第一章【始まりと旅立ちの島】第70話 激突するエネルギー
マリア:
「出ました!絶対零度!辺り一面が完全に凍り付いています!ボルク選手は大丈夫なのか!静まり返ったコロシアム全体が冷気で覆われています。ボルクに動きはございません!あ!しかし!」
ゴラリア:
「凍結されたボルク選手、ほんの少し黄色い光を放っております!まだ勝負はついていないようです!」
リオ:
「だろうな・・・これで倒せるとは思っていなかったけど、さすが騎士団No2な事だけはある・・・。やるしかないか。」
ボルク:
「こ これは参ったな・・・。身動きが・・・。ここで大技喰らったら、さすがに俺でもやばいかもだ・・・。「「ファイヤーストーム」」 早く溶けてくれ・・・。」
リオ:
「1・・2・・3・・・魔力開放!「「プラズマ」」「「十字切り」」 !!」
マリア:
「出ました!王級魔法!プラズマ!一太刀目を水平に斬撃を飛ばし、同じ速度でボルクに迫る!真上から十字にプラズマでの攻撃です!」
ゴラリア:
「大きな衝撃音!コロシアム全体が震えています!なんと!リオ選手の攻撃を!ボルク選手が、受け止めました~!」
ボルク:
「コンマ5秒・・・いや1秒差だな・・・。」
リオ:
「クッ・・止められた・・・。」
ボルク:
「リオ君・・・思い切りのいい凄い攻撃だね・・・。危なかったよ。あと1秒対応が遅れたら、間違いなく私の負けだったよ。」
マリア:
「ボルク選手の氷が衝撃によって弾き飛び、無数の傷から、血が流れています。」
ゴラリア:
「リオ選手の氷結剣によるダメージでしょう。氷に隠れて見えませんでしたが、体中が傷だらけです。」
マリア:
「ソフィア選手の支援魔法が無い状態での戦闘では、自力で回復するしかありません!ソフィア選手は魔力枯渇から目覚めたばかり、支援できる魔力が回復するのにもうしばらく時間が掛かります!」
ゴラリア:
「しかし、ボルク選手、よく止めましたね。リオ選手のプラズマは、十字切りなので、通常の2倍の威力があったはずです。攻撃を予測して、同じく炎のプラズマで防御したと言う事でしょう、それにしてもものすごい攻防です。」
マリア:
「ボルク選手、そのまま攻撃に転じます!炎のプラズマによる連撃!リオ選手も氷のプラズマでそれを受け、激しい戦いになっています!」
ゴラリア:
「この衝撃波はものすごいですね。コロシアムが崩れないか心配です。」
マリア:
「炎と氷の王級魔法のぶつかり合いです!これほどの戦いを今まで、見たことがあるでしょうか!」
ゴラリア:
「魔力消費も凄いでしょうね。まだ戦いが始まって5分、普通の冒険者なら、魔力が持たないはずです!」
ボルク:(心の声)
(これだけの攻撃を仕掛けてきたんだ、リオの魔力量はそろそろ50%を切ったって所だろう。俺はまだ、30%も消費していない。勝機はある。)
リオ:(心の声)
(リサのお兄さんだけの事はある。めちゃくちゃ強いしタフだ。このままだと、勝ち目はない。)
マリア:
「ボルク選手、攻撃の手をいったん止め、距離を取りました。自己回復を継続しながらの王級魔法攻撃は、少し無理があるのでしょうか!」
ゴラリア:
「お互い小休止と行きたい所ですが、リオ選手、攻撃の手を緩めません!リオ選手は、ラオル選手からの持続回復魔法がある為、攻撃に専念できます。しかし、ボルク選手はソフィア選手の支援魔法を受ける事が出来ない!だからこそ、攻め時ではありますが、反応速度3重の支援を受けて、どこまで戦えるか!時間と魔力と精神力の戦いです!」




