【始まりの地・旅立ちの島】第7章 魔力量
翌朝、ディオは、冒険者ギルドに呼ばれて出かけて行った。
アミスはリオに、昨日の水属性魔法について話し始めた。
アミス:「リオ、5歳で具現化するのは非常に珍しい事なの。
それなりの体力、精神力、技能がなければ無理な事なの。
リオはなぜかいろいろな物事をよく理解しているし、
あの出来事以来、人が変わったような一面もあるのよ。
あれから魔術書を読んだりしたと思うんだけど、
この5か月何か変わった事してた?」
リオ:「うん。魔導書は隅から隅まで読んだよ。
そのなかであらゆる可能性を考えたんだ。
魔力量についてなんだけど、書にはこう書かれている。
体力、精神量、技能の総合力が総魔力量に関係すると。」
アミス:「そうよ、それが原理なの」
リオ:「うん、だから僕は毎朝、体力をつける為に
裏山に入り運動をした。それに、技能を上げるために
魔法を使った。はじめはすぐ枯渇して意識を失っていたけど、
技能や体力のおかげで、連続使用ができるよう
になってきたんだ。それに、今どのくらい魔力が
残っているか、魔力量や枯渇しているかがわかるように
なって、意識がなくなる完全枯渇に至る前の枯渇状態まで
魔法の練習をして、魔力が回復するまでは、
運動や剣を使った戦闘の練習をしいてたんだ。
あれから5か月、僕は毎日欠かさずそれを行ったんだよ
かあさんにちょっと見てほしいものがあるんだ。」
そういってリオは木剣を構えた。
両手に握られた木剣に少しずつ水がまとい始め、その剣で数メーター先の木をめがけて剣を振る。
”バサッツ ”
大きな木の幹は鋭い刃物で切られ、倒れた。
リオ:「まだあるんだ。かあさんは風かもって言ってたよね。」
木剣に風がまとい、揺らめいている。剣を振ると斬撃が飛ぶ。
リオ:「火も使えるんだけど、木剣じゃ燃えてしまうから」
アミスは声も出なかった。
いま見せた水の斬撃は中級魔法に即するレベルで、冒険者レベルで言うとCもしくはB級になる。5歳でB級はありえない。ありえないレベルだったからだ。
アミス:「リオ?この事は他に誰か知ってる?」
リオ:「いや、だれも知らない。お父さんも」
アミス:「よかったわ。お父さんが帰ってきたら相談しましょう。
そして誰にもこのことを知られない様に気を付けてね。」