第一章【始まりと旅立ちの島】第73話 リサVSラエル 大将戦
マリア:
「1勝1引き分けで迎えた大将戦!優勝するのは疾風のアグエスなのか!それとも、光の騎士団なのか!疾風のアグエス大将はリサ・ダグラス選手、対するは、光の騎士団大将、ラエル・ジャプス選手です!」
ゴラリア:
「この試合はどう考えてもラエル団長に軍配が上がるでしょう。ドラニス帝国騎士団の中で、5本の指に数えられる魔法剣士です。13歳の冒険者で太刀打ちできるとは思えません。」
マリア:
「しかし、先ほどの戦いでは、序列2位のボルク選手が、リオ選手と刺し違えの引き分けになりましたから、何が起こるか解りません!ですよね!みなさ~ん!」
ゴラリア:
「割れんばかりの歓声は、コロシアムを震わせ、熱気に渦に沸き立っております!さぁ、先手を取るのはどちらか!お互い出方を探っております!」
☆数分前
「リサ、負けて当然の相手だから、思いっきり楽しんでくればいいよ」
「ここまで来たら、勝ち負けじゃないよ。楽しんだ者が勝ちなんだ。」
リサ:
「そうね、思いっきり楽しむわ。」
「ラオル!すべて3重!初めから全力で行くわ!」
マリア:
「リサ選手が動いた!一気に距離を詰め、ものすごい勢いでの連打!連打!です”!」
ゴラリア:
「うまいですね、さすが団長です、リサ選手の高速攻撃を全て光魔法で受け止め、まるで荒れ狂う闘牛を右へ左へ受け流しているマタドールの様です!」
ラエル:
「このリサ君は、さすがボルクの妹さんだね。太刀の切り替えしが早いってもんじゃない。それに威力も半端ではないな。」
マリア:
「リサ選手の攻撃なのですが、魔力を纏わせていませんが、どうしてなんでしょうか?」
ゴラリア:
「よく見てください。リサ選手の攻撃を、打撃が入る瞬間だけ、瞬時に魔力が流れています。」
マリア:
「そんな事、出来るんでしょうか?」
ゴラリア:
「普通の魔法剣士なら難しいでしょう。魔力を剣に伝える放出量が少なければできなくもないですが、大量の魔力を剣に伝える為には、すこし時間が掛かります。しかし、リサ選手は打撃の瞬間だけ、魔力を大量に放出し、その他は魔力を使用していませんね。」
ラエル:
「一瞬だけ剣が黒く光る・・。プラズマの省エネ攻撃か・・・。」
マリア:
「ものすごい打撃数です!数が追えません!その速度と威力が少しずつ増しているのか!ラエル選手、じりじりと後退しています!」
ラエル:
「「落雷」」
マリア:
「ラエル選手の落雷攻撃です!リサ選手、頭上よりまともに喰らいました!リサ選手、動きが止まった!しかし、リサ選手、ラエル選手をしっかり睨みつけ、再び攻撃に転じます!」
ゴラリア:
「あの大きさの落雷を直撃すれば、普通なら気を失うか、そうでなくても数秒は動けないはずです。あの装備が雷の攻撃を半減させているんでしょう。」
マリア:
「疾風のアグエス全員が揃って着ている、白銀の装備ですよね。ジオンの鬣ゴラリアの毛皮、裏地にジオンの皮を用いて作られた、マント、手袋、ブーツ。それほど身を守る効果が高いのですね。」
ゴラリア:
「ジオンは光属性の魔獣です。雷に対する耐性のある造りになっており、この戦闘においてはリサ選手有利なのかもしれません!それと、ゴラリアは私で、ゴーリアの毛皮です。似て非なる物です。お間違え無きようお願いいたします。」
ラエル:
「「帰還雷撃」」
マリア:
「大技です!無数の雷が、リサ選手を襲います!まさに力の差を見せつけるかのような圧倒的な攻撃です!リサ選手が雷の光によって確認できません!」




