバルト:
「カシュキ様がそうおっしゃるのであれば・・・。」
リンデ王 カシュキ:
「それと、これは私からのお願いでもあるのじゃが、受けてもらえぬだろうか・・・。」




