第一章【始まりと旅立ちの島】第72話 中堅の勝敗
☆疾風のアグエス控室
リオは控室で目を覚ました。
リサ:
「気が付いた?リオ」
リオ:
「あぁ・・・どうなった? あ?どうなった!負けた?」
リサ:
「あと20分したら、私の試合が始まるわ。それまでゆっくりしていてね。」
☆光の騎士団
ラエル:
「いい試合だったよ。あれほど必死なボルクを見るのは、あの時以来だ。」
ボルク:
「すみません。もう少しうまくやればよかったです。」
ラエル:
「いや、あれで良い。とても面白かったよ。しかし、あのリオ、想定外すぎるな。完全にあいつのペースにはめられたって感じだが、どうだ?」
ボルク:
「リオの目、あの目は本物の戦士の目だった。全体を把握しながら、瞬き一つせず、私の攻撃を避けようともせず・・・・。最後の瞬間で、あの技ですから、やられましたよ。」
ラエル:
「いい人材を見つけた。そう感じるよ。」
ボルクとリオは最終局面において、魔力を全開放し、激突しました。ボルクはブルーフレイム!プラズマ乱撃 と言う、王級プラズマ攻撃を斬撃として連打し、リオは、氷撃 プラズマ一刺 と言うこれも王級の技を一撃で打ち込みました。間合いが2mを切った瞬間、リオの剣は、1m近く延長し、ボルクの左肩を貫いた。その後、ボルクの剣がリオの左肩を貫き、万物を凍らせる魔法エネルギーと全てを燃やし尽くす炎のエネルギーを解放した。
ボルクとリオは、そのまま魔力枯渇となり、動かず意識を失った。
☆コロシアム司会席
マリア:
「凄まじい戦いでしたね。王級魔法の連続使用は、並大抵の魔力量では出来ないです。ボルク選手は騎士団の中でもTOPクラスの魔力量。リオ選手は若干13歳、その年齢から考えても、王級魔法を使える事ですら驚きなのに、それを維持しつつ連続使用し、他の魔法攻撃との複合技を見せてくれました。」
ゴラリア:
「これで、1勝1引き分けですね。疾風のアグエス優勢です。」
マリア:
「そうですね。
先鋒 ラオルVSソフィア 1勝
中堅 リオVSボルク 引き分け
最終の大将戦で決着がつきます。
ゴラリアさん、ちょっと良いですか?」
ゴラリア:
「はい、なんでしょう。」
マリア:
「大将戦 リサVSラエル ですが、リサ選手が勝てば、2勝1引き分けで疾風のアグエスが優勝となりますが、ラエル選手が勝てば、1勝1敗1引き分けで、ドロー、引き分けっていう事なのでしょうか?」
ゴラリア:
「戦いの結果となればその通りなのですが、これは試合です。なので、勝敗とは別に加算ポイントが設定されております。」
マリア:
「加算ポイント?ですか?攻撃の手数とか、魔法の種類とか?」
ゴラリア:
「いえ、その様な細かなものではなく、勝敗についてポイントが加算されます。
先鋒には1ポイント 中堅には2ポイント 大将には3ポイントです。すなわち、現在の場合、疾風のアグエスは、ラオル選手の1ポイントが加算されています。中堅の試合では、引き分けであったため、0ポイントです。」
マリア:
「と言う事は、大将戦でラエルが勝利した場合、戦いの結果としては1勝1敗1引き分けですが、勝敗ポイントが、1対3になる為、光の騎士団が優勝となるわけですね。」
ゴラリア:
「その通りです。このポイント制がある事によって、延長戦が無くなります。」
マリア:
「先鋒、中堅で勝利した場合、2勝となりゲーム終了
1勝1敗で大将戦になった場合、引き分けた場合でも上位の戦いにおいて勝利した側のポイントで勝敗が付くって事ですね。」
ゴラリア:
「その通りです。先鋒で負けても中堅で勝てば有利になるのです。」
マリア:
「そろそろ時間となりました。大将戦です。疾風のアグエスからは、リサ・グルジオ選手 光の騎士団からは、騎士団団長、ラエル・ジャプス選手です。
ラエル選手は光系魔法戦士。リサ選手は炎系魔法戦士。どのような戦いになるか、楽しみですね。」
ゴラリア:
「団長ラエル選手は、ドラニス帝国領土内でも5本の指に入る強さだと聞き及んでおります。対するは、グルジオ家の長女リサ選手、剣技においては、兄のボルク選手を凌ぐとも言われております。」
マリア:
「冒険者ギルドからすれば、騎士団を打ち負かしてほしいと言う気持ちが場内の歓声に拍車をかけております。
では時間となりました!リサ選手、ラエル選手、中央へ!
それでは、大将戦!開始です!」




